#73 SVホッホドルフ。リーグ戦。雨の中、早朝に。接戦の試合。
こんばんは。お疲れ様です。
今週末もSVホッホドルフのU13のリーグ戦がありました。
感じたことをレポート方式で書き出します📝
・毎週末リーグ戦があることの良さ。
前回はキチコーチや選手数名の古巣だったフライブルガーFCとの試合。試合には負けたが、素晴らしい試合をしてくれた。そんな試合の後、すぐに同じ勝点3がかかった重要な試合が週末に訪れる。緊張感などは先週と比べると少し落ちるが、それでも同じ勝点3。前回の試合を振り返りつつ、この試合も勝つぞ。とみんなで試合には挑む。前回できたことは?できなかったことは?今日はどうする?そんな風に話し合いながら毎週末のようにリーグ戦がある。そんな環境は素晴らしいな。と再度思う。このチームは確実に色々なものを積み重ね、成長している。
・試合内容レポート、日記
いつもより朝が早かった。僕は前日ホッホドルフU19の選手、コーチらと飲み会があったので夜遅くて朝がすごく辛かった。それは僕だけではなく、選手らも同じみたい。さらに雨も降り、気温が低く寒い。さらにさらにコートは結構滑る。みな、いつも通りプレイ出来ない。これは先日行われたアウェイ戦と近い状況だな、、、 あの時は結局上手くいかず負けた、、、と嫌な予感がする。そしてこの日は怪我人が多かった。前半にエースの11番の選手が怪我をして途中交代。後半には歩くのが困難になる程の怪我を2人もしてしまう。長引かないといいけど、、、心配だ。そして休みの選手も数名いた。
そんな感じで万全とは言えない状況。それでも上手くいかなくて、イライラしても、失点しても、前回の失敗を繰り返すことはなかった。滑ったり、上手く動かない時があっても、みんなで助け合いゴールを守り、相手ゴールを目指した。最後の最後まで諦めずに戦い、ラストプレイで得点し2-1で勝利。さらにその決勝弾を決めたのは人数不足で助っ人できてくれた1つ下の年代の選手。本当に嬉しそうだった。僕とはまた2回しか一緒にサッカーをしてないけど、試合が終わって笑顔でハイタッチ。良い思い出がまたできた。
そんな中で個人的に印象に残った2人の選手を紹介する。
・9番
9番の彼はスタメンで出場することが少ない。今日も残念ながら助っ人の下の子達の子2人と彼の3人がベンチスタート。コートに立てる人数は決まっているから残念だが仕方がない。
試合が始まって、僕がベンチの横に座ると
「ケイタ、おれ明日誕生日なんだ!」と話してくれる。「おめでとう!じゃあ今日は点が取れるといいね!」とすこーしだけ会話。こんな風に未だにドイツ語下手くそな僕によく優しく話しかけてくれる。1番初めに僕に積極的に話しかけてくれたのも彼だった。
彼はベンチスタートだけど、しっかり気持ちを持ち自分の出番を今日も待っていた。そして前述したようにエースの選手が怪我をして途中交代が余儀なくされた。9番の子の名前が呼ばれ、急遽出場。エースの子と比べてしまうと、決定的な違いはなかなか作れない。だけど急遽出場でもしっかり試合に入り、自分のやれることをやり続ける。0-0でしばらくゲームは続く。なかなか両チーム上手く攻めれない。そんな時9番の彼に決定的なボールが入り、それを10番の選手が追い越し、そこに絶妙なパスを。そして先制!もちろん、点を決めた10番の選手に皆群がり喜ぶ。その後アシストをした9番の選手にも群がる。
トラブルがあり、急遽出場となった時にしっかり試合に入るのは簡単なことではない。それでもしっかり結果を残し、チームメイトに祝われている彼をみれたことをとても嬉しく思う。補欠で、他の選手と比べると少しだけ出場時間が少なくても、腐らず練習して。そして活躍する機会は必ずあり、そこで結果を残し自信をつける。素晴らしいことだなぁと改めて感じる。
試合終わりに、「明日、誕生日を楽しんでね。」と声を掛けると嬉しそうにうなづいた。
・1番
1番の彼はゴールキーパー。いつもチームを救う守護神。先日の練習で、彼が休みで、いつもフィールドの選手が代わりにキーパーをやっていて、代わりの選手がなんとビッグセーブを連発。それをみたある選手が「〇〇(1番)いつきたの?笑」と冗談を。こんな時にプロ選手を差し置いてチーム内で名前が上がるほど信頼されている。
今日はそんな彼の表情をたまたま近くで見た。前述した通りこちらが先制!このまま守り切れば勝てる!そんな展開。しかしそんな時守備を掻い潜られ、相手選手が抜け出し、キーパーと1vs1になってしまう。止めることが出来ず失点。そのタイミングで僕はたまたま怪我した選手を担ぎ、歩くのをサポートした後だったからゴール裏にいて、その瞬間をすごく近くでみた。
1番の彼は今にも泣き出しそうな顔をして、落胆し、その場に顔を伏せ、うつ伏せてしまう。まるでこの世の終わり。という感じだ。たまたま近くにいたから「〇〇(1)!大丈夫だ!立て!続けよう!」と声を掛ける。すぐには立ち上がれない。それほど絶望していた。しかし試合が再開時までには立ち上がり、もう一度前を向く。
僕はここで「ああ、君は失点の時にいつもそんな表情をしていたのか。」とはじめて知った。
正直、彼のキーパーとしての基礎技術に関してはそこまで高くはないと思う。キャッチ精度やステップの動き、体の柔らかさ。どれも日本の同じ11.2歳と大きく変わらないと言う感想だ。最近少しずつキーパー練習の時間を設けられるように僕も努力しているが、これまでほとんどキーパーの個別練習は行われていないのでそれは当たり前だ。しかし試合での反射神経、勇気ある飛び出し、1vs1の対応などはずば抜けている。身体を張って決定的な仕事をしまくる。
なぜなのか?は彼の今日の表情が答えだと感じた。毎試合、緊張感のあるリーグ戦で彼はゴールキーパーとしての経験を積み続けている。11歳にしてだ。
「失点したら負ける、引き分ける。絶対に点を取らせない。これは練習試合じゃない。順位がつく公式戦だ。」そんな状況でキーパーを続ければ今はまだ多少基礎技術がなくても、キーパーとしての能力は上がり続ける。それも本当に大切な部分が。
僕が11歳の時失点してあんな顔をしていただろうか。いや、してなかった。少なくともあれ程本気の顔をしたのは、高校生になってからだと思う。リーグ戦での得られるものはやはりキーパーも大きい。練習も大事だけどやっぱりこんな試合は本当に重要だ。
そして試合はラスト1分で決勝点をこちらが決め、なんとか勝利した。
試合が終わった後、彼の元にかけよると、すごくホッとした顔で「良かった、、、」と安堵していた。
基礎技術はまだまだだけど、キーパーとしての心構えは既に完成されているように感じる。