「脱ステロイド後の療養生活 ⑪」
昨年11月にステロイドを完全にやめてから、今日まで約一年療養しました。今では8~9割ほど回復して、少々まだ痒みはあるものの、ほとんど落屑もなくなり、湿疹や赤みが残っているのは太ももと足の甲だけになりました。その他は色素沈着で少々黒ずんではいますが、皮膚そのものは分厚く丈夫になって綺麗になりました。ちょうど一年経ったので、簡単にその経緯を書いてみたいと思います。
■ 2023年10月下旬
長年通っていたクリニックの塗り薬(フルメタ軟膏+プロペトの混合薬)が効かなくなり、ステロイドの飲み薬も出されるが、あまり効果はなく、思い切ってそのクリニックを見切って受診するのを諦める。
ステロイドなどを使わずに治す方法はないか、ネットで調べるうちに、徳子さんの動画に出会い「脱ステロイド 脱保湿」のことを知る。
ステロイドをやめて放っておけばいいのかと勝手に思い込んで、まだ残っていたステロイド剤を使うのをやめることにする。
■ 2023年11月~12月
皮膚がやたらとムズムズするようになり、だんだんと痒みが酷くなる。掻いているうちに、全身が真っ赤に炎症を起こし、掻きキズだらけになる。寒くなってきて風呂にも入っていたが、風呂から出たすぐから身体中が痒くて痒くてどうしようもなくなり、全身掻きむしるようになる。痒みと痛みと戦う生活になり、風呂に入るのが怖くなって風呂に入らなくなる。
かなり以前から家族との仲が悪く、家族と食事をしない、誰とも口をきかない生活を送っていたが、あまりの惨憺たる身体状況から、母親に助けを求めることになる。
■ 2024年1月~2月
先月12月からものすごい量の落屑(掻きむしった皮膚の屑)が出始める。皮膚を掻きむしっては汁と血が出てジュクジュクになり、渇いてかさぶたが張るとまた痒くなって掻きむしるの繰り返しで、下着も布団のシーツも汚れまくる生活になる。下着や洗濯物は家族の物とは別に洗わなければならないくらい酷い状態になる。
寝るために布団に入ると身体が温まり、とてつもない痒みに襲われ、常に指が身体のどこかを掻きむしっている状態で朝まで眠れない。明け方にウトウトして少し眠れたかと思うと、起きると激痛に襲われる。身体のあちこちが必ずジュクジュクになっている。ベッドの下にはとてつもない量の落屑が散らばっていて、起きるとまず掃除機をかけるのが日課になる。
この頃から変な寝汗をかくようになり、真冬で外気はすごく寒いのに深夜に何度も肌着を替えなければならないくらい、ベタベタに寝汗をかくようになる。こんなことは初めてで、自分でもなぜか解らない。男の更年期障害なのかとも疑ったが、為す術は何もない。そしてもう1点、なぜか頻尿になってしまい、深夜に尿意をもよおすと、起きてトイレに行く余裕もなく何度も失禁しそうになる。仕方ないので、部屋にバケツを置いておいて、クソ寒い中そのバケツに小便をする。身体のあちこちが掻きむしって痛い上、メチャクチャ寒い中、ショボショボの目で立ってバケツに小便をした。
足のジュクジュクはこの時期一番酷く、ももの付け根から足の甲までガーゼを当てて包帯を巻かないと、汚れてズボンが履けないくらい酷い状態になる。起きたらまずベッドの上と下を掃除機をかけて、布団を整えた後に自分の脚にガーゼと包帯を巻き直すが、あまりに酷い自分の脚を見て泣きながら手当していた。おまけにステロイドをやめてから、ふくらはぎから足の甲にかけてパンパンに腫れている。なぜか浮腫が酷く、靴を履くのもやっとだった。
時には二度か三度か、寝ている間に両脚を掻きまくってジュクジュクになり、汁で両足がベトベトひっつくくらい酷い状態になっていた。布団のカバーが汁でベトベトになって湿ってしまい、濡れた布団カバーで身体が段々冷えてきて起きられないことがあった。起きたくても起きられない。起きれば、その汚ないベトベトになった両脚を見るのがものすごくイヤだった。小便はしたくなるわ、腹は減ってくるわで仕方なく起きるが、自分の脚を見て泣けた。どうにもならなくて、いっそのこと死にたいとさえ思った。
そんなことが度々あり、起きるに起きられず夕方まで寝ていると、母が心配して部屋まで見に来たことが何度もあった。
アトピーと混合しがちだが、アトピーとステロイドの皮膚障害は違う。元々アトピーで長年ステロイドを使い続けた結果、皮膚がステロイドにやられてしまい、皮膚障害みたいになっている。もはや、昔のアトピーではない。 アトピーもステロイド皮膚症も首の回りは痒みが酷くなりやすい。首の皮膚はもともと他の部位と比べると薄いので、すぐにキズになる。相変わらず汁が出て、痛いのを通り越して寒気がしてくる。痛い、痒い、寒気の三重苦で服の襟が汚れるし擦れて痛いので、首にタオルを巻き付けて服を着ていた。
手の甲がなぜか岩のようにガサガサボコボコになり、これまた痒い。
顔はガサガサで粉を吹いて、目の上のまぶたはお岩さんのように腫れている。耳の周りは切れて汁が出ている。頭皮もボロボロになっていた。母はとんでもなく哀れな私の顔を見て心底心配していた。
母はたまに私の部屋に来て大丈夫か見に来た。私は自分の身体の陰部以外を全裸になって母に見せて事情を話した。あまりに哀れな自分の身体を見て私は母の前で号泣した。痒くて痛くてたまらない。このまま治らなかったら死ぬまで地獄だと本気で思った。いっそのこと死のうと思っていた。
(結構長くなったので、いったんここで終わりにしようと思います。続きは近いうちにアップする予定です。ここまで読んでいただきありがとうございました)