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12時。

そろそろ寝ようかと、携帯を布団の中で触っていた。

そのとき、私は自分との約束を破ってしまったと知る。

悲しかった。

私は、コロナ期間に就活支援をはじめたのだが、

その私の企画した就活イベントに参加してくれた女の子が

周りの凄さに圧倒され、自信を失い、

イベント後に泣いてしまったという事実を知った。

「1人1人の彩りで輝かせる」というのがイベントのテーマで

いい評価を沢山もらえて満足していた自分を疑った。

人を前向きにすることが自分の使命だと思い、

中学3年生のあのときから生きてきた。

私が後ろ向きだったから。

昔の自分のような人を解放するためにできることをしたい

そう思い、私は、前に進んできた。

前に進んでいるつもりだけれど、私だけが進んでいく。

なんだかゴールから遠ざかっていく気がする瞬間がある。

どうしてだろう。

だんだん私が寄り添いたい人のことを置き去りにしてしまう。

そんな私だけど、誰かの背中を押すために

伝えられることがあると信じて、書いていきます。

1.昔の私を助けたい

「すごい」という言葉は昔の私を追い詰めた。

みんなは結果をみてすごいね。って言う

勉強で1位になったとき

部活の試合で活躍したとき

絵や作文で賞をもらえたとき

目に見える結果がでないと

自分は何にもすごくないみたいに思えてしまう。

結果の出ないときは周りと比べて

あの人よりも私なんかダメだと感じてしまう。

私には何もないのではないかと怖くなる。

「すごい人」でいないと怖くなる。

不安で逃げ出したくなる。

不安な気持ちに負けて頑張れない。

そして、頑張れない私はやっぱりダメなんだ。

毎日そう思う。

だけど、そんな私にこんなことを言ってくれる人がいた。

勉強の成績も下がって、部活でも全く活躍できなくなっていた私に

「ほのかは強いね」って。

「上手くいかなくても投げ出さないから強いね」って。

「そのままで、何にも無理しなくていいよ」って。

その言葉が私を救った。

何にもすごくないよって思たけど、このままでいいんだ。と

だから、私も、私の言葉で誰かの心を救うと決めた。

人を前向きにすることが私の使命だと。

2.「私」は前に進んだ

大学生になって、

NPOの活動の高校生と2時間お話しをする授業のスタッフとして参加した。

そこで、はじめて私は自分の使命を果たすことができた。

2時間、私と一緒に話した高校生が

「私も嫌いな自分から変われる気がした。ありがとう。」

って泣いて教えてくれた。

嬉しかった。

もっと多くの人を前向きにできるようになりたいと思った。

私はこの活動に参加するのが好きだった。

大学2年生のとき、久しぶりにこの活動に参加したとき

周りを見て驚いた。

スタッフは高校生と真剣に向き合っていないのではないか?

