ああ、最悪。マネージャーが「やってられない」と嘆く3つのこと。
小学生のときに学んだ「人の気持ちを考えよう」というような、人としての基本的な部分が、しっかりと成長していなければ、人気はでない。
「すみません。お腹が痛くて家を出られません」
休日の朝に電話が鳴ると、崖からつきおとされるような気持ちになります。
たいていこの電話は、マネジメントしているコンパニオンから「お腹が痛くて、自宅からでられない」なんていう内容です。こちらは、毎日遅くまで働き、ついに訪れた数少ない休日だというのに、こんな図々しい電話で早朝から起こされます。つまり彼女たちが言っているのは「決まっている今日の仕事を休みたい」ということ。こんな身勝手な連絡をうけても、そしてこちらが絶賛休暇中であっても事態の収束を図るのが私たちの仕事。電話を受けた時点で、私のその日の予定は大きく狂うことが決定します。それは、久しぶりの家族旅行中だろうと、憧れの人とやっとこぎつけたデートの約束があろうと、お構いなしです。私は親友の結婚披露宴が行われている約3時間、会場の外で、現場に連絡をいれたり、体調不良をおこした人の代わりを手配したり、ずっと電話をかけ続けていたという経験があります。そんな私にはかまわず、テーブルには次々と料理が運ばれ、電話が終わり席に戻ると、手付かずの冷めきったフルコースが、物悲しそうに並んでいました。料理をおいしくいただけなかった残念な気持ちもありますが、「忙しいのに、来てくれてありがとう」と言ってくれた新婦である親友に、申し訳ないことをしたといまだに悔いが残っています。ちなみに、このとき体調不良をおこした人は、このあと連絡もなく、しばらくして顔を合わせたときも「先日は朝から迷惑をかけました」の一言もありませんでした。普通は友達と約束をした、映画の予定を急にキャンセルしたら「この前は急にキャンセルしてごめんね」と連絡をしませんか?このくらいのことが言えない人は、自分は自己中だと理解しておくほうがいいでしょう。そして、そんな自己中と一緒に仕事をするときにマネージャーは「やってられない」と思います。
「起きています」ってそれだけですか?
寝坊を防ぐために、起床したらメールをもらうという約束をすることがあります。約束の時間にメールがこなければ、私たちは朝寝坊を危惧して何度も電話をかけます。そうして休日の早朝から、1時間にわたり電話をコールし続けることもあります。1時間電話をかけ続けても電話にはでず、やっとあったリアクションがメールで一言「起きています」。これはどういうことなのでしょうか?一般的な考えでは、拒絶されていると判断できるでしょう。
また、軽視されているとも考えられるでしょう。この人とは極力関わり合いを避けたいと思うとき、そういうそっけない返信の仕方をすることは考えられます。そう、このまるで、喧嘩を売られているような扱いに「やってられない」と嘆きたくなるのです。
「でも、だけど、だって」と話をすりかえないで。
つじつまのあわない話をする人が本当に多いです。「朝から体調が悪いので、家を出れそうにない」と言っていたのに夕方電話をかけると、外出していたり、「うっかりしていて、派手なネイルをつけたままで仕事にいってしまった」と謝っていたのに、次の仕事も派手なネイルのままだったり。
当の本人は嘘をついているつもりはないし、正論をふりかざしているつもりでしょう。こういう人達に「あなたは〇〇と言っていたじゃない」と注意すると、「この前の現場で業務内容が〇〇で困った」など見事に話をすりかえてきます。そして、こういうすりかえの名人は、まるで自分が被害者のようにふるまうので、本当にたちが悪い。論点をすりかえてくる、いわゆる逆ギレってやつです。そういう、「私ってかわいそうでしょ」なすりかえ名人に、その矛盾を深く追求しないのは、そんなことに関わっている時間がもったいないと思うからです。こういった逆ギレで攻撃されると「やってられない」とため息がでます。
トラブルが起こったときに、現場が上手くまわるように手配するのがマネージャーの仕事だといえばその通りです。たしかに誰しもが、のっぴきならない理由や体調不良で約束をキャンセルしなければならないこともあるでしょう。私たちは、仕事のキャンセルやレスポンスの遅さ、現場での失敗に対するフォローをすることを嘆いてるのではありません。私たちが嘆きたくなるのは、こんな方法で他人をうんざりさせる人と、協力して一緒に仕事をしなければならないことに対してなのです。内心は思っていなくても「私のためにお手数をおかけしました」程度の挨拶がなぜできないのか不思議でなりません。
現代を生きる私たちは直接顔を会わすより、メールや電話でのコミュニケーションが圧倒的に多いです。それならばなおさら、電話やメールの向こう側の、相手の様子や気持ちを考えることが非常に大切です。
そして他人の気持ちを想像することを惜しまない人、結局のところ感じの良い人が、案外「売れっ子」と呼ばれています。他人を大切にすることによって、自分のことも大切にされ、愛される。自己中心的な態度は、一見、自分を優先しているようですが、挙句の果ては、自分自身を粗末に扱っているということになるでしょう。子供の頃に朝礼で決めた、クラス目標を思い出すこと。「人の気持ちを考えよう」や「人に親切にしよう」そういう当たり前のことが、大切なのです。