「クラゲ」に乗ってテレワーク
【近未来予想図 2021年2月未来予想イベント向け記事】
1. はじめに
今月の未来予想イベントテーマは「あっ、その発想なかったわーという未来ある組み合わせを予想する」です。また難しいテーマで、今月はどうしようかと思っていたら、ケビンさんが立てたブレスト用スレッドで、のらえもんさんがこんなことを書き込まれていました。
私が反応したのはバイブ...ではなくて「運転をどうすれば好きになるか」です。そう、私は「目的」が無いと車に乗れないのです。「目的」さえあれば、どんな車に乗っても運転自体を楽しんでいます(ブレーキが踏み始めから停止まで踏力変えずにできた、交差点を理想のラインで曲がれた等)。
さらに、サロンメンバーのshinさんからアイデアを頂きました。オンライン+非同期で、色々な知識を持つメンバーの方とブレストできてしまうのが、この「近未来予想図」サロンの魅力の一つです。
この時点では、「運転」+「目的」の組み合わせで、VRを使った位置ゲー的なものを考えていました。
2. 目的がない自動運転
未来予想イベントの毎月の締め切りは、これまで中旬が多かったのですが、今回は2/20(土)と、いつもよりいつもより1週間遅いです。案もできたし、「まだいいだろう」と油断していたら、今日(2/16)になってしまいました...
慌てて先日考えた「運転」+「目的」で考えを再度整理するために、横軸を「運転」、縦軸を「目的」にしたマトリックスを作ってみました。
図1 「運転」+「目的」マトリックス
各象限がどんな運転になるのか記載していくと、右下の象限「目的がない自動運転」がイメージできないことがわかりました。
図2 目的がない自動運転
一般的な自動運転は、図2のパターン2「目的がある自動運転」だと思います。下記の動画でも、「目的」は六本木から大手町へ行く、となっています。
動画1 日本経済新聞チャンネル「自動運転タクシーに乗ってみた」より
「目的がない自動運転車」は、乗り込んでも目的を設定や告げることもなく、ただ街中を移動するだけになります。まるで海の中を漂う「クラゲ」の様な乗り物になります。資源の無駄?時間の無駄?何に使うのでしょうか?
動画2 foxphotoチャンネル「癒しのくらげ動画」
3. Cloubhouseの「無言部屋」
話は変わりますが、今話題の音声SNSであるCloubhouseで「無言部屋」が流行っているという「うわさ」※1を聞きました。会話するためのサービスで「無言」とは、これも無駄でしかないです。「無言部屋」について調べてみると、「作業に集中する為」が目的の様です。
上記の記事には、テレワークで一人静かな部屋で仕事するより、「無言部屋」に入って、メンバーのキータッチ音、生活音、ちょっとした雑談などが耳に入る方が作業に集中できると書かれていました。
自分も昨年4月から在宅テレワークで、当初は同じく在宅テレワークの妻とリビングで仕事をしていたのですが、お互いのリモート会議の会話が入る、子供たちが邪魔をするなど、仕事に支障が出たのでテレワーク部屋を確保しました。これで集中して仕事できるぞ!と喜んでいたのですが、一人で静かな部屋にいると逆に集中できないとことがわかりました。特に年明けから仕事に集中できず、つい、Twitterでつぶやいたり、「近未来予想図」の投稿をいいね!してしまったりしていました。
Cloubhouseには※1の通り参加できていないので「無言部屋」には入れません。代わりになるものはないかと探してみると、「雑音」を収録したYouTubeやアプリ等色々ありましたが、私が選んだのは「ラジオ」です。テレワークで仕事中、Radikoでラジオ番組を聞くことにしました。時々ラジオ番組に気を取られることもありますが、適度な「雑音」となり逆に集中できるようになりました。
適度な「雑音」は、在宅テレワークには必須の様です。
※1 スマホがAndroidだし、招待してくれそうな「いけてる友人」もいない為、ネットを流れる「うわさ」でしか状況わかりません。一応「新しいiPad」は持っているのですが、iOS 9.3.6の為、インストールすらできません。
4. 目的がない自動運転車「クラゲ」+テレワーク
雑音の中で集中して仕事をした経験が他に無いか思い出してみると、出張の行き帰りの「新幹線」がありました。最前列の席を予約しコンセントとテーブルを確保、適度な揺れと騒音が心地良く集中して仕事ができます。特に帰りは缶ビール飲みながら、絶好調になります😁
実際、JR東日本は、こんな調査を始めたようです。
ここで閃きました💡
