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20240905 日記372


テリー伊藤のからあげ屋

から揚げの天才が千葉県から完全に姿を消すこととなった……。

緊急事態宣言の時、遠出ができない中で新しく近所にオープンした店でもあったので、あの味が濃いからあげが嬉しかったことを覚えている。

どこかに各店舗から回収されたテリー伊藤マスコットが保管される倉庫があって、いつか新しい事業でもう一山当てるタイミングを虎視眈々と待っているのかもしれない。(こわい話)

スマートウォッチを買った

スマートウォッチを購入しました。

療養期間を経て失われた体力と生活リズムが戻りつつある中、折角良くしたサイクルを維持したいというのが一番の目的だった。

必要なのは日々のストレスや睡眠の質を記録してくれる機能だったのだけど、最近のスマートウォッチはSuicaと連動したり、音楽を単体で再生できたり、ゴルフを手助けしてくれる機能とかがついている。(いらない……)

値段もピンキリで、令和最新版系(?)だと5000円とかでもそれっぽいのが売ってるのだけど、計測の精度がアテにならないらしいというレビューもみかける。

測定の精度にある程度信頼がおけて、機能が必要最小限で、デザインがかわいいというワガママな三条件に絞り、一世代前のGARMIN(ガーミン) ForeAthlete 55を中古で購入しました。

仕事の時間、明確にストレスに晒されている。

ストレスが高くなるとスマートウォッチくんが震えて「深呼吸をしましょう」とアドバイスをくれる。

会議に参加している時とかにスマートウォッチが震えだしたら面白くなってしまうかもしれない。「なにストレス感じてんだ!」って怒られたらおもむろに5分間の深呼吸を始めようかな。

ボディバッテリーという体力ゲージを可視化したみたいな機能もある。

この体力ゲージを信頼しすぎると、俺はもう体力が残っていないことを理由に何もしなくなるので、信じすぎないように注意しつつ、執筆に入るまでにどれだけ体力を残しておけるか、ストレスや疲れに対する意識には繋がっているなと感じる。

前日の睡眠時間が足りなかったり、質が悪かったりすると日中で体力20とかになるので、マイナスになったらどうなるんだろう……という気持ちもある。

運動量とか水分補給とか睡眠時間とか、自分でやってると目分量になってしまうところを正してくれるのがありがたいなと思う。

1日2リットルの水分補給と5分間の深呼吸4回を義務付けたら心なしか体調がいい。今まで水を飲まなすぎていたのかもしれません。

調子の悪い日を減らしていくことが目標なので、しばらくスマートウォッチくんに管理された生活を楽しもうと思います。

きみの色の感想

写真が死ぬほどぶれとる……。

きみの色の話、もう流石にしてもいいか?いいよ!

夏は、きみの色!!!!!!!!!(映画館を出てインタビューを受けた俺)

姉は幼稚園に入る前から美少女戦士セーラームーンが大好きで、30歳が近くなって、初めてアニメシリーズのセーラームーンを一緒に観るに至った時間がある。

物心つく前から美しいと信じたものを手離さずに、成長と共にいろんな世界に触れるようになっても、最初に出会った美しい物語のことを、今でも心の大切な場所に置いて信じ続けている姿。いろんなものに手を伸ばしては手放してきた俺は、そこに一種の憧れを抱いていた。

俺にとって、これは本当に特別な出会いなんだと信じて、そこから手離さずにきた物語がテレビアニメ『けいおん!』だった。

そして、15年間自分が信じて生きてきた美しさが、報われたように感じたのが『きみの色』だったなと思う。

感情、行動、仕草、関係性、色、音楽、光。

山田尚子監督が美しいと信じているものが何なのかが詰まっていて、ほとんどそれだけで構成されているような作品だった。

商業的ではなく、技術に優れているわけではない、閉じた世界でのバンド活動の美しさというモチーフは『けいおん!』で描かれてきたものと直接つながるものだったと感じる。

主人公のトツ子がライブシーンで一本指でキーボードを叩いているシーンは、クリスマスの夜にラジオから流れてきたジゼルのヴァリエーションを見よう見まねで踊るシーンに繋がる。

楽器未経験の平沢唯が軽い気持ちで軽音部に入部し、桜ヶ丘高校を卒業するまでの3年間を描いたアニメシリーズのストーリーと同じで、上手いとか、成功するとか、そういうことではない。

