#00年代洋楽ベストソング100 の発表を終えて
どうも、父の名は天吾の与良健吾です。こちらでは随分とご無沙汰しています。
件の企画、おかげさまで無事に終えることができました。皆さまに盛り上げていただき心から感謝しています。
発表スケジュールから解放され、ぼーっと過ごした1週間、大きな飲み会もあり一息も二息も付いたので、記憶が薄れないうちにまとめたいと思います。
企画立案と告知
4カ月前、3つのランキング投票企画を主催したLife氏(旧ADITL)と大阪天満で飲んだ。その少し前、氏は2010年以降の洋楽ベストソング企画を発表中だった。大川の桜を見ながら企画の苦労話を聞いてみたいなどとツイートしたところ、氏から連絡をいただき会うことに。
当日、氏は90年代洋楽ベスト企画の際に利用したエクセルの集計シートをプリントアウトして持ってきてくれた。なんとA3サイズ。
X上の洋楽ベストソング企画、90年代、2010年代以降現在までの2本を氏が主催。
趣旨は異なるが、K O R E氏が70年代ベストアルバム、JMX氏が80年代ベストソングを邦楽洋楽混合で主催していた。全くの空白となっていたのが00年代。
「00年代企画、やってみたいな」と話すと、氏は「おお、やってくださいよ!私早速100曲選んでから30曲に絞り込みますわ。」
約1カ月後、企画告知したのがこのツイート
まず何でこの企画やろうと思ったかというと「Xの音楽ファンにこの年代のどの曲が支持されているかが知りたかったから」である。
音楽メディアの順位やディスクガイドのレビューなどは存在するが、Xの音楽ファンがそこから何を血肉にしているのか、はたまたそんなもの無関係に音楽を聴いているのか、タワレコの視聴機やファイル共有ソフトで当時のシーンを追いかけたリアルタイマーの心に今でも残る楽曲は一体何なのかが知りたかった。
尚、ネットの音楽視聴環境が爆発的に向上したのが00年代で、音楽が手軽に聴けるようになり、今までほとんど未聴だったアーティストなどを貪り聴き始めたのがこの時期で思い入れも強い。
その時期に爆誕した日本のロックフェスティバル。フジロック、サマソニデビューが昨年という私としては、自分が参加していない日本のロックフェス黎明期に生まれたどのアンセムがフェス民に支持されているのかということも知りたかった。
この告知から締め切りまでの22日間に、289名の音楽ファンから投票していただいた。
集計作業
発表後、Life氏からは「集計作業、わかってると思いますがめっちゃ大変ですよ」とアドバイス。うん、わかってる。
集計を積み残さないためにかなり前倒しで作業を決意。
早速いただいた投票リストの楽曲に30から1のポイントを振ってエクセルに入力していく…前の作業が大変で、エクセルの楽曲リストを検索するためにテキスト化されていることが前提なのであるが、いただいた投票リストは画像データがほとんど。
初日から途方に暮れ、いつもの梅田の屋上でぼーっと景色を見ながらビールを飲んでいると、いつものメンバーたちがDMで作業支援グループを作成、いつでも作業を分担すると言ってくれた。
支援グループの優秀なSEは、画像をテキスト化する方法を教えてくれた。
集計のベースにしたランキングは「ACCLAIMED MUSIC」という複数のメディアのランニングを複合したサイトの00年代楽曲のリスト。
1位から10位まではこんな感じ。
これをエクセルに張り付けてベースとなるリストを作成。これに投票者ごとの列を作成し、ポイントを入力していくのだが…なんとここに新たに追加した楽曲は2267曲!元々のリストが2290曲なんだからほぼ倍近く新規入力してるよね。
音楽メディアの権威と言われるリストではカバーできない現在日本のネット民の投票リスト。
作業に集中できるのは休日だけど用事がある日も多く、平日の早朝、出勤前に集計作業を行った。
氏のいうとおり、まあまあしんどかった。それでも予定よりかなり早い、フジロック2024までに集計を終えることができた。
楽曲コメント検討
集計が終わると、次は楽曲のコメントを考える作業に入る。Life氏からは、毎日発表になるので20曲ぐらいストックするのが理想的とアドバイスを受けた。
せっかくできた余裕時間で100位から81位までのコメントを下書きに保存。発表の日を迎えたが、これがすぐに枯渇。毎日、通勤電車でコメントを考えて、なんなら発表しながら次の曲のコメントを考えたりもした。
コメントは、曲の特徴やデータを140文字に収め、自分なりの感想も入れつつ、楽曲の魅力が伝わればという思いで作成した。わかりやすい内容にすることにも心掛けたつもりだ。
概ね好意的なコメントや共感を得ることができたようなので嬉しく思っている。
ランキング発表
いよいよ迎えたサマソニ翌日、まずは100位から発表。
100位はホワイトストライプスのIcky Thump。
ランキングを見ていただいた人はご承知のことであるが、1位はホワイトストライプスのSeven Nation Army。
