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じっちゃま(広瀬隆雄)議事録「米国株を徹底解説! 広瀬隆雄の米国株市場の見通しと 注目銘柄アップデート!」2022/8/12 楽天セミナーまとめ【米国株投資】
米国株を徹底解説! 広瀬隆雄の米国株市場の見通しと 注目銘柄アップデート!
👴「結論、目先米国株は年初来のダウントレンドを抜けだしてフラフラと上昇して局面なんですけど、8月中はもう一段高するかもしれない。」
👴「でも、アメリカの機関投資家は夏休み中ですのでこの月につけた株価はそれほど重要ではない。むしろ、レイバーデー(9月頭)の三連休後でアメリカの機関投資家がぞくぞくと仕事に帰ってきますので、そこからの相場の地合いの方が重要だと思います。」
👴「最近、セカンダリーオファリング(株式売り出し)がパラパラと散見されるようになりました。それはレイバーデー明けに怒涛の株式の売り出しがあるサインなのかもしれない…2022年は年初来からずっとIPOマーケットしまってました。」
👴「なので、レイバーデー明けに…証券会社としては『何とかこのIPO市場をこじ開けたい!』というような思惑がはたらくと思う。その関係で"9月になると株式の需給が崩れるリスク"もある。」
👴「先日の消費者物価指数…ほんとうに一年以上ぶりぐらいに明らかなポジティブサプライズ…8.5%…コンセンサス予想8.%を下回りました。ということで、投資家としてはホッと一息…『これでFRBが利上げしなくてもよくなる。株を買いに行け!』というような強気感…これ一筋縄ではいかないと思う。」
👴「なぜかというと、7月の消費者物価指数の計測期間中…全米平均レギュラーガソリン価格は45¢くらい…高値から安値に一本調子で下落した。これ非常に大きな調整でした。それに助けられてる部分が非常に大きいと思います。今後もインフレがピークアウトして一本調子でインフレ下がると断言できない」
👴「(インフレは)原油…ガソリン価格次第だと思います。そんなこんなを考えてみると、これから1~2回はネガティブなニュースがでてくることも予期せざる負えない。株価的には、10月ぐらいにボトムをつけて、年末に向けて2022年の遅れを取り戻する展開を予想しています。」
【米国経済の現状】
• 雇用は強い
• 賃金は上昇中→消費者物価指数には劣後
• 鉱工業生産高は高水準
• 連邦準備制度理事会(FRB)は粛々と利上げを継続
👴「まだまだ景気は強いです。月初に発表された雇用統計は強かったです。」
👴「とりわけ賃金のコンポーネント前年同期比で+5%以上上昇。ただし、消費者物価指数は8.5%で増加しているので物価の上昇に比べれば賃金ペースは遅い…つまり、消費者はプレッシャーを感じている。それが食品を買うときにブランドのシリアルとかではなく、無印になるとかの消費行動を誘発している」
👴「ガソリンの消費は少し陰りを見せている。ただ、ガソリンは全米平均レギュラーガソリン価格が4ドルを切ってきたので、もう全然高くない。すると、アメリカ人の習性として、『ガソリン価格が下がる→たくさんドライブする→消費が増える』一本調子でガソリンが下げ続けるシナリオは予想しずらい。」
👴「ちなみに消費者の懐は温かいです。だから、通常リセッション…景気後退の時に見られるような…『消費者の首が回らない→消費おちこむ→景気スローダウン』のようなお定まりのパターンは起きていない。それに注意を払う必要がある。」
鉱工業生産高について
👴「鉱工業生産高は高水準で推移しています。直近の数字はほんの少し原則が見られていますが、まだ最高水準に近い。これも景気のピークアウトを占う上で重要な指標なので注意を払う必要がある。」
連邦準備制度理事会(FRB)について
👴「先日のCPI(消費者物価指数)の発表を受けて次のFOMC(連邦公開市場委員会)…9月21日では0.50%の利上げと予想されています。」
非農業部門雇用者数について
👴「7月の数字は52.8万人…非常に良い数字でした。雇用統計はまだまだしっかりしてる。」
失業率について
👴「3.5%まで下がってきました。これ…過去最低水準に面合わせ…こちらからも不況は感じられません。」