ただのお喋り会みたいになっているではないか。

こんなのは嫌だ。

その理由は、NPOの運営メンバーの先輩が多大な業務に追われ

全員やめてしまったからだという。

このままじゃ悔しいと思った。

だから、1人でも多くの高校生を前向きにできるように

立て直そうと代表になった。

だけども

運営の経験もない私についてきてくれる人もいなければ

私自身が何をするべきなのか全くわからない。

それでも、毎月2企画は迫る。

1企画の準備と事後の書類を作成するのに、2か月かかる。

圧倒的に人員不足だった。

運営スタッフが見つからないから

学校・バイト・事務所に行って寝ずにパソコン業務

当日のスタッフも毎企画40人程度は必要だった。

月80人程度は必要

100人にLINEしても、なかなかスタッフが見つからない

泣きながら友達に参加してほしいと泣きついたとこもあった

わからないことだらけだから、

上手くいかずに職員の人に怒られてばっかり

眠たい。わけがわからない。

やめてしまおうと思った。

こんなはずじゃなかった。

もっと毎日、楽しく過ごしていた。

バイト終わりは朝まで飲みに行くのが楽しかったのに

今は毎日パソコン叩いて何してるんだろう・・

「はじめから私なんかに、こんな状況を変えられるわけがなかった」

そう思った。

それでも、私は進んだ。

諦めたくなかった。

自分に対しても、

1人でも高校生を前向きにすることも。

だから、自分にできることを考えた。

職員さんになぜ怒られているのかわからなかったけれど

理解しようと必死になった。

そしたらできることは増えてきた。

私のやるべきこと・あるべき姿が明確になっていった。

たくさん泣きながら前を向いて行動を続けた。

人が集まるようになってきた。

すると、「すごい。」と言ってもらえることが増えた。

この「すごい」は初めて嬉しかった。

そう、諦めずに投げださない私は「すごい」

はじめて自分で「すごい」と思える自分に出会えた

もっと前に進みたいと思って進んだ。

高校生にとってはどんどんいい企画になっていく。

前に進むのが面白かった。

3.こぼれ落ちたもの

私は、自分の認められる自分に出会えた。

昔みたいに不安で後ろを向いて止まる自分は捨てて、前に進みだした。

だけど、大事なものが零れ落ちていくのを感じた。

私には運営を一緒にやる中に大好きな後輩がいた。

いつも頑張れないときは頼ってくれた。

その度にごはんに行って、沢山、いろんな話をした。

後輩はいつも言った

「ほのかさんはすごいです。私も一緒に頑張りたいです」

嬉しかった。

だけど、私は気付いてなかった。

この「すごい」には、昔の私が感じていたように

「あなたはすごいからできるけど、私はすごくないからできないんだ」

そんなメッセージが隠されていることに気付けなかった。

ある時、急にこの後輩とは連絡が取れなくなった

「やめたい」ずっとそう思っていたと

直接ではなく、人づてにそう聞いた

ショックだった

何もわかってなかった

私は「いつも一緒に頑張ろう」と言って

その子の気持ちを分かろうとしていなかった

頑張りたくても、頑張れなくて苦しかったのだ

きっと頑張る私の横で、頑張れない自分に嫌気がさしていたのだ

その気持ちは、私はわかるはずなのに・・

私が助けたいのはこういう気持ちなのに・・

どうしてわかってあげられなかったんだろう。

何とも言えない気持ちになった。

いくら高校生のことを前向きにできたって

1番近くの人を前向きにできないなら意味ないじゃないか

でも、私はもっと多くの人を前向きにするために進みたい

だから、全員の気持ちを分かるのは難しいから諦めた。

私の「あなたならできるよ」が誰かを傷つけることになることもある。

そう思うと向き合うのが怖くなった。

無責任なことを言うのはやめた。

そして、後ろは振り返らず前に進み続けた。

一緒に前に進んでくれる人を大事にしよう。

前を見て進む人だけを引き連れて、前に進んだ。

ついてこれない人は置いていった。

「すごい」とどんどん言われるようになった。

だけど、私じゃない気がした。

4.こぼれ落としたくない

はじめて企画の運営をしてくれる子と一緒に運営をすることがあった。

同い年のその子が参加してくれた企画で私が一緒にやりたいと声を掛けた。

その子は「代表の私に声を掛けてもらえてうれしい」と

喜んで引き受けてくれた。

2か月間、一緒に準備を進めた。

私は、代表もやってきて、企画も何本も今までにもってきた。

やるべきこともわかる、作りたい自分の中の正解もある。

どんどん進めた。

その子も自分なりにできることを精一杯やってくれていた。

私は嬉しかった。

一緒に頑張れていると思っていた。

だけど、ある日その子に言われた。

「なんの役にも立ってないから、自分はいらないのではないか」

悲しかった。

怖かった。

また、私が止まることを忘れたから、失うのかと思った。

失いたくないと思った。

私は一緒にやりたいと思った。

私は、その子ならもっとできると思った。

だから、私は言った。

「あなたならできるよ」って

だけど、また言われてしまった。

「できる人にできるよって言われても、気持ちはわからないでしょ」って

悔しかった。

うん、、もう全然わからないよ。って思った。

前に進みたい。

後ろを向いていた昔の自分の気持ちはうまく思い出せない。

だから、諦めていいかな。

でも、わかりたいと思った。

わかりたかったから、わかるまで沢山、話しを聞くことにした

話しを聞く中で「最後まで、一緒に頑張りたい」って言ってくれた

企画を終えて

「ほのかの企画じゃなくて、一緒に作れた」って言ってもらえて

嬉しかった。

こぼれ落とさないようにできる。そう思った。

遠くまでこぼれ落とさないようにもっと強く、もっと弱くなろう。と


5.今の私

今も、私は後ろばかり見ていた昔の自分は嘘のように

前だけを見て進んでいる。

実現したい使命がある。

周りに応援して支えてくれる人が沢山いる。

今では、自分のことも好きだ。

幸せだ。

周りのすごい人と比べて劣っていたってどうだっていい。

私は、人に愛をもてる自分のことを「すごい」と思う

私は、自分の使命のために行動し続ける自分のことを「すごい」と思う

私は、苦しくても逃げずに自分と向き合う自分のことを「すごい」と思う

自分が「すごい」と思う、自分であればそれでいい。

私がすごいのは、

Twitterのフォロワーが多いからでも、

早期内定をもらっているからでも、

なんでもない。

私が「すごい」と思える自分でいるために努力した結果なのだ。

はじめから「すごい」人なんていない。

誰だって自分なりの「すごい」をもって努力すればいい。

努力すれば、その努力が自信になる。

これからも、1人でも多くの人を前向きにするために私はきっと前に進む。

でも、たまには立ち止まって、

一緒に後ろを振り返る。

どんな人だって、自分の行動次第で変われる。

そう信じて進む。

誰、1人零れ落ちないようにゆっくり、はやく。