ひとりごとです 「こんな仕事しか出来ない自分達よりすごい」

高卒で警備員を始めて4年経ちました。違う会社に就職していれば…なんて考える事も多くあります。多くの警備員が持つ悩みとしては

・給料が安い

・見下される事が多い

・拘束時間が長い

などが上げられるかと思います。警備とは腐れ縁と言っても良いほどしつこく付きまとう悩みかと思います。そして最近、自分の中で急速に芽を伸ばす新たな悩みが…

最近の悩みは、他の社員とのつきあい方です。私は、施設警備員としてビルの警備をしています。この仕事は、リストラ等を理由にいわゆる『第2の人生』を生きる中年や高齢の方が多いです。最初は、こういう社員の方と接するのは、そこまで苦ではありませんでした。しかし、去年「ちょっとこれは…」と思う出来事がありました。

私の勤務する防災センターでは、『情報収集』を名目にnhkを流しています。(テレビに釘付けになって、防犯カメラの監視をしない人がいるのが問題です) とある日の夜勤、nhkでは珍しいネタ番組がやっていました。『有田P おもてなす』という番組です。
これを見ていた社員2人の会話。

「くッだらねぇ」

「ほんとだずね」

私はこの時心の中で「こんな仕事しか出来ない自分達よりすごい」そう思いました。

この2人は警備員歴が長く、他の仕事の経験が殆どありません。警備員という仕事は、誰にでも出来るような仕事です。そんな仕事しか出来ない自分達(もちろん“達”には私も含まれます)より、人を笑わせる芸人さんの方がよっぽど立派な存在であると思いました。私自身、お笑いが好きで、芸人さんのことをリスペクトしているつもりです。なので、お笑いを「くッだらねぇ」と馬鹿にする発言に“カチン”ときてしまいました。それと同時に、「前から似たような事あったな」と気づきました。例えば

・ニュースでアナウンサーが噛むと、馬鹿にした口調で過剰に反応する。

・自分の得意分野の話を持ち出してきて、こっちが知らないことがあると「えー!知らない!?」とオーバーリアクションをする。

・夜に若い女性が歩いていると出てくる言葉が「デリヘルかな?」

今までそれ程気にして来なかった出来事に急に嫌悪感を抱きました。そしてこの日から、社員の方と話すのが“しんどい”と思うようになりました。私の職場は24時間勤務もあり、拘束時間が長いです。この勤務の中、会話を避け続けるというのは至難の技。私から話しかけなくても、向こうからマシンガントークを暴発させてきます。この前は、ずっと相槌を打ち続けてたら気持ち悪くなり、トイレへ駆け込みました。

巡回の時間が気休めの時間かと思いきや、巡回すると馬鹿にする声が聞こえて来ます。これは、警備を始めた当初からの悩みです。
「辞めたい」「辞めたい」「辞めたい」…
何度も思いましたが、最近これに関してはあまり気にならなくなりました。むしろ、「これでいいや」と思えるほどです。理由は簡単。

馬鹿にされる→必要とされていない

非常に短距離な思考の上、この結論にいたりました。必要とされていない以上、仕事に対する責任感も感じなくて楽だなと。

仕事に対する考えは楽になり、社員との人間関係がしんどく感じるようになった今日この頃。人手不足で『休み』の文字が減ったシフト表を眺め「今月は稼げるな」とにやつく一方、「今度の休み釣り行かない?」と誘ってくれる善意に顔をしかめる。
車に乗せてもらい、海まで約2時間。言葉のキャッチボールはほぼ無く、流れるのは知らない曲ばかり。「車内でキャッチボールは危険だもんね」と心の中で独り言。2時間程釣りをした後、海鮮丼を食べ、朝来た道を2時間逆走。知っている曲が何曲か流れた車内。別れる時に「楽しかったです!」という言葉が出てこない。

「くッだらねぇ」と芸人を見下す警備員を「こんな仕事しか出来ない」と見下す警備員。転職しようにも、本当に『こんな仕事』しか出来そうにない。

消防団の集まりに初めて行ったとき「仕事何してんの?」と聞かれ「警備員です」というと、返って来た返事は「あー」。五十音の最初の文字に少し恐怖を覚えました。その後に続く文字にはどんな恐怖が待っているのか、計り知れません。人生経験値を稼げそうにない『こんな仕事』の中で、どんな文字の恐怖を経験するのか、日々の肝試しを楽しみたいと思います。



最後に一言

『こんな仕事』より、消防団を先に辞めたい

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