平均時給について
👴「最近になってコンスタントに平均時給が高い数字になりはじめている点に注目する必要があると思います。7月は+15¢…くらい。前年同期比でいうと+5%強くらいのペースで推移していると思います。FRBは賃金のインフレに関して非常に神経をピリピリさせてます。なぜなら…」
👴「賃金インフレは癖になりやすいから。今回のCPIの数字はたまたま…全米平均レギュラーガソリン価格がい本調子で下がった…ホッと一息の数字…8.5%だったわけですけど、平均時給を見るとまだ前年比5%以上でのびてるわけで、コチラの方がFRBの本音としては怖い…ということだと思います」。
👴「ちなみにFRBが米議会…つまり、下院から言い渡されてる努力目標…インフレターゲットは"2%"です。ですから、5%以上の賃金の上昇というのは、FRBにとってまだまだ気持ちの悪い上昇だと言えます。」
消費者物価指数について
👴「この資料は指数そのまま書いたものです。なぜこの資料を持ってきたかというと、直直近指数が垂直に上昇してる様子をみなさんにお見せしようと思ったので、このグラフにしました。1940年代まだ遡っても、今ほど垂直に上昇してる時は1970年代のハイパーインフレ依頼2回目」
続き
👴「ちなみに今回の物価上昇のピークは6月に前年同期比9.1%…7月は8.5%…たぶん、ガソリン価格が今の水準で推移するなら8月のCPIもそのくらいか、ちょっと下ぐらいになるかと…もしそうならピークアウト感が醸成されるかもしれない…というところに差し掛かっています。」
鉱業生産指数について
👴「普通、アメリカ経済が不況に陥っていく場合、それが最初に反映さされるのは”鉱業生産指数”です。いまは過去最高水準に近いところで横ばっています。ほんのすこしダウンピークした程度…まだ景気のピークアウトと断言できない。今後もこの指数に注目してください。」
ここまでのまとめ
👴「アメリカ経済はまだまだ強い。株式市場に目を向けると、あたかもFRBによる連続した利上げによって、アメリカ経済はハードランディング…つまり、不況に陥るというようなシナリオを折込掛かっている。」
👴「『チャンスはどこにあるか?』というと、みんなが…投資家全般が考えていたほど景気が酷くなくて、しかもインフレが少し緩和した場合、むしろ景気敏感株(工業株、消費循環株)が大きく売られているので、そっちの方が相対的な魅力が増している。トレーディング的には、そう考えている。」
第2四半期決算のハイライト
✖悪い決算
• スナップ( $SNAP)
• メタ( $MATA)
• アルファベット( $GOOG)
• アマゾン( $AMZN)
• アップル( $AAPL)
• マイクロソフト( $MSFT)
〇良い決算
• エクソンモービル( $XOM)
• シェブロン( $CVX )
• パイオニアナチュラルリソーセズ( $PXD)
• ダイヤモンドバック( $FANG)
スナップ( $SNAP )
• EPS予想-3¢、結果-2¢
• 売上高予想11.4億ドル、結果11.1億ドル、前年比+13.1%
• デイリー・アクティブ・ユーザー前年比+18%の3.47億人
• 広告市場不透明感→ガイダンス提示せず
• TikTokからの競争、iPhoneの個人情報仕様変更、シリコンバレー不況でテクノロジー企業を中心に広告を絞り込む動き
👴「非常に厳しい決算でした。投資家の先入観としてはハイパーグロースな投資対象だと思われがちですけど、売上は前値同期比+13%でしか成長していない。」
メタプラットフォームズ( $META )
• EPS予想$2.55、結果$2.46
• 売上高予想289.5億ドル、結果288.2億ドル、前年比-0.9%
• デイリー・アクティブ・ユーザー数+3%
• 第3四半期売上高予想303.8億ドルに対し新ガイダンス260~285億ドル• 経済見通し暗転で広告需要弱い→足下は更に悪化→インスタ広告も不振
• リアリティラボ売上高も前期比マイナスを予想
• 先行投資を絞る
👴「元Facebook。決算悪い。ネット企業にも関わらず、売上高は前年比で全然成長しない。他のテクノロジー銘柄も共通して成長率にブレーキかかってる」
