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#75 SC Freiburg vor!! 王者Bayernに勝利した夜。+堂安律の成長を子ども達に見てほしい。

こんにちは。
約1週間ぶりの投稿です。
風邪をひいてしまい、その後ベルリンへ旅行に出かけており1週間程サボりました。
旅行前に書き途中だったものを投稿します。

この日はSC FreiburgのDFBポカール準々決勝の試合がありました。相手は絶対王者バイエルンミュンヘン。クラブハウスへ向かいいつものおっちゃん達と応援。
フライブルクの選手、コーチ陣はアリアンツアレーナへ向かいます。

・チーム規模は全く違う。
僕が1番愛しているクラブはSCフライブルク。そして好きなクラブはFCバイエルンミュンヘン。
勝手な自分のイメージとしてはフライブルクは家。バイエルンは夢の場所といった感じ。
両チームのスタジアムに行き、現地観戦をしたことがあるが、スタジアムの規模は全く違う。しかしそれぞれのスタジアムに良さがある。
FCバイエルンのホームスタジアム、アリアンツアレーナは約75000人収容することができる。圧倒的迫力。そこはまるで夢の舞台。
対してSCフライブルクのホームスタジアム、オイロッパ・パーク・シュタディオン。約35000人収容することができる。比較的小さなスタジアムだが、スタジアム全体の一体感が凄まじい。アウェイ席以外のほとんどの人がフライブルガーで、みんなでタオルを振り、歌い、応援する。
そんな僕の好きな2チームの対決。会場はアリアンツアレーナ。
実はフライブルクはアリアンツアレーナが勝利したことがない。これまで23試合してきて、一度もない。そして今季のバイエルンはアリアンツアレーナで1度も敗北していない。リーグ戦では0-5でボコられているフライブルク。勝利予想は?と聞いたらほとんどの人がバイエルン勝利というであろう状況。
フライブルクを愛する僕も「さすがに難しい。負けてもいいから良い試合をしてほしいな。」と思っていた。
絶対王者バイエルンに挑む、チャレンジャーフライブルク。
どんな試合を見せてくれたのだろうか?

・勝ちに来たフライブルクの選手達
試合開始。内容は基本的にバイエルンがボールを保持して、フライブルクが守備を固める。集中力は凄まじい。全員が「苦しいが今日はこの戦い方で行く。」と腹を括り、いつもより守備的。バイエルンの選手達も攻撃を続けますが、何度も跳ね返す。そして隙を見てこちらも反撃をする。思ってたより戦えている。
しかし前半20分に、コーナーキックから失点を許す。守備的な戦い方をするフライブルクには苦しい苦しい相手の先制。しかしそこで心折れずに攻撃の回数を増やして、相手のゴールを目指す。すると前半で27分で27番へフラー選手のミドルシュートが綺麗に決まり同点。スーパーゴールだった。その後も守備への集中力を切らさず戦い続ける。後半負けるわけにはいかないバイエルンもさらに攻撃を続ける。なんとか必死に守ってクリアするもバイエルンの選手がそれを回収。もう一度攻撃。とバイエルンの攻撃が何度も何度も続く。最後の最後で相手がミスしたり、こちらが防いだり、なんとか守り続ける。「こんな集中力90分も続くのか?」と心配なる。しかし今日の彼らは「この戦い方でいく。」と覚悟を決めた集団。90分間、王者バイエルンからの猛攻を防ぎ続ける。
そしてロスタイム。フリーキックのこぼれ玉をフライブルクの選手がシュート!するとバイエルンの選手の手に当たり、PK!しっかり決め切り、最後は2-1で勝利。
SCフライブルクにとって歴史的瞬間を現地のおっちゃん達とみることができた。

・その戦い方は本当に弱者か?
SCフライブルクのこの日の戦い方は所謂弱者の戦い方と言われる戦い方だったと思う。自陣で引いて守り、何とかボールを奪っても相手の選手が素早く取り返しにくる。相手はそういう陣形を組んでいる。だから必死にクリアするだけで、前線の選手にボールを渡せず自分らの攻撃のターンにできない。もう一度相手のターンだ。本当は自分達の哲学の元、ボールを支配し、丁寧に繋ぎたい。しかし強大な相手がそれを許してくれない。そんな時「おれらのサッカー出来ないから嫌になっちゃうな。」とならずに今日の戦い方を覚悟して取り組んだ。さらに先制的を許してしまい、心へのダメージは大きい。「もうダメだ。」と負の感情が襲いかかる。
だけどこの日のSCフライブルクの選手はそれらに負けずこの戦い方を90分やり切った。集中してやり切った。
これを終えた彼らは弱者なのだろうか?
僕には全くそう見えなかった。チームとして11人が勝ちに向けてまとまり、苦しくても助け合い、やり切る。彼らの姿は勇ましく、誇らしくみえる。
サッカーにおける弱者の戦い方。という言葉のイメージを今一度考え直していきたい。

