漫才 「水」
ミミ吉 「ミミ吉です」
ハナゾウ 「ハナゾウです。お願いしま~す」
ミミ吉 「最近改めて思ったんだけどさ」
ハナゾウ 「なに?」
ミミ吉 「水って美味しいよね」
ハナゾウ 「たしかにね」
ミミ吉 「植物も水がないと死んじゃうもんね」
ハナゾウ 「その通り!お茶でも牛乳でもなく、水!」
ミミ吉 「もう本当に水が大好きでさ」
ハナゾウ 「俺も俺も」
ミミ吉 「何にでも水かけてるわ」
ハナゾウ 「何にでもかけない方がいいぞ」
ミミ吉 「今日の朝ごはんにも水ぶっかけたからね」
ハナゾウ 「なに食べたの?」
ミミ吉 「白湯の水浸し」
ハナゾウ 「意識が高いのか低いのか…」
ミミ吉 「でもね、最近学んだんだよ。バカの一つ覚えみたいに、ただ水をかければ良いってもんじゃないって事に」
ハナゾウ 「今さら!それは初めて洪水をみた時に学べ!」
ミミ吉 「そうなんだよね。大雨とか洪水は愛がないからね」
ハナゾウ 「またズレた事言いそう」
ミミ吉 「植物への水やりって、人間で言うところの子育てみたいなものじゃん?」
ハナゾウ 「まぁ、そうかもね」
ミミ吉 「子育てって、愛がないとダメじゃん!?ただオムツを替えるだけ、ただミルクをあげるだけ、やたらめったら予防接種を打つだけ、それだけじゃダメじゃん!?」
ハナゾウ 「やたらめったら予防接種はダメだよ!」
ミミ吉 「愛がないと赤ちゃん死んじゃうでしょ?」
ハナゾウ 「たしかに愛がないと赤ちゃん死んじゃうけど、やたらめったら予防接種打っても死んじゃうよ」
ミミ吉 「植物もただ水をやるだけじゃダメなの!愛を持って水やりをしないとダメなの!普通のジョウロじゃダメなの!ゾウさんのジョウロじゃないとダメなの!」
ハナゾウ 「うるせ~な!そして、ゾウさんのジョウロは愛なのか?」
ミミ吉 「ゾウさんのジョウロって子供が使う物でしょ?子供の無邪気さ、それすなわち愛!」
ハナゾウ 「そーですか…。じゃあ、どんな植物でも、ゾウさんのジョウロで水をやれば上手く成長すると」
ミミ吉 「植物ならね」
ハナゾウ 「そっか、こいつ何でもかんでも水かけるんだった」
ミミ吉 「愛情を込めて水やりをしたスマホが、遂に反抗期に突入しました」
ハナゾウ 「機械に反抗期なんかあってたまるか!大変な事になるぞ」
ミミ吉 「大変な事になってんだよ」
ハナゾウ 「どうなってんの?」
ミミ吉 「タブレットになってくんないの」
ハナゾウ 「なに!?」
ミミ吉 「タブレットにしたくてスマホに水やりしたのに、タブレットになってくんないの」
ハナゾウ 「『なってくんないの』じゃねぇよ」
ミミ吉 「テレビになったわ」
ハナゾウ 「成長したね~!」
ミミ吉 「NHKの集金来るようになっちゃったよ」
ハナゾウ 「テレビあるから払わないとな」
ミミ吉 「もう捨てたよ。あんなバカ」
ハナゾウ 「捨てちゃったの?」
ミミ吉 「うん。『個人情報が入っておりますが、悪用しない優しい方のみ拾って下さい』って書いて捨てた」
ハナゾウ 「大丈夫!?」
ミミ吉 「悪用された」
ハナゾウ 「だろうな!」
ミミ吉 「もう大変だよ。非常識な額の請求書届くしさ、どうしたら良いんだろ…」
ハナゾウ 「とりあえず警察行けよ」
ミミ吉 「莫大な借金抱えたせいでご飯も食べられないから、水飲んで空腹紛らわせてるよ」
ハナゾウ 「そうなんだ…」
ミミ吉 「水って良いよね、食事にもなるし」
ハナゾウ 「ちょっと怖ぇ~よ…」
二人 「どうもありがとうございました!」
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