![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105327148/rectangle_large_type_2_3c0a84c7ca539a99f4368623f0822359.png?width=1200)
ジョアンメソッド2年目終了〜「足の速さは才能じゃない。走りの学校、和田賢一です!」「あーたです!」〜
(4月に出す予定のnoteでしたが色々あってACLも終わったこの時期になってしまいました。)
ちょうど一年前の下半期振り返りのnoteはこちら
https://note.com/gkgashi/n/n3244c8ca5a8b
さて、2023シーズンが始まりました。林彰洋がピッチに復活し、浦和レッズの西川が昨年に引き続きJ1で高いパフォーマンスを発揮し、彩艶はU22でドイツ相手に好セーブを連発し、牲川はルヴァンカップで実力を証明し、吉田は大原で順調に仕込まれていることでしょう。何よりもコロナで完全非公開だった大原に練習見学に行けるようになったことが最高なのであります。というわけでジョアンメソッド2年目下半期の振り返りです。
成長速度のはなし
今年の冬、オフシーズンが長かったことと色々な縁が重なり、J1から地域リーグまで様々なカテゴリーの選手が練習参加をしに来てくれました。GKではJ1の選手とJリーグ経験もある地域リーガーの選手がそれぞれ3〜4日ずつ参加してくれました。とはいえ、高校生たちはサイクルを回しておりゲストが来ても基本的に練習内容を変えることはしないので選手たちと同じメニューを消化してもらったのですが、、、2人ともできるようになるのが本当に早い。初めて取り組む技術も高校生が3日かかることを1日で、技術によったら2,3回やればイメージ通りの動きをしてしまう。本当に飲み込みが早かったです。そんなことを思っていたら栗原さんの動画でこのようなものがありました。
「再現性」か、
なるほど。
だいぶしっくりきました。
そんなわけで成長速度が大事な気がしてたわけですが、それが確信に変わったのは進路指導をしてる時でした。わかりやすくいえば「年齢制限」です。
サッカーにはそれぞれのカテゴリーで現実的な年齢制限があります。
例えば、レベル60が高校選手権で優勝できるGKの基準だとした時に、20歳でレベル60になっても遅いですよね?
例えば、プロになれる基準がレベル90だとしたら18-22歳で到達している必要があります。35歳でレベル90になっても雇ってくれるJクラブがあるかは相当怪しいですよね?
ただ、赤ちゃんの時はみんな等しくレベル1です。そして、レベル7の次は必ずレベル8であり、いきなりレベル30までワープできるわけではありません。
育成年代、ことU12やU15はマット運動はじめ器械体操、正しい走り方、野球やバスケなどの異種競技、とにかく「身体能力や運動神経や身体操作」を伸ばして欲しい。左右両足普通に蹴れれば大満足。GKのスキルなんて無でOK。成長スピードが早くなるように仕込んで欲しい。アスリート力を高めて!!
