とりとめのない子どもの話。どうリアクションしたらいい?
「親にちゃんと話を聞いてもらった子どもは学力も高い」なんて聞くと、ドキッとするかもしれません。実際、話を聞いてもらうと心が安定して、学習意欲も高まるのだそうです。
前回の記事で、なんでも話せる親子の信頼関係の大切さを書いたところ、こんなご相談がありました。
今回は、どこまで、どんなふうに、子どもの話を聴けばいいのか、考えてみます。まずはNGマンガを見てみましょう。
■子どもの話に生返事をしてしまう
興奮した子どもの話は、よくわからないし、ずっと話しているし、要領を得ないことありますね。しかも料理中や食事中にあまり話題にしてほしくないテーマだと、親は生半可な返事になってしまいがち。
結局、興味のないおしゃべりに付き合わされて親はうんざりした気持ちになり、子どもには「話をわかってもらえなかった」という気持ちが残ります。
親と子ども、どちらにも不満が溜まるとしたら、もったいないですね。
ではどうしたらいいのでしょう。OKマンガを見てください。
■子どもが「聞いてくれてる!」と感じる親の聞き方とは
実は、「親が考える真剣な聞き方」と「子どもが感じる真剣な聞かれ方」には違いがあります。
NGマンガで親は
・何に、びっくりしたのか?
・何が、気持ち悪いのか?
・何が、かわいいのか?
について、何度も問いかけていますね。親は真剣に話を聞いています。でもちっともその答え(ミミズ)がわからずに、イライラしてしまいます。
一方、子どもは何度も聞き返されて
・自分の話が通じない
・わかってくれない
・全然話を聞いてない
と受け取ってしまいます。
■順序立てて話すことを要求しない
今回のマンガで子どもは、何を伝えたいのだと思いますか?
それは「自分だけ、平気だった!」ということ。これをお母さんにわかって欲しいのです。
ですから、おしゃべりなお子さんが、順序立てて、論理的に話すことができない時、それを正そうとするよりも、まずは、気持ちを受け止めることが先です。
すると子どもは「受け止めてもらえた」と感じて、どんどんお話できるようになります。
このマンガの場合は「平気だったなんて、すごいね」のひと言でOK。
親としては何が平気だったのか、よくわからないかもしれません。でもまずは気持ちを受け止める言葉を返しましょう。
つまり、親が知りたいことを理解するために話を聞くのではなく、子どもの思いを認める聞き方が大切です。
親の労力がぐっと減りますし、子どももその繰り返しで、論理的に話ができるようになっていきます。
■ズボラくらいがちょうどいい
真面目な親ほど、状況をしっかり把握して、それがすごいことなのかどうかをジャッジします。毎回、そんなふうにお話を聞こうとしたら疲れ果てますし、子どもも話す意欲が失われるかもしれません。
全部を真剣に聞くのは大変なので、気持ちを受け止める点だけを外さなければ、あとは、子どものおしゃべりをオウム返しするくらいで、問題ないと思います。
なぜなら、子どもは声に出すことで、自分の考えを整理して、まとめているからです。ズボラな聞き上手になって、どんどんおしゃべりさせてあげましょう。
マンガ:とげとげ。
執筆:天野ひかり
上智大卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。NHK「すくすく子育て」キャスターの経験を生かし、親子コミュニケーションアドバイザーとして 講演や企業セミナー講師を務める。子どもの自己肯定感を育てるため自身で立ち上げた「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表理事、一般社団 法人グローバルキッズアカデミー主席研究員。主な著書に『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)や『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)などがある。