これで全曲どんどん聴ける!cosMo@暴走P概論入門
おはようせかい。cosMo信者です。
一言でまとめると「cosMo@暴走Pの全ボカロ楽曲を鳥瞰してシリーズごとにまとめ、軽いあらすじと構成、推しポイントを書く」記事になります。
履修したいけど楽曲リストが膨大すぎて足踏みしている方や、暴走Pもうちょっと聴いてみたい方に読んでいただきたい記事です。もちろん「今知った」レベルでも大丈夫です。
前置き
……とはいえ、この記事を開いてくれた皆様はアーティスト名と「初音ミクの消失」くらいは知ってるんじゃないかな、と思います。
ボカロリスナーなら「初音ミクの暴走」「ANTI the∞HOLiC」「R.I.P.ゴシップの海」などなど、
プロセカから知った方は「初音ミクの激唱」とか「マシンガンポエムドール」とか、
アーケード音ゲーマーなら「アルトラ」「カラフル/モノクロボイス」などなど。色々知ってるぞな方も多くいらっしゃると思います。
では、全部でだいたい何曲くらいあるか、ご存じの方はいらっしゃるでしょうか?
先ほど楽曲リストが膨大と述べましたが、現在cosMo@暴走Pはオリジナル曲を何曲制作しているのでしょうか?
正解は・・・・・・
かなーり厳しめ・・・具体的にはロング版・リメイク版・インストアレンジ版、編曲のみの担当や公式にはもう現存しない曲などをすべて除外して・・・
だいたい200曲あります。
さらに範囲を狭め、「ネット上で」「合法に」「無料で聴ける」「ボカロ曲」に絞っても、88曲あります。※2022年8月末現在
しかもこれ先述の通り全然音色の違うリメイクやロングバージョンも一律に抜きなので体感としては100を優に超えます。
そんなに聴けないが!?
ごもっともです。
どこから聴けばいいんだ!?
気持ちはよくわかります。
順当に有名曲から聴くなら再生数順に並べれば即解決なんですが、開いた動画がシリーズものだと繋がりがわかんなくてなんとなーくもやもやするし・・・分かってる人はどういう聴き方してるんだろう、みたいな経験のある方いらっしゃいませんでしょうか。全然違うものが見えてるんだろうな、みたいな。
私は他の曲数多くて曲間の繋がりが強いPのチェックしてる時特によくそう思います。ささくれPとか。
じゃあ投稿順に聴けば色々見えてくるかな、と並べるとその88曲+αという数に圧倒されるのに加え、暴走Pの場合「大シリーズが複数あり不定期にそれぞれのシリーズから新曲が発表される」ため結局一回聴いただけでは何がどうなってるのかよくわからない、みたいな現象も起きます。
無論、音楽の聴き方に正解などないですし、たくさん聴いて考えてるからえらい、というわけでは毛頭ありません。
そもそも暴走Pの曲はシリーズなんて意識せずとも単品で聴ける楽曲がほとんどです。(重要)
が、それでも暴走Pわからん、履修に力が要る、というのは日々新着をチェックするようなボカロのヘビーリスナーからも耳にする言葉で、実際腰を据えて世界観を把握するとなると一から手探りで行うのは非常に大変です。
ニコニコ大百科や初音ミクwikiの記事も助けにはなりますが、概説としてはあまりに簡素です。
もっとガッツリしたまとめが欲しい! 私が!
