足早に会場を去っていった彼が見たものは
私は、鳥取県の中央に位置する地域「倉吉(くらよし)」にフォトスタジオを設け、撮影・講師のお仕事を、地元はもちろん、近隣の島根、岡山、そして大阪、京都、九州など出張撮影を行っています。
カメラマンとしては17年目、今日で起業して2020年で5年目を迎えます。
ウエディングフォト専門で始めたこのお仕事でしたが、今は、人生に関わるイベント撮影、また、企業様HP素材撮影依頼などありますが、特に多いものが「人を撮る」ことです。これは私がもっとも好きなジャンルであり、得意です。
3月1日~31日まで、鳥取県倉吉市にある倉吉シティホテルにて『家族がみた ウエディングフォト ~もうひとつの結婚式~』写真展を開催しています。
昨日は、家族写真会を倉吉シティホテルさんで開催しました。
予約制だったので、混雑する事無くスムーズに終えることが出来ました。
展示場に普段は滞在していないので、撮影合間に展示場を徘徊(笑)
ある男性が、じっと写真の前から動かない。
普段でしたら、すこし様子をみて声をかけるんですが、なんとなく声をかけずにいようと思い、遠目で見ていました。
男性は、すこし写真に近づき、ある写真をじっと見ていました。次の瞬間彼の行動にびっくりしました。
【うつむき、一呼吸した後、写真に手を合わせました。】
ほんの一瞬でした。
その後、彼は足早に会場を後にしました。
なんとも言えない気持ちでした。
きっと、彼の心が見た写真が、彼の過去に繋がったものの様に見えました。
彼が見ていた写真は、きっとこれだと思います。
【はじめての家族写真】
3歳で母を亡くした彼女の母の記憶は『お母さんのお葬式で遺影の写真を持って歩いた事』お母さんの声も知らない、肌の感触も、抱きしめてもらった事も、写真で見るお母さんしか知らない。いつも無理して私の事に一生懸命な母親代わりの祖母なんです。酪農を営む父には本当に迷惑かけた。今も続く反抗期に(笑)・・・涙ながらに話してくれた母との思い出、家族の事。
前撮りでは、父が働く牛舎で、母の写真と一緒に写真を撮った。彼女は呟いた。『産まれて始めて家族写真が撮れました。嬉しい。お母さんありがとう。』お父さんの瞳にも涙が溢れていた。
この撮影の紹介動画がこちら↑
誰かの心の中にある、普段の気持ちと向き合う写真で有りたい。
そんな写真を提供したいと改めて思った昨日でした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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