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#1980年代洋楽ヒットソングスベスト100 その5

1980年代の音楽と慈善活動

1980年代の音楽と切っても切れない社会現象が慈善活動。少し前にトトのアフリカでも触れた。

ミッジユーロとボブゲルドフがテレビで見たアフリカの飢餓問題についてした雑談が発端となり、1984年のクリスマスに英国のオールスターが集いアフリカ支援チャリティーソングを発表。米国アーティストもすぐに反応し、1985年1月にオールスターが集いチャリティーソングを発表した(どちらも100曲には選んでいません)。
これはすぐにライブの現場にも飛び火、同年夏に英国と米国で大規模なチャリティーコンサートが開催された。
過去に1971年のバングラデシュコンサートなどミュージシャンによる慈善活動はあったが、これほど大規模な社会現象になったのはこれが最初で最後なのかもしれない。

音楽はいつも私たちを励まし癒してくれる。

近年で忘れられないのは、コロナ禍の真っ只中、世界保健機構とミュージシャンが手を組んで開催された医療従事者支援イベント「One World: Together at Home」だ。緊急事態宣言でライブは中止、商業施設はシャッターを下ろし、外出は制限されるという今まで経験したことのない不安な状況の中、「無情の世界」のリモートライブ動画を配信したストーンズを観て「いつか元の生活に戻れるだろう」と希望を感じたものだった。

つい先日もロサンゼルスの山火事被害救済ために多数のスーパースターが集ったライブイベントFIREAIDでも、音楽の偉大なる力を思い知ったところである。

災害は起こらないのが一番である。だけどその度に音楽の持つ力を痛感する。
私たちは何度も音楽に救われる。これからもずっと。

楽曲メモ パート5

33 Jump / Van Halen (1983)
エディはシンセもハードロックにフィットするインストゥルメントであることをこの曲で証明する。シンセの性能を最大限に引き出す音作りや使い方はまさに天才的。1984年に聴いたこの未来的なサウンドは、本当に未来になった現代でもまだ未来的に響く。(US1位、UK7位)

34 It's My Life / Talk Talk (1984)
後期はポストロックに突き進むトークトークの初期シンセポップヒット。いかにも1980年代的な華麗でロマンティックなサウンド、ノーダウトが2003年元気にカバー。グウェン、この名曲を紹介してくれてありがとう。(US31位、UK46位)

35 The Killing Moon / Echo & the Bunnymen (1984)
月に照らされて冷たく光る冬の湖面の様なエコバニの
耽美でダークな世界は凍りつくように美しい。しかし美しすぎるとアメリカではウケないのかね。(UK9位)

36 Radio Ga Ga / Queen (1984)
例の映画をドラマティックにするために変更された時系列。リアルタイム初クイーン、それがなくてもこの曲は大好きだったし十分感動的だけど、歌詞の字幕ありでライブエイドのウェンブリー見せられた日にゃもう泣くしかないよ。(US16位、UK2位)

37 Time After Time / Cyndi Lauper (1984)
シンディとフーターズのロブハイマンが書いたタイムアフタータイムは誰もが知る時代を越えたスタンダード。そしてこの美しいメロディは、かの帝王マイルスデイヴィスのトランペットも泣かせた。(US1位、UK3位)

38 Dancing In the Dark / Bruce Springsteen (1984)
募らせた社会への疎外感と不満をシンセの短音弾きに乗せて吐き出す。負のエネルギーではあるものの、そこにあるのは「明日なき暴走」と変わらぬ自由への渇望。ボス、オレにも銃を貸してくれ。(US2位、UK4位)

39 What's Love Got to Do with It / Tina Turner (1984)
長きに渡り鳴りを潜めていたセクシーダイナマイトが見事にカムバック。そのパンチの効いたボーカルはサラッとしたコンテンポラリーな楽曲も熱く燃え上がらせた。(US1位、UK3位)

40 Tonight Is What It Means To Be Young / Fire Inc. (1984)
ドラマティックな展開を得意とするジムスタインマン。青春映画のクライマックスにピッタリだが、あり得ない状況や設定が十八番の昭和テレビドラマシリーズとの親和性も抜群。すべての大袈裟に乾杯。あとダイアンレインカッコいい。(US80位)

その6へ続きます。

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