ということでcosMo廃として頑張ってみることにしました。
なお、あらかじめお断りしておきますとこの記事では「ボカロ曲」のみを取り扱います。
人間ボーカルに関してはほとんどが単発曲でネットで聴ける曲数も限られていることが理由で、
インストは歌モノと比べて繋がりを推察できる材料が乏しく、また音楽的傾向から分類してまとめるには筆者の知識が心もとないことが理由です。とはいえそのうちインスト編も作りたい。
cosMoインストが聞きたかったんや! という方は合法で聴けるインストをまとめて下さったツイートがございますのでチェックしてみてください。youtubeのcosMo公式チャンネルだけでも相当量聴けます。
ちなみに筆者の一押しは「有機生命体進化論」です。7拍子の変速ピアノ曲です。とてもすばらしい。
長くなりましたが本題に移りましょう。
シリーズ分類
先ほど「ネット上で合法・無料で聴けるボカロ曲が88曲」と申し上げました。
このうち、公式で「シリーズ」と明言されている楽曲群が3つあります。
それが「消失シリーズ」「空想庭園シリーズ」「幻奏楽土シリーズ」です。
内容は後述しますが、こちらの大シリーズに含まれる楽曲が3つ合わせて49曲です※。半分より多いですね。
残り40曲くらいが単発、つまり基本的には一曲ごとに独立した楽曲となります。
やろうと思えば割と気軽に掘れそうな数になりましたね…いやまだ多いな…
大シリーズ外の単発はでは全く何も繋がりがないかというと「ディストピア」「夏曲」など最小2曲~多くて5曲くらいでゆるーく構成された小シリーズっぽいものとかも一応存在はします。とはいえあくまでよく見るとイラストの世界観が繋がっている、テーマが共通している、というレベルで、内容的には意識せずともあまり支障はありません。
ということで、3つの大シリーズのどれに含まれるか、どれにも当てはまらないのか、を把握しておくとかなり余裕をもって聴きやすくなると思います。
※複数シリーズに含まれる楽曲があるため、個別解説で紹介する曲数の総数とは一致しません。また特に注釈のない限り合法にネット上で聴ける曲のみを紹介・曲数としてカウントします。ご了承ください。
では、大シリーズごとに見ていきましょう。
消失シリーズ
一番有名なやつ。初音ミクの〇〇とついていたら100%このシリーズです。
このシリーズについては以前書いた記事に(~2010年の作品中心に)多少詳しく書いておりますので興味のある方はこちらも参考にしていただけると幸いです。
簡潔に書きますとVOCALOID初音ミクが「どう生まれ・どう成長し・何に悩み・どう死んで/生きていくか」を考察したストーリー群です。
「0」より生まれ、「暴走」などを経て成長した初音ミクという一つの文化はやがてオリジナル性の在処に「戸惑」い、自身の生き方とそれによって変化する最期として「消失」「∞」などいくつかの解を見出すも、至った結論は「激唱」という喜びであった。
そういう初音ミクの人生を考えさせるような楽曲が24曲あります。
なおリメイクやロングも聴き比べしようと思うと曲数が倍近くに増えるので大変です。気楽にいきましょう。
音楽的にはもう言うまでもなく高速歌唱曲が多いです。「消失」の高速歌唱は打楽的発想で生まれたものだ…などと昔どこかで評されていましたが、同音一定符での高速歌唱はcosMoの特徴の一つだと思います。
とはいえけしてそれだけのイロモノに留まることはなく、上記のストーリー的な必要性と絡めていること、何より歌詞の韻律も含め音楽的な美しさも損なわれていないのが今日これだけの高評価を生んでいる所以なのだと思います。
あと森に捨てられる曲やネギ泥棒アイドルの曲など、全部が全部高速歌唱というわけでもありません。
楽曲リストと曲順はニコニコ大百科とyoutube公式プレイリストが信頼できます。あとは上記の拙記事も読んでねってことで。
Q.ニコ百とようつべのリスト、曲かぶりまくってるけど両方要る?
A.要る(鋼の意志)
要ります。この二つ、片方に無い曲があるのもそうなのですが、載ってる曲の順番が違い、しかもどちらも正しいです。
というのも消失シリーズには、いわゆる「第1部」と「第2部」が存在します。
上記の誕生~終末予測~激唱の流れを描いたのが「第1部」。そして「第2部」は第1部の流れにほぼ忠実なリメイク…の途中に違う道を辿った別の2つの世界線が混線するという構成となっています。なかなか初見殺しですが、理解するとめちゃくちゃ胃が痛い面白いのでクロスフェード動画と合わせて視聴してもらえるととても嬉しいです。
ニコ百が2010年のアルバム「初音ミクの消失」中心の記事で第1部、つべが2018年のアルバム「初音ミクの消失-Real and Repeat-」中心のプレイリストで第2部になります。
※「第〇部」という名称は非公式です。公式的にはアルバムの名前から「無印」と「Real and Repeat」ということになるでしょう。ファン界隈だと後者が「RAR」とか略されたりしますので、もしフォロイーにcosMoクラスタがいてRARの~とか言ってたらああ第2部の方の話してんだなって思って大丈夫です。
このシリーズをオススメできるのは「初音ミク・VOCALOIDそのものが好きな人」は言うまでもなく、「心を持ったアンドロイド」ものが好きな方にも刺さると思います。
第2部まで深堀りすると人間様醜い…みたいな要素も出てくるので衆愚好きにもオススメ(?)
