「無職底辺氷河期世代、死ぬことを思いとどまり少し働いてみる ~その④~」

2ヶ月働いたが、あまり休みもなかったせいか、そこそこの給料を貰えた。しかし、その給料もいつまでも持つわけではなく、また再び生活困窮に陥ることになってしまった。

5月でその職場を辞めて、稼いだ給料も生活費でなくなった。一文無しになって母に泣きついた。母は怒っていたが、私に5万の生活費をくれた。口論になって私はその5万を叩き返した。しかし、母は私が寝ている時に部屋にそっとその5万を置いておいてくれた。どうしようもない親不孝者だ。

ビジホの仕事を辞めた後、再びぐうたら生活が続いた。しかし、やはりこんなことをしていてはいけないと思い、9月に入って再び働く意欲がムクムクと顔を出した。何もしていないのは良くない。せめて自分の食い扶持だけでも稼がないとという思いに駆られた。ネットの求人を見たり、タウンワークの冊子を穴が開くほど読んで職を探した。

私は転職が多いので、面接に行く前の履歴書を書く段階でものすごいストレスを感じる。しかし、そんなことは言ってられない。色んな職種を見た。とりわけ、派遣や飲食業は求人がものすごく多い。飲食業は履歴書不要という所が多い。しかも、フルタイムパートはまかないか食事を支給してもらえることが多い。今まで製造業、介護職、清掃業をやってきた。しかし、やったことのない飲食業や販売業を経験してみようかという気持ちが芽生えて来た。ダメならダメで辞めればいい。少なからずチャレンジ精神がないと何もできない。未経験の仕事や人が怖いと言っていると何もできなくなる。とりあえず、やれそうな仕事をとにかくやってみよう的な気持ちになった。ちょっとワクワクしてきた。

求人を物色していると、飲食店の閉店後の清掃が目に付いた。飲食店が閉店した後に片付けや店内の清掃をする閉店作業2時間くらいの仕事だ。それに応募してみることにした。深夜の仕事ということもあって時給1300円。全国チェーンの某ハンバーガーショップだ。緑の看板にMという文字が入っているお店と言えば分かると思う。私はこの店のハンバーガーが大好きで、昔からよく食べていた。逆に私はアンチmック派なのである。最近はジリ貧もあってMバーガーを久しく食べていない。どん底の不景気、商品の値上げなどもあってMバーガーは経営的に厳しいようだ。

面接に行ってみると、あっさりと採用された。毎日入る予定でいたが、週3日しか入れなかった。店長はとても話しやすい良い人だった。飲食業はとにかく人手不足に悩んでいるようだった。学生アルバイトが入らないと言っていた。以前面接に行った丸亀製麺も同じようなことを言っていた。学生アルバイトは卒業時期の3月にこぞって辞めてしまう為、アルバイトの人材確保がものすごく大変なようだった。

とりあえず、社会保険などは後回しにして、自分の食い扶持を稼ぐことが先決だ。食えなければ生きられない。生活保護や無職でいてはいけない。人間性も人格もダメになってしまうような気がした。給料は少なくても、人間社会と接していること、社会に少なからず貢献していることが、精神状態を安定させることに繋がるような気がした。

一回の出勤が2時間で週3日の出勤。これでは月に3万ちょっとにしかならないから生活できない。だからバイトを掛け持ちすることにした。次に目を付けたのが回転寿司チェーン。年中募集している。履歴書もいらない。K寿司に面接に行った。面接に行ったK寿司の店長は何と!若い外国人だった。面接を終えて今返事待ちの状況だ。採用されれば連絡があるが、不採用の場合は連絡はない。吉と出るか凶と出るか。

でもいいや、不採用でもいいや。どちらでもいいと思っている。
ダメだったら違う寿司チェーンか、和食屋さんのキッチン補助か何かやろうと思っている。キッチン補助なら自炊の役にも立つから勉強になる。

私のような孤独な無職の人に言いたい。
一日2時間でもいいから働いてみてほしい。できそうな仕事でいい。何もしないとどんどん追い込まれる。心が病んで行く。社会との接点は持っておいたほうがいい。孤独は鬱病にもなりやすい。どうしても自分を責めてしまう。社会から疎外されているような気持ちにもなる。自分は誰からも必要とされていない。社会の誰からも相手にされていないという気持ちになる。だからバイトでも何でもやってみてほしい。そこから道が開けてくることもある。職場には共感してくれる人がいたり、新たな道に誘ってくれる人もいたりする。

何かやろう。それが「生きる」ということでもある。体験するために生まれてきている。何もしないことはイコール何も体験しないことだ。自分の人生の中には何の体験もない、得たものも何もないということになってしまう。それはあまりにももったいないことだ。生まれて来たからには、色んな体験をするべきだ。もちろん、良いことも悪いことも、楽しいことも辛いことも色々ある。失敗もたくさんあって、怒られることもある。しかし、それを恐れていたら何もできなくなる。一つの体験だと思ってやったほうがいい。その「仕事」という体験にはちゃんと対価もついてくるのだから、決してお金がなくて飢え死にするということもないはずだ。

私はそう思っている。押し付けでも何でもない。あなたも私も同じ体験をしている境遇の人間なのだから、私は無職で孤独な人の気持ちをよく理解しているつもりだ。
ダメな人間はダメなりに生きればいい。孤独な人間は孤独なりに生きればいい。「これが正しい生き方」なんてものはないはずだ。自分なりの生き方をすればいい。それがこの世に生まれて来た自分の貴重な体験になるのだから。良いとか悪いとかなんてない。あなたの体験はあなただけの何物にも代え難い貴重なものになるはずだ。

私もダメなりに生きている。だから、どうか落胆したり絶望したりしないでほしい。私もそうだったからこれを書いている。少しでも生きる勇気を持ってもらえたら私はすごく嬉しい。