有り得ることとはいえ、さすがにこれには驚いた。100位と1位がホワイトストライプス、早く言いたい。
1日5曲づつ、毎日午後8時前後から概ね30分おきに発表した。
毎回様々な反応が返ってくる。「早い、早すぎる」「これがこの順位ならアレはもっと上だよね」「あと〇曲は上位に入っているだろう」などなど。
告知ツイートの「この企画を行う背景」に00年代の楽曲のことを「パッと思いつくだけでも名曲が多い上に、現代の音楽シーンの基礎となり、フェスやクラブの現場を揺らし続けている」と書いた。
これには反論も多数あるだろうが、00年代の楽曲は今でも聴き続けられているアンセムが多いことは否定できないだろう。
だから、序盤からやたらと多かったのが「早すぎる」というもの。それに対し「早いよねー」「もう出ちゃいますか?」などの返信はできるんだけど、「あと何曲」とか「これより上」とかは主催者としてコメントできないので、「楽しみですねえ」とサラッと返す。いやあ、早く色々言いたい。
発表の度に皆さんが下さるコメントが嬉しかった。お気に入りの曲が発表された際の歓喜の引用ツイートを目にする度に「だよね、そうだよね」と共感し「いいね」を押した。
こちらにもリプライしたかったが、かなりの分量。それをしてしまうと1日中Xをすることになるし、ラリーになってしまうと眠らずに格闘することになる。通常運転時はリプライのラリーは嬉しいです、はい。
発表期間中、1日だけ休暇を頂いた。そう、オアシス再結成の匂わせがあった日だ。8月27日午後4時、バンド仲間と共に再結成の報に触れ歓喜に沸いた。こうはしておられん、とにかく宴じゃと仲間を募って祝杯を傾けた。
最初で最後のギブアップツイートがこちら。
いやまあこれはしゃあないでしょう。許してくだされ。
ランキング予想
ネットの投票企画では、しばしばその順位を予想するツイートも見かける。
私の企画では、トップ20及び255位から101までを発表する前に予想を募った。
ランキング結果は以下のとおり
1位 Seven Nation Army / The White Stripes
2位 Mr. Brightside / The Killers
3位 One More Time / Daft Punk
4位 Take Me Out / Franz Ferdinand
5位 By the Way / Red Hot Chili Peppers
多数の予想ツイートの中、順位は異なるが、5曲とも当てた方が2名いらっしゃった。
いやいやお見事!ほとんどの参加者がツイートやリプライで表立って投票しているので上位陣はある程度予想がつくとはいえ、あと残る15曲を捨ててよくぞこの5曲を選ばれた。来阪された際にはたこやんを奢らせていただきます。
選外供養
以前の投票企画でも、ベスト100に選ばれなかった曲を思い入れたっぷりに「個人的〇位、かすりもせず無念」などど供養するフェーズが存在した。これがなかなか面白い。
トップ10発表直前に、255位(ちょうど100pt獲得の境界線になった)から101位まで5曲ずつコメントなしでツイートした。
これに乗っかってトップ10発表前に先行供養が始まった。それもあってか割と早く供養フェーズは終了した。まあ盆も開けてる訳だしね、ナムー。
私個人としても、100位選外になった楽曲と投票したかったがやむなく外してしまった選外曲を供養した。心残りはない。
おわりに
Xの音楽ファンの皆さまのおかげで投票企画「00年代洋楽ベストソング100」の発表を無事終えることができました。投票していただいた人たち、引用ツイートで企画を盛り上げてくれた人たち、毎日ランキングを追い続けてくれた人たち、皆さんに感謝申し上げます。
そして、企画立ち上げ時から集計や発表について色々とアドバイスでサポートしていただいたLifeさん、連日表でも裏でもずっと励まし続けてくれたいつメンたち、本当にありがとうございました。最後までテンションを持続できたのはこれがあったからです。
そして、私はランキング企画の主催をしただけで、ランキングを作ったのはXの音楽ファンです。ネットの音楽ファンが作った00年代のベストソング100曲、本当に素晴らしいリストになったと思います。カウントダウンのプレイリストをここに貼ります。
更に3名以上の投票があったすべての曲を含む全642曲(今見ると641曲になっている、たぶん1曲Spotifyから消えた)のプレイリストを貼っておきます。45時間なのでほぼ2日かかりますが、全曲聴き終えた頃には、iPodクラシックが恋しくなっていることでしょう。では、どうぞ。
このようなランキング投票企画、参加者や興味のある人の間では盛り上がりもしますが、一方でランキング投票企画の存在意義が問うような意見も散見されます。こちらについては、また別の機会に考えてみようと思います。
この企画におけるデータ公表的なまとめについては、後日記事にします。ひとまずはこれにて。