物語音楽としては視点は初音ミクでほぼ固定、登場人物はミクとマスターと観衆程度で抽象化されているので、たくさんオリキャラ出されるとわからんという人でも安心できます。
音楽的には高速歌唱のみならずVOCALOIDならではの表現を聴きたい方にオススメ。高速歌唱については「〜HOLiC」「ラクガキスト」「ヤミナベ!!!!」などなど、他のシリーズや単発にも散らばっているので地道に探してみてください。
空想庭園シリーズ
現在でこそ知る人ぞ知る、という感じですが、古参のボカロリスナーなら好きな方も多いはずです。代表曲は「空想庭園依存症」「廃都アトリエスタにて」など。
ネコと宝探しの探検をするお嬢様、闇の魔物を討つ女騎士……ファンタジィな物語を次々と創作する空想庭園の主「少女」が書いた物語、そして少女自身の想いの昇華/堕落が描かれた楽曲群です。
性質上少女の書いた「作中作」が複数登場するほか、少女の精神状態、あるいは切り取る視点の違いから生まれる「表裏」の二面性のどちらを見るかによって2つのエンディングに分岐します。
……なんだかふわっとした言い回しのあらすじで申し訳ないのですが、これは明確なストーリー間の繋がりが他シリーズに比べると薄く、全曲を網羅したアルバムも存在しないためこれという順番を明示するのが難しいことと、世界に50部程度しか無いのではとまことしやかに囁かれている空想庭園設定資料集を筆者が持っていないことに依ります。
なので解説は独自解釈を多く含むことをご承知おきください。
全部で13曲とネット上で聴けるものは少なめです(ちなみにCD限定が7曲あります)。1時間あれば全曲履修できるのではないでしょうか。
楽曲リストはニコ百の記事に「破壊と創造の空双庭園」、「θθしにたがりにつけるくすりθθ」の2曲を加えて完成となります。
※厳密には更に「Hyper∞LATiON」が加わりますが消失シリーズと重複する上に色々ややこしいので除外。気になったら調べてほしい。
音楽的な話をすると、これ本当にcosMoが書いたの?ってびっくりされそうなハイテンポスウィング調のカワイイ楽曲、本人も後に言及するほどコード展開が尖りまくったプログレロック、ゴリゴリの高速歌唱を乗せたゴシック調ダンスビート…と、物語の色に合わせて様々な曲調が楽しめます。
引き出しの多さを存分に味わうことができるでしょう。
楽曲順ですが…まず少女の「表」を描いたのが「少女の空想庭園」→その結果の「ストーリィ×テラー」で一セット。
「裏」を描くのが「園庭想空の女少」→その結果の「空想庭園依存症」で一セット。
「電波少女と空想庭園」は次項の「幻奏楽土シリーズ」とのクロスオーバーで、「破壊と創造の空双庭園」は小説版への書き下ろし楽曲です。どちらもif・スピンオフだと考えて切り離して考えた方がとっちらからなくて済むでしょう。組み込もうとすると大変なので
そして残りはすべて独立した物語でありどこから聴いても問題ありません。
以上。
……ぶつ切りすぎて味気ないのでもう少し補足します。
このシリーズ群では、「少女の物語が現実化している」あるいは「少女の世界と物語が融合している」のではないかととれるような描写が、分かりにくいながら一部に存在しています。