— ろこ (@GKgashi) January 8, 2023
そう考えると、あるカテゴリーで何かを成し遂げるには「成長速度」は何より大事だし、その「成長速度」は「再現力」によって決まると言うこともできると思います。そう考えると、プロだから成長速度が早いのではなく、成長速度が速いからプロになれたと言えるので、プロになるためには成長速度が大事だというのは明らかだと思います。
身体操作のはなし
そんなこんなで「再現力」が大事だなと思ったわけですが、「再現力」って正しい動きを自分の体で再現するわけなので、日頃のGK指導も戦術的な要素を除くと「身体を正しく動かす」ことを求めているのだなと気づきました。キャッチ、セービング、パンチング。大事なのは身体を正しく動かすことでした。
だとすると、陸上や体操など道具を使わずに自分の体一つで行うスポーツは何よりも自分の身体を思った通りに動かす力、すなわち「再現力」が高まる近道ではないかと思いました。
(これはいわゆる「運動神経や身体能力」に限った話ではないのですが、そこは長くなるので割愛)
そこで、怪我人が多かったこともありチームとしてフィジカルコーチを招聘し、身体操作に特化したトレーニングを増やしたのと、GKチームとしても陸上のトレーニングを本格導入することにしました。
走りの学校のはなし
というわけで陸上のトレーニングを導入するにあたって参考にしたのはみなさんご存知「走りの学校」のyoutubeチャンネル。和田さんを直接知ってる指導者の方や陸上部の先生にも聞いて本格的に行いました。
実は昨年度の下半期も走りの学校のトレーニングをやってはいました。しかしその時はただトレーニングをコピペしていただけで「このトレーニングにはどのような意図があるのか」「なぜこのトレーニングが必要なのか」など細かい分析をせずにやっていたため全くと言っていいほど成果が出ませんでした。当時の子供達の時間を奪ってしまったことはとても申し訳なく思ってます。
その反省から、1ヶ月半かけてyoutube上の全ての動画を見て、テーマ別に整理しながら内容を分析し、2週間ほどベーシックなトレーニングをこなした後はGKにとって一番必要なスタートダッシュの部分に特化してトレーニングを行いました。結果は歴然。全選手がスタートダッシュと50m走のタイムを向上させることができました。数値でも映像でも明らかな成果が出たので正直引きました(笑)
もちろん、並行して筋トレも行なっていたのでそれだけではないでしょうし、専門家が見たらもっと成長させられたかも知れません。しかし、「足の速さは才能じゃない」を目の前で実感できたのはとても自分にとっても大きい経験でした。
GK練習のはなし
2年目の選手たちが少しずつ練習でやってきたことが実際のプレーの中で表現できるようになってきてフィールドプレーヤーやコーチ陣から「あいつら良くなってるくね?」「あのシュート止まるの?」というようなことを言われるようになってきました。
GKに関して、GKコーチが「こいつ成長したな」って思うのと、監督が「こいつ成長したな」って思うのには半年近いギャップがある。
— ろこ (@GKgashi) December 11, 2022
多分GKコーチはコイキングがたいあたりを覚えたころ成長を認識できるが監督はギャラドスになって初めて成長を認識する。
だからぽこあぽこ。進化の石は存在しない。 pic.twitter.com/uhvpp05Smy
1年前、紅白戦で「あいつなら打てば入る!」「なんでそれが入んねん!」と言われてた選手たちが公式戦で相手チームに「あのGKえぐいって…」と言われるくらいには成長したというのは素晴らしいのではないでしょうか。そして、現時点ではそうなるのに少なくとも1年半以上の時間が必要だということもわかりました。逆にいえば少なくとも1年半は周りから見て上手くなってるように見えなくてもブレずにコツコツやることが大事だということです。まぁ、そう言いつつ3年間ブレるつもりないですけどね(笑)
ちなみに、ジョアンメソッドで2年というのは半年単位で組んでるトレーニングサイクルを4周することを意味します。毎サイクル、同じテーマの練習でも少しずつ新しい技術や戦術が入ってはくるものの今までやってきたことがベースになっているので復習しながら上塗りしていくような作業になります。東大や漢検の過去問も4周やればそれなりに力は付くものです。
また、トレーニングや試合を経て彼らの分析力も高まっているので、自己分析はもちろん、1年目の選手たちに対して指導アドバイスをしてくれるのはGKチームとして成長していく上でとても力になっています。
とりあえず現時点では監督も「今週末GKどっち出した方がいい?」と聞いてくれるレベルでGKたちが競い合っているので2年間やってきたことは間違ってなかったかなと今は思ってます。走りの学校のトレーニングもそうですが、「正しい方法で、十分な量なされた努力は裏切らない」という言葉を実感した2年目下半期でした。
ただ、当然レベル25のギャラドスでは四天王は倒せません。なのでレベルアップは育て屋さんに任せて自分はメガ進化のためのキーストーンとわざマシン15を探す旅にでも出ようと思ってます。
…え、令和のはかいこうせんってわざマシン163なの⁉︎
…え、令和のわざマシンって自分で作れるの⁉︎