踊ろうとするために、変わろうとするために、伝えようとするために、一歩を踏み出す意志にこそ美しさがあるということを、この人はずっと信じ続けて、肯定してくれているのだと思った。

そして、ライブが終わった後、きみちゃんが退学する前に見つめていた噴水の前で、もう一度ジゼルを踊るシーン。

卒業と進路選択を目の前に控え、学校を出ていく(外の世界へ出ていく)前のモチーフとして描かれた噴水で、今の自分だけが知っているテルミンの音で、自分だけの不格好なダンスを楽しそうに踊るトツ子の姿があまりにも美しくて、涙が止まらなくなってしまった。

手のひらを太陽に透かした先に、トツ子はずっと見つからなかった自分だけの色を見つける。

俺にとっては本当に本当に大好きで、人生の中でも大切な一作になった(これまでの山田尚子監督作品のベストとまで言ってもいいかもしれない)のだけど、この『きみの色』が、夏休みアニメ映画スペシャルとして大ブレイクするということは、恐らくないだろうなとも感じる作品だった。

だからこそ、山田尚子監督が信じる美しさを詰め込んだこの作品を、全国配給、ミスチル主題歌で送り出そうとする人がいるんだなという事実に、何か勝手に救われたような気さえした。

すごくプリミティブな作品だったからこそ、これまで漠然と好きだと思っていた山田尚子監督の作品たちの何が好きだったのか、自分にとって何が特別だったのかを確かめられたような気がした。

そして、その正体が分からなかったとしても、それを美しいものとしてここまで手離さずに信じ続けてきた自分がいることも。

売れようと思えば、より多くの人に広めようと思えば、もっと他にやり方はあるのかもしれないけど、誰も見ていないトツ子の不器用なダンスを美しいと感じた俺は、これからも自分が信じている美しいものを信じて生きていこうと思わされたのでした。

山田監督の美しいものだけが詰め込まれすぎていて、きみの色を観た後に思い返すと『けいおん!!』(2期&映画)のメインとなるストーリーラインは、マジで山田監督が信じていること8割くらいでやってたんだな……と思わされた。

あの作品が商業的に大成功をおさめたのは結構奇跡的なバランスで、1期の頃に『萌え』をやった下地と、やはりかきふらい先生の偉大さが大きかったのかもしれないと認識を改めることになった。

けいおんだけ引用したけど、たまこまーけっとも聲の形もリズと青い鳥も平家物語も、全部あったと思う。

新海:脚本の吉田玲子さんを観察している感覚とはまた違うものですか?

山田:吉田さんは眩しすぎて見られません(笑)。長い間ご一緒していますが、不思議な方で光って見えないんです。私と彼女はお互い踏み込まないし、良い意味でずっと距離が変わらない関係です。

新海:僕は脚本も自分で書いているので、そうした関係性の経験がなくて単純に興味本位で聞きたいのですが、――吉田さんは他の映画の脚本も書いていますよね。「それ禁止!」みたいな思いはありますか?

山田:ありますよ。私が一番吉田玲子に上手く乗れる!と声を大にして言いたいです。でも吉田さんはそんなの関係なく色々な方とご一緒されますから。

【特別対談】山田尚子×新海誠が語り合う、創作論から監督ならではの悩みまで―― : 映画ニュース - 映画.com

トツ子が山田尚子監督、きみちゃんが吉田玲子さん、ルイくんが牛尾憲輔さんだと思ったんだけど、みんなはどう思う?(良くないオタク)

音楽がめちゃくちゃいいんですよね……。

反省文~善きもの美しきもの真実なるもの~が特に好きです。

YMOみたいなルイくん、目をつぶって歌うきみちゃん、とにかく楽しそうなトツ子。ステージ上での3人の振る舞いがそれぞれに良すぎる。

その良さがちゃんと音楽の良さ、ライブシーンの良さに昇華されているのがすごすぎる。

一般的な高校生バンドとしては特殊な編成なのもいいし、それでも音楽はやれるんだよということ、ルイくんのアレンジ力があるとはいえ、この編成、この3人だからこそやれる規模感のカッコイイ音楽を絶妙に表現できている。

音楽をアニメで描く巧みさも、けいおん!やリズと青い鳥で積んだ蓄積がありつつ、根本的にはこの人の根っこにあるものなのだと思わされた。

せーのっ……!きみの色、サイコー!!!!!!(映画館を出てインタビューを受けた俺とフォロワー)


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