最早「少女の創作なのか、創作を越え少女の現実になってしまったのかがわからない」楽曲があるわけです。
それが決定的になるのが「廃都アトリエスタにて」と「ANTI THE∞HOLiC」だと個人的には考えています。そんな仮説を踏まえ、
1.新世界
2, 3.少女の空想庭園、園庭想空の女少
4~6.ミクとピアノとファンタジィ、ミヤコワスレ、Θ(θθしにたがりにつけるくすりθθ)
7, 8 ストーリィ×テラー、空想庭園依存症
9, 10 廃都アトリエスタにて、ANTI THE∞HOLiC
EX:電波少女と空想庭園、破壊と創造の空双庭園
あたりが収まりが良いのではないかと思います。異論は認めまくる。
さて、このシリーズをオススメしたいのはずばり何かしらの「創作活動をしている方」。一介の創作者である少女の抱く希望と絶望に共感できるのではないかと。
また楽曲単品だと難解な歌詞を、GAiA氏作のSSと合わせて読み解いていくタイプの曲も多く、「自力で難解な物語の内容や繋がりを見出していくのが好きな方」にもオススメです。SSは動画説明文にリンクが貼っているのでチェックしつつ聴いてみてください。
音楽的には先述の通り割とジャンルがバラバラなので色々聴いてみたい方向け。時期的には2008年頃のcosMo曲が中心になり、歌って気持ちの良いメロディアスな曲が特に多めです高すぎて歌えないが。あとめっちゃ荒ぶるピアノ。
幻奏楽土シリーズ
正式名称は「星ノ少女ト幻奏楽土」。代表曲は「家出少年と迷子少女」「モノクロボイス」など。
Youtubeの方での初投稿がこのシリーズになるのでcosMoを巡回してみようと聴いてみた一曲目がこのシリーズだった方もいるかもしれません。
退屈すぎる日々・不治の病・叶わぬ恋…様々な要因から鬱屈する少女たちに、機械仕掛けの"街(ステラ)"は忘却と新世界を与えて延命させるが、やがて少女たちは現実を思い出してしまい……というお話が前半部の基本スタイルで、一話完結のオムニバスで進行します。
後半は"街"のシステム自体を破壊しに向かう解決編や総括曲、その後の話などで、全体を通してもかなりしっかり固まっている物語となっています。
楽曲数は15曲※。履修目安は1時間半程度。
楽曲リストは公式マイリストに「幸せな時計台より愛を込めて」「ANTI THE∞HOLiC」「Φへのリグレット」あたりを足して聴きつつ、例によってニコ百も参照のこと。おおむね公式マイリストの投稿順で聴けば間違いないでしょう(ニコ百と比べても誤差です)。
youtubeの公式プレイリストがあると手っ取り早かったのですがなぜかありませんでした。作ってくれこすもたん。
※「独房ステラシアタ」「もう一つの迷子少女」を含めれば17曲
音楽的には何といってもコテコテの物語音楽。
他2シリーズももちろん物語音楽には含まれていますが、このシリーズは歌詞と音楽さらに映像が緻密にリンクしており、映画でも見るような気持ちで楽しめます。
プロとして活動を始めている時期のシリーズである分構成から音色まで初めから洗練されており超絶技巧をこれでもかと堪能できます。12分の大作もあるぞ!
