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#16 DFBサッカーの教科書その4

こんにちは。ドイツは正月感がほとんどないけど学校は休み。暇なんですね、、、笑
引き続き本を読んでいきます!今日から第二章です。

第二章 段階1 基礎能力の獲得
チームやコーチの雰囲気、練習や試合の様子、クラブでの第一印象は子どもがサッカーを熱心に長期的に続けられるかに大きく影響します。年齢に応じた子供たちのサッカーの哲学が正しいものかが重要です。
ピーター・フライマス DFBユース委員会委員長

現代の子どもたちの遊びと動きの世界
子どもたちの自由な遊びと動きの世界は非常に変化している。かつては道や森、草原、サッカー場などが子どもたちのレジャーの中心的な場所だった。木に登ったり、溝や生け垣を飛び越えたり、キャッチボールやかけっこ、かくれんぼなど、さまざまな遊びを楽しむことができた。キャッチボール、かけっこ、かくれんぼ、冒険、ボール遊び(ストリートフットボールを含む)は勇気、創造性、遊び心、技術、自己主張を育んだ。今多くの子どもたちが好む遊び場は自分の家の四方の壁なのだ。

DFBはクラブの枠を超え、学校サッカーの持つ多くのポジティブな衝動をよりしっかりと体育に定着させることを義務として捉えている。学校でのサッカーは健康増進の動機付けに適しているだけでなく、社会的な価値を学び、フェアプレーや寛容さを体験することも目的としている。

目標:全人的な人格形成
学校でのサッカーは、、、
健康 運動能力 認知機能 社会学習の獲得が見込める。
DFBによる学校サッカーのプロジェクト
1000のミニコート
学校サッカー大会
学校とクラブの連携
統合化
女子サッカー部の発展

座りっぱなしの子どもたちがもたらすもの 
最近の子どもたちは自由時間にテレビやパソコンの前に座っている時間が週に30時間にも及ぶという調査結果がある。その結果すでに太りすぎ、心身不調、腰痛など深刻な運動不足である子どもたちがあまりにも多いという致命的な事態に陥っている。クラブ、協会、学校は積極的にそして密接に協力してこの状況に立ち向かわなければならない。

唯一の身体活動科目である体育は全人格的な人格形成に特別な貢献する。学校におけるサッカーを含むスポーツ活動の質と量を向上させることはスポーツ、スポーツクラブ、社会、そして何よりもまず子どもたち自身のためになる。

遊びを通してサッカーを知る
子どもたちの熱意とやる気をドリブルやシュートなどサッカーの核となる要素を遊びながら段階的に学ぶには多彩な動きや遊びが最適な基礎となる。
学校でサッカーをすることのポジティブな効果
体育の授業でやる気と多彩なサッカーをすることは子どもたちの全人格的な人格形成に良い影響を与える。
・サッカーは特に幼少期において、多彩な条件と協調的な動きが要求されることから健康を促進する
・シンプルなゲームタスクなので未経験者でも比較的早く達成感を得やすい。
・勝敗をつけることは、個人にとっても、集団にとっても大切なこと。
・ゲームを中心としたグループプロセスは子どもや若者の社会的学習を促進する。
・サッカーは異なる民族や社会的背景を持つ少女と少年に等しく届き魅了する。

10の役立つヒント
1.体を動かすこと、遊ぶことへの意欲を高めよう
2.単純な動作課題を面白く
3.異なるボールで多彩なタスクを提供
4.子供にとって適切な方法でタスクを簡潔に説明
5.小グループを作りより多くの運動ができる環境に
6.簡単なルールにしより試合にのめり込むように
7.サッカーの基本的な要素を小さな目標を立て、モチベーションを上げながら教える
8.すべての子どもに配慮し、個人の能力に合わせてタスクを調整
9.試合には必要なときだけ介入するように
10.あらゆる場面で子どもたちのお手本となるような存在に

段階1基礎能力の獲得の前半でした!
2009年の本ですが既に子どもたちの運動不足が問題とされているのに驚きですね。2009年だと僕は12歳頃の話です。僕が住んでた場所は田んぼまみれの田舎町だったので、小さい頃は秘密基地を作ったり、公園で遊んだり、田んぼに勝手に入ってサッカーをやったり(地面に刈った後の稲の苗があってイレギュラーにボールが跳ねて面白かった)、道路で鬼ごっこしたり、用水路を飛び越えたり、、、思い出すとキリがないです。そんな遊びの中で様々な動きを習得し自身の基礎運動能力を作っていったんだなぁと今になって思います。しかし今はどうでしょうか。そんな子どもの姿はあまり見かけなくなりました。公園もボール遊び禁止。ゲームで遊ぶ子ども達。さらにそのゲームは今やオンラインでやるので自転車に乗って移動もなくなりました。これは寂しいことですがそういう時代だと受け入れていかなければなりません。では、過去はそれら遊びで身につけた基礎能力は今はどこでつけるのか?その役割を補うのがサッカーなどのスポーツクラブになりました。習い事で体を動かす時代です。キッズ、低学年ではサッカーのみに特化し偏った身体を作るのではなく、トレーニングの中に色々な動きをいれて基礎身体能力を作ることも求められていくのでしょう。
もう一つ注目したいのがDFBが掲げた目標です。全人的な人格形成です。全人的とは身体や精神など一側面でみるのではなく、社会的立場や心理などあらゆる角度からみることです。DFBは世界トップクラスでの地位を確立するために小さい頃からはまず人格形成を最優先したところに感激します。そして10の役立つヒント。その10。子どもの手本となるように。過去記事でも書きましたが指導者の立ち振る舞いや考え方などは鏡のように子ども達は無意識に真似します。我々指導者は手本となれるように常にしていくことが求められますね。特にキッズ、低学年の選手に対しては。

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