アルファベット( $GOOG )
• EPS予想$1.27、結果$1.21
• 売上高予想698.7億ドル、結果696.9億ドル、前年比+12.6%
• YouTube広告売上高前年比+4.8%の73.4億ドル→先行き不透明で広告主が絞り込み
• クラウド売上高前年比+35.6%の63億ドル
• 第3四半期は第2四半期よりさらに悪化を予想
• 採用を絞り込む
👴「決算悪い。インターネットのトップ企業で12%しか成長していない。これは非常に重い事実。今後の成長の柱と考えられているYoutube広告の成長率は前年比4.8%…非常に不満足な数字。ひょっとしたら一桁代のの成長続くかも…一桁成長の株はアメリカにゴロゴロある。」
アマゾン( $AMZN )
• EPS予想12¢、結果-20¢→リビアン評価損39億ドルを含む
• 売上高予想1191.6億ドル、結果1212.3億ドル、前年比+7.2%
• AWS売上高前年比+33%の197.5億ドル
• 広告売上高前年比+18%の87.6億ドル
• 第3四半期売上高予想1265.8億ドルに対し新ガイダンス1250~1300億ドル
• 配送センター費用削減、配達時間短縮、在庫あり増やすことに成功
👴「まちまちな決算。アマゾンはこのところ三四半期ぐらい連続して悪い決算を出しています。その中で、今回の決算はやや良かった。アマゾンはトップラインは7%ぐらいしか成長してない…アメリカのインフレは8.5%…。」
アップル( $AAPL )
• EPS予想$1.15、結果$1.20
• 売上高予想8297億ドル、結果8296億ドル、前年比+1.9%
• iPhone売上高予想383億ドル、結果406.7億ドル
• iPad売上高予想69億ドル、結果72億ドル
• Mac売上高予想88億ドル、結果74億ドル
• ウェアラブル売上高予想90億ドル、結果81億ドル
• サービス売上高予想199億ドル、結果196億ドル
• 部品供給不足は予想より酷くなかった
• 第4四半期売上高は前年比+9%を見込む
👴「まちまちな結果。サービス売上高はAppleの売上高を占める割合が大きくなっている。数年後にはアップルはハードウェア銘柄ではなくサービス銘柄かも。」
マイクロソフト( $MSFT )
• EPS予想$2.29、結果$2.23
• 売上高予想523.6億ドル、結果518.6億ドル、前年比+12.4%
• 全ての部門で売上高ガイダンス下回った
• クラウド売上高前年比+28%の250億ドル
• アジュール売上高前年比+40%
• 中国新型コロナでPC生産遅れウインドウズ不振
• リンクトイン、サーチ広告減少
• ウクライナ戦争でロシア売上減
👴「決算悪い。他のネット企業に比べて売上高成長率は常に低いです。歴史の長い銘柄なので仕方ないこと。しかし、売上高12%しか成長していない。すべての部門で会社側が提示したガイダンスを下回った。絶好調ではない。」
エクソンモービル( $XOM )
• EPS予想$3.89、結果$4.14
• 売上高予想1116.7億ドル、結果1116億ドル、前年比+70.8%
• 営業キャッシュフロー200億ドル
• パーミアンでの生産を13万バレル/日増やした
• ガイアナでは34万バレル/日生産中
• 精製マージンは良好
👴「決算良かった。わずかにコンセンサス予想を下回っていますが、石油会社なので売上はガソリン価格などに白湯されるので、少々未達でも問題ない。これだけ売上スケールも大きい会社が売上71%成長してる。PER6~7倍で買われてると思うけど、あまりにも過小評価さてれいると感じる。」
シェブロン( $CVX )
• EPS予想$5.03、結果$5.82
• 売上高予想576.9億ドル、結果687.6億ドル、前年比+82.9%
• 米国上流は前年比+3.6万バレル/日の117万バレル/日
• 川下部門利益は24.4億ドル、前年同期7.76億ドル
👴「決算良かった。非常に…ケチのつけようがない良い決算。」
パイオニアナチュラルリソーセズ( $PXD )
• EPS予想$8.80、結果$9.36
• 売上高予想68.2億ドル、結果69.2億ドル、前年比+102.4%