他シリーズと比べてかなり曲中で全てを語ってくれるタイプで、内容的には追加で解説したいことは特にありません。が、情報量が少なすぎる気がするので終盤のネタバレにならない程度にもう少し書きます。
あらすじを読んで感づいた方もいるかもしれませんが、この物語はいわゆる「明るいディストピア」ものです。ただ幸福を甘受できるなら痛みも苦しみも要らないのか? あるいは、本当にそれで真の幸福は甘受できるのか? というあたりが焦点になっています。
"街"の住人はそのシステムに疑問どころかその存在すら持たない中、外部から来た一人の科学者が失望と好奇心からシステムに介入し始め、夢に浸る住人の目を強引に覚まさせては精神を崩壊させている…というのが前半部の物語です。
そしてついに"街"の誘惑を振り切った帰還者が現れることで解決編への道が開かれることになります。
またシリーズ構成的には「つづく」フラグが割と明確に立っています。
それが「カラフルボイス」「モノクロボイス」の2曲です。
太鼓の達人書き下ろし曲で有名ですが、実はこの幻奏楽土シリーズの楽曲であり、しかもシリーズが一旦完結してから5年ほど経って唐突に現れた謎の新曲でした。
恐らく消失シリーズでいう「第2部」の開幕なのでは? と目されている曲になります。
正当な続編なのか途中で分岐したif展開なのかは分かりませんが今後の展開にも期待が持てますね。ρちゃんの胃痛は心配
このシリーズをオススメしたいのはとにかく物語音楽が好きな方。大罪シリーズ・カゲプロなど他のボカロ物語音楽が好きという方なら自信を持ってオススメできます。ボカロ外、Sound Horizenなどとも親和性は十分あるでしょう。
あと先述した通りディストピアものや寓話調の物語が好きな方。ほのぼのした画調から突き落とされる作品が多めで、某旅モノラノベとか好きな方は慣れ親しんだ味がするでしょう。ソースは私。
音楽的にはcosMoの技巧の粋を凝らした作品がいっぱい聴きたい方にうってつけです。大シリーズの中では一番使用ボカロ数が多く、後半にはデュエットもあるためその面で色々聴きたい人にも良いでしょう。特にcosMoがくぽがメイン歌唱で聴けるのはここだけです。
以上、3つの主要シリーズを紹介いたしました。
気になったストーリーがあればぜひぜひチェックしてみてください。お気に入りの曲がどのシリーズにあるかを調べて周辺を広げていくやり方も楽しいと思います。
もちろんだいたいの曲は独立して聴けますのでジャケ聴き・タイトル聴きでもオールオッケー。
深読み上等! であれば主要シリーズ同士も実は繋がっていると思しき箇所まであるのでやろうと思えば無限に沼が広がります。
その他単発曲
先述した通り単発曲間に深い繋がりはないですが、半公式の小シリーズや別名義などでくくられるものはいくつか存在します。
「半公式」というのは、「正式に〇〇シリーズとは宣言していないしタグ付けなども行っていないが、タイトルやキャラクターや時季など明らかに意識されている」……要するにゆるーくかかわりがある感じです。
3曲以上あるものを紹介してみます。シリーズ名はすべて非公式です。
※実はもう一つ「化物の棲家シリーズ」という正式シリーズがあります。が2曲なので今回は割愛致します。今後増えたら追記するかもしれない。
・ディストピアシリーズ
所属曲・・・「ディストピア・ジパング」「ゆるゆらり。」「Sadistic.Music∞Factory」「エスケープ・フロム・ディストピア」「ディストピア・ロックヒーロー」
音楽工場が量産する楽曲に心が押し流されていってお先真っ暗! それでも自分たちの曲を叫べ! Love&Music!! みたいな小シリーズ。SM工場は実は消失シリーズではなくこちらになるのでした(消失シリーズifの一つではないか? と見る向きもありますが)
あらすじ? だけ書くと少年漫画っぽいですが「ジパング」「ゆるゆらり」の2曲はキャラクターが同じという程度で、内容的には現代社会への風刺批評色が強いです。特に「ゆるゆらり。」は貴重な徐行曲で、吹きだまったまま消えていくような厭世的な歌詞で隠れた名曲です、とやんわり推しておきます。好きなので。
本筋があるとするなら後半3曲で、「暗い過去を抱えた悪役」「体制に歯向かう少年少女たち」の双方が描か…やっぱり少年漫画じゃないか!?