・堂安律から学ぶ、本当のエースとは。
この試合、特に42番堂安律選手の守備貢献は素晴らしいものだった。右ウィングで出場していた彼は攻撃にも違いを作り、ワールドクラスで構成された相手ディフェンス陣に果敢に仕掛け続ける。さらにチームのピンチでは全力で帰陣し何度も相手の攻撃の芽を潰した。
Twitterをみてみるとあるバイエルンサポーターが「堂安。鬱陶しいな。」と呟いていた。
堂安はこのチームへの加入で献身的な守備を身に付けた。加入当初は、甘い守備対応をして、そこから失点してたり。守備面が課題かな?と思うことが多かった。それが今では彼の欠点ではなく武器になっており、彼の大きな成長がわかる。
この試合だけではない。普段のリーグ戦でも彼の守備貢献は素晴らしい。
日本人なので彼のキャラや性格はなんとなく把握しているが、高いプライドを持つ、自信家だと思う。前日の日本代表の試合での国歌斉唱では「おれがこのチームのエースだ。」と伝わる表情だったのが強く印象に残る。「俺が決めてやる。」とエゴを持つタイプの選手だと思う。彼の最近出した本の題名は「俺しかいない」だし、、、笑
そんな彼の献身的な守備を日本の子ども達に見て欲しい。右ウィングであり、強いエゴを持つ彼が欧州で評価されている理由の1つであると思う。チームのために必要なことを理解している。もちろん、彼の元々の武器である果敢な仕掛け、攻撃面も。
どちらかだけではなダメなのだと思う。これを両立したい。守備も攻撃も全力で両方できて、チームのために働ける選手が「本当のエース」なのだ。

・試合後のあるステキな出来事。
試合後に少々よろしくない出来事が起きた。前述したように、ロスタイムのラストプレイでバイエルンの選手がハンドしてPK。そしてそれが逆転弾となった。その選手はジャマル・ムシアラ。2月に20歳になったばかりのドイツの期待の若手選手。若手選手といっても既にバイエルンで大活躍し、チームの主力となっている。彼のハンドで逆転負けとなり、試合後の彼は意気消沈で絶望していた。試合後にSCフライブルクのシュトライヒ監督が、彼に何か声を掛け握手を求めるとムシアラはそれを拒絶した。
握手を拒絶するという行為はどんな意味なのか?は人それぞれかもしれないが、僕は相手を認めない、リスペクトのない行為だと思っている。自分がもしされたらすごく悲しい。
ムシアラの当時の心境を考えると仕方ないかもしれない。感情的になり、負けた相手の監督と握手なんてしたくない。という気持ちが行動に出してしまったのかもしれない。彼はまだ20歳で若いし、こんな失敗もあるだろう。しかしリスペクトがない悲しい出来事だった。
この試合の3日後フライブルクホームでまたもやバイエルンと試合があった。試合後にそんな出来事があったムシアラは、自らの行いを反省し、シュトライヒへ謝罪し、自分のユニフォームをシュトライヒにプレゼントした。
シュトライヒ監督もそれに笑顔で対応し「息子にプレゼントするよ。」と粋なコメントで、彼を許し、握手していた。
ムシアラのしたことは悪いことだったかもしれない。しかし人間頭でわかっていてもやらかしてしまうことはある。感情的になり相手を傷付けてしまうこともある。その後、どうそれと向き合うかが大事なのだ。彼のように、悪いことをしてしまったと、反省し、それを即行動に移せることは素晴らしいと思う。「いやいや、負けた後に相手の監督が励ましてくるとか?余計なお世話すぎるんだけど?」と開き直ってしまっては人間としての成長は得られない。
そしてその姿勢をみてを許し、握手する。当たり前かもしれないが、2人共ステキで、2人の姿勢を見習いたい。
やらかして、人を傷続けてしまっても、素直に反省し謝ること。そんなことをされて傷ついても、素直に反省した相手を許すことを。
これが「リスペクト」をすると言うことだ。

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