街を目的無く漂う自動運転車「クラゲ」に乗ってテレワークしたら、適度な揺れと騒音で集中して仕事できるのではないか? 近距離でも移動することで家に一日中いるよりは気分が変わるのでは? 閉じられた空間なので、新幹線と違い、のぞき見などのセキュリティ面の心配もありません。
「クラゲ」の使い道、ありました😀
5. 「クラゲ」に乗ってテレワークのイメージ(小説風)
自宅マンションの車寄せで待っていると「クラゲ」がやってきた。大きなスライドドアを自動で開けると同時に「元野ラ犬様、おはようございます。毎度のご利用ありがとうございます」。
乗り込むとシートベルト付きのシートが一つ、シートの前にはPCや書類を置くテーブルが備え付けられている。テーブルの上には、34インチ ウルトラワイドモニタとスピーカーも設置されている(この為、前方は見えない)。ネットワークは車内はWifiまたは有線LAN、外部とは5Gで高速につながっている。さらに飲み物用の保冷・保温庫もあり、快適にテレワークできる環境が揃っている。
自前のPCをセットしていると「本日は環八沿いを漂うことにします。17時頃にはご自宅までお送りします」と、一方的に喋りだす。利用者がルートや行き先を指定することはできない。「クラゲ」の制御AIが交通状況を分析し、極力一般車の迷惑にならないように、走行ルートを決定する。
シートベルトを締めると「では出発します」と「クラゲ」が言うと、スライドドアが閉まり、スルスルと動き出した。「クラゲ」は電気自動車の為、とてもスムースに走行する。でもあえて遮音は控えめにして走行音がある程度車内に入るようにしているらしい。適度に「雑音」が入る方が作業には集中できるためである。前は大型モニターで見えないが、両サイドは窓があり、外を眺めることができる。外から除かれたくなければ、スイッチ一つで曇りガラスにすることも可能である。
午前中、メールを読んで返事をしてリモート会議を行っていたら、昼近くになった。外を見ると今は環八の高井戸あたりの様だ。「Hey、クラゲ!昼食が食べたい。お店を教えて」と聞くと、「候補を表示します」と大型モニターに環八沿いのファミレスやファストフード店を表示した。駐車場が無かったり、大きくルートを外れるお店は候補には表示されない。久しぶりにあの「二段バーガー」が食べたいと思い、ファストフード店を選択すると「クラゲ」はその店に向かった。
選択したファストフード店の入り口に到着すると「お食事中、クラゲは充電ステーションで充電しています。充電が終わりましたら、アプリでお知らせします。」と言いながら、スライドドアを開けてくれた。私が降りると「クラゲ」はスルスルと動き出し、ファストフード店の駐車場内にある充電ステーションへ向かって行った。「クラゲ」は軽自動車規格のサイズで容量の大きなバッテリは搭載できず、終日利用の場合、途中で充電が必要になる。
あの「二段バーガー」をコーラで流し込みながら、ニュース記事を読んでいると「クラゲホッパー現る」というタイトルの記事に眼が留まった。自宅を引き払って「クラゲ」で生活している人が増えてきたらしい。「クラゲ」1台の連続利用は最大で48時間なので、最大利用時間が来ると新たに「クラゲ」を予約し乗り継ぎながら「ホッピング生活」しているようだ。車内は快適だし、腹が減れば近くのお店まで連れて行ってくれるし、気持ちは分からなくはないが、私は動かない家のベットでゆっくり寝たいと思った。
クラゲアプリから充電完了の通知が来た。呼び出しボタンを押し、ファストフード店の出口に向かうと、「クラゲ」がスライドドアを開けて待っていてくれた。「おかえりなさい。お食事はいかがでしたか?」「やっぱりここの二段バーガーはうまいね。午後からまた仕事がんばれるよ」と私が返事をすると「ご評価ありがとうございます。お店にお伝えします」。
「クラゲ」は、1日8時間利用で1,000円と低価格で利用できる。その理由は様々なスポンサーが付いているからだ。車体の前方、後方にはデジタルサイネージが付いていてスポンサーの広告が表示されているし、室内のモニターにも広告が流れる時がある。食事の候補もスポンサーの中から提示されているようだ。さらにスポンサーからの依頼でサーベイも行うようである。
シートに座りシートベルトを締めると、スライドドアが閉まり、スルスルと「クラゲ」が動き出した。「午後は環七沿いを漂いながら、17時までにはご自宅にお送りします」
さあ、自宅に着くまでに仕事終わらせて、今日は子供たちとトランプで遊ぶぞ。
自動運転車「クラゲ」のイメージ(いらすとや https://www.irasutoya.com/より)
以上
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