もう数曲で正式シリーズになりそうなくらいには割と世界観がしっかりしています。でもあくまで単発。
・cosMo夏曲シリーズ
所属曲・・・「感傷マゾヒスト」「あなたが落とした夏は金の夏ですか、銀の夏ですか、それとも私と拾いに行きませんか?」「不意打ちの感情発露は今期も未遂に終わる」
曲名が長くて目がうろうろしますが3曲です。2018年から1年に1曲夏に出ていました。2022年はなかった。
内容としては「夏が嫌い」で統一されており、その後に続く展開が各年で違います。
今更ですが近年の暴走Pは基本的に全部一人でイラストから動画まで作成しています。年々画力が上がっていると評判です。何が言いたいかというと可愛い夏服の女の子をいっぱい見たい人にもオススメだということです。
ちなみに2曲で止まったため紹介はしませんがハロウィンもシリーズ化しかけていました。
・ボーカロイドにオリ曲を喋ってもらった
所属曲・・・「魔法少女ラジカルペイント」「鏡音レンの暴走」「鏡音MAD狂信道」、ほか消失シリーズ曲
動画イラストにくっきり書かれているレベルのれっきとした正式シリーズですが大半が消失シリーズと被るのでこちらで触れておきます。フル楽曲リストはこちらを参照。
消失シリーズすべてが入っているわけでもなく、「初音」「鏡音」が入っていたらここ、という分け方だと思われます…が、何も冠していないラジカルペイントさんはなんなんだろうという疑問は残ります。まあ当初は本当にボーカロイドに喋らせていたらこのシリーズ、という定義だったのがいつのまにか変わっていたのでしょう。ガバガバじゃねーか そして消失シリーズを抜くと見事に酷い曲しか残っていません。マスターは紳士さんだからね仕方ないね。
酷いけど全部名曲なので一度は聴いてほしい。騙されたと思って騙されてほしい。
・黒猫アンティーク
所属曲・・・「HΨ=世界創造=EΨ」「少年ノアとΦの邂逅」「シャノワールの冒険書」「Φへのリグレット」「破壊と創造の空双庭園」
別名義曲です。
所属曲はニコ動のマイリストから引っ張ってきました(編曲参加名義だと「AI少女と心層深海」も入ります)大シリーズに含まれている曲がいくつかありますが細かい事情は割愛します。
好きなことを好きなようにやる名義、本人曰く「部屋の模様替えのようなもの」とも。
まさに紙とクレヨンな白黒ショタのMV、キラキラしたプログレ調の楽曲、そして自由と破滅からの再生を謳う歌詞。考えるな、感じろ。
ニコニコだとマイリストが分けられているため「一度巡回したのに覚えがない」という方はそれが原因だと思われます。
特に各曲世界観的に繋がりはない(そのように定義された名義である、とも)ですが、その奥の主張未満の独白は薄らと繋がっていて移り変わっていた、と見るくらいはいいのかもしれません。
……こんな感じでいい?
・Team GOBOU&HACKPSY
所属曲・・・「サイコパスラヴ」「デッドマンズバラッド」「イマジナリイフレンド」
ペットの白菜と飼い主牛蒡が登場する治安の悪い楽曲シリーズ。もうこれで紹介文が終わってしまう。
マジで歌詞的には微塵も繋がりはなく、二人の設定も楽曲ごとに違うみたいです。イマジナリイフレンドでちょっとシリアスっぽい設定がつきましたが次があったら破棄されてる可能性が高い。
cosMo氏的には恐らく治安の悪い…もといスピコア系の実験作に用いるキャラクターということで固まっている感じです。なので楽曲傾向のアイコンとして見るのが今のところは適切かと。
これシリーズか…? とも思いますが単発曲でキャラクターが使いまわされるのは結構珍しいのでヨシ! 異論は認める。
以上、小シリーズの紹介でした。
知名度は度外視したため、あれ? この曲は? という楽曲も結構あると思います。ニコニコ100万再生の「僕は空気が嫁ない」とか、ようつべ1000万再生の「R.I.P.ゴシップの海」とかも3曲以上のシリーズというくくりだと漏れてしまいました。
しかし一つ一つ挙げだすとキリがないのでこの先は自分の耳で確かめてみてくれ! ということで締めておきたいと思います。
おわりに
1万字もお付き合いいただきありがとうございました。
1曲だけでもcosMoさん聴いてみようかな? って思ってもらえていたらとっても嬉しいです。
何聴くか迷うなーという人はこちらの日替わり診断に身を任せてみるのもいいかもしれません。作っといてよかった
そして改めてめちゃくちゃ曲作ってるなcosMo@暴走P。こすもん無理すんなよ定期。
他のPでもこういうの無限に見たいので根気のある方ぜひお願いします。
それではどうか良い旅を。