「2023年11月から始めた、脱ステロイド後の地獄とも言える生活 ③(番外編)」

脱ステロイドの話とはちょっとズレるが許してもらいたい。
ステロイドをやめてから3ヶ月ほど、身体を思うように動かすことができなくなった。膝から足の甲にかけてパンパンに腫れ上がって靴が履けなくなった。身体はいつも痒くて、掻いた後は痛くてしょうがない。皮膚は身体を動かすと伸びたり縮んだりするので、皮膚が病んでいると傷口が引っ張られたりして痛い。動くたびにヒーヒー、ハーハー喘ぎながら生活していた。トイレに行くにも、用を足すにも一苦労だった。

ガソリン相場も高いし、身体も思うように動かせない。クルマに乗りたいけど乗れない。そんな辛い日々を送りながら、仕事もできず、自室に引き籠もっていることが多かった。朝から晩まで何もたいしてやることがない。私はもともと引き籠もりができるような人間ではない。一日自分の部屋に籠もっていてもやることがない。どちらかというと、家にいるより行くところがなくてもクルマで外に出掛けたい人間。一日部屋にいても、食うか寝るか、PCでこういう文章を書いているか、Youtubeで動画を観ているか、昔のプレイステーションのゲームをやるとか、そんなことくらいしかない。部屋に引き籠もる日が多ければ多いほど憂鬱になって行く。みんな仕事をしてお金を稼いでいるのに、自分は何もやってない。ムダ飯を食って寝ているだけではないか。生きている意味なんかない。病気が治らないなら死んだ方がいい。よくそう思った。

私は自己肯定感が極めて低い人間だ。自分を否定はするが肯定することが下手クソな人間だ。何もしていなくても生きているだけで素晴らしいとか、自殺するよりはまだ生きていたほうがいいとか、なかなかそうは思えない。自分を励ますのもすごく下手くそな人間だ。いったいこの50年何をやってきたのだと自分を卑下するばかりだった。家にいる時は自分を責めてばかりいた。

Youtubeで動画を観ていると、オススメの動画にクルマ系のチャンネルが出てきて、その動画で話す人の話が興味深いので、チャンネル登録してよく観るようになった。動画で話している男性は43歳だと言っていた。まだ若い男性が経営する中古車のお店で、奥様とお店の宣伝も兼ねながら、クルマに関する知識を色々と教えてくれる真摯的なチャンネルだった。その人は今のクルマ業界を覆っている不祥事や不信感を払拭して、もっと明るくてクリーンな業界にしたいのだと言っていた。

チャンネル主の名は『ぐっさん』。ぐっさんは自称『クルマ愛好家』で、旧車、輸入車、国産車、壊れた車に関わらずクルマが大好きなのだそうだ。このぐっさんのチャンネルにはなぜかテーマソングが流れていて、私はその歌がすごく気に入った。その歌がなぜか私の胸に刺さった。
作詞はぐっさん。明るめのアップテンポな曲で、昔の父親との思い出を歌詞に盛り込んだようなクルマをテーマにした曲だった。歌ってみると1オクターブ下げれば、私でも歌えそうな感じだった。私はその歌をよく口ずさむようになった。マイナー調ではなく、メジャー調の曲なので、元気が出るような気がしてよく歌うようになった。

夢のクルマ買ってきた  オヤジがイキイキ帰ってきた
自慢のクルマに抱きついて  オイル臭くてメシも食えねぇ
機嫌が悪いと走らねぇ  どこにも行けねぇ
ジャジャ馬ならしに明け暮れて  オイルまみれでテレビも見れねぇ
そんな日々から始まった  オヤジとおいらの忘れられないメモリー
男のロマンに乗り込んで  西へ東へ北へ南へ
女の不満を乗り越えて  ゴメンね母ちゃん許しておくれ
昨日と今日では変わらないけど  今日と明日は違ってた
夢のクルマを思い出す  オヤジと過ごしたあのクルマ
探しに行こうサニーストアへ
サニーストアへ サニーストアへ サニーストアへ

(テーマソングは22分30秒~)

歌詞の内容はこの動画を観ればだいたい解ってもらえると思う。
彼自身も子どもの頃、父親に連れられてこういう思い出を持っているのだろうと想像できた。それがまたいい。歌詞がいい。オヤジが夢中で乗っていたクルマをもう一度自分も乗ってみたいという思いが伝わってくる。それをお手伝いしているのがぐっさんのお店『サニーストア』だ。何て夢のある素晴らしい仕事なんだ!と思った。

私は気分が塞ぎ込んでいたり、落ち込んでいたりすると、自分の部屋で大声でこの歌を唄った。自分で自分を励ました。病気に負けるな!頑張れ!治るから心配するな!そうしたらまた大好きな相棒に乗ることができる!そう思って今も毎日この歌を唄っている。私は何だかこの曲に救われたような気がした。ぐっさん、ありがとう。

クルマ愛好家ぐっさんのチャンネル『 SUNNY STORE 』
https://www.youtube.com/@sunnystore422/videos