• スチール、ディーゼル、化学製品コスト増→設備投資額増
👴「決算良かった。毛並みの良い会社。設備増加は矢倉の数を増やすからではなく、インフレ→コスト増」
ダイヤモンドバックエナジー( $FANG )
• EPS予想$6.67、結果$7.07
• 売上高予想24.4億ドル、結果27.7億ドル、前年比+64.7%
• 原油生産高前年比±0%
• 一株当り営業キャッシュフロー前年比+37%
👴「決算良かった。生産高伸びてない。売上げ高が伸びた理由は、販売価格が原油高騰で上昇した」
第二四半期決算発表シーズンまとめ
👴「これまでの決算発表に比べると取りこぼしてる企業が多い。過去10年間の平均と比べてみても今回の決算シーズンは中身がショボい。最近IPOされたハイグロ銘柄の決算はズタボロに悪い。発表後に急落する銘柄が連日2~3銘柄くらい。今ハイグロ株を買うのは危険」
参考銘柄
• ボーイング( $BA )
• ゼネラルエレクトリック( $GE )
• レイセオンテクノロジーズ( $RTX )
• KBR( $KBR )
• ユーロナブ( $EURN )
👴「オールドエコノミー…どんくさいイメージですが、米国株を眺めてとりわけ安いのはハードランディングを起こり込みすぎた景気敏感株」
僕が考えていること
👴「僕が考えていることはVTIをガツンと買いに行くことではありません。指数を買いに行ける局面というのは、10~11月になれば…年に一度の大きな買い場がくるかもしれない。しかし、それは今じゃない。いまは恐怖が足らない。株は怖くてたまらない…自分も誰も買いたくない時に買って儲かるもの。」
ボーイング( $BA )
• 民間旅客機、軍用機、グローバル・サービス、ボーイング・キャピタル
• 737Max欠陥問題、新型コロナで旅客需要激減
• 従業員14万人、うち5万人が労働組合員
• 737Maxは2019年3月に連邦航空局(FAA)から飛行中止命令
• 顧客からのクレーム総額は29億ドル、うち7億ドルは交渉中
• 第2四半期EPS予想-10¢、結果-37¢
• 売上高予想175.3億ドル、結果166.8億ドル、前年比-1.9%
• 737Maxは31機/月のペースで生産、787出荷承認された
👴「コロナは一巡して旅行は再開しています。」
ゼネラルエレクトリック( $GE )
• 三分社化→ジェットエンジン、ヘルスケア、風力・火力発電
• 純負債120億ドル=2X EBITDA
• サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)分析では125ドル前後の価値があると考えられているが、投資家からの信用を失ったのですぐに評価を取り戻すとは考えられない
• 第2四半期EPS予想42¢、結果78¢
• 売上高予想179億ドル、結果186.5億ドル、前年比+2.2%
👴「サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)分析での125ドルと比べると、今の株価は割安。足元の決算発表はしっかりした決算だった。」
レイセオンテクノロジーズ( $RTX )
• 最大の工業会社(時価総額ベース)
• コリンズ(航空工学・電子機器など)、プラット&ホイットニー(ジェットエンジン)、情報宇宙、ミサイル
• EPS予想$1.11、結果$1.16
• 第2四半期売上高予想166.1億ドル、結果163.1億ドル、前年比+2.7%
• 2022年EPS予想$4.77、ガイダンス$4.60~4.80を堅持、売上高予想682.9億ドル、ガイダンス677.5~687.5億ドルを堅持
👴「空の旅の復活の恩恵を被ると思います。ミサイルも有名。ロシアとウクライナ…極東では台湾周辺で緊張高まってる。そこで必要とされているテクノロジーはミサイル。」
KBR( $KBR )
• 素材科学、生命科学研究、地質学、宇宙オペのサポート、サイバーセキュリティ、クアンタムコンピューティング
• アメリカ国防総省、アメリカ航空宇宙局、ロンドン警視庁、石油会社などが顧客
• 第2四半期EPS予想65¢、結果76¢
• 売上高予想16.4億ドル、結果16.2億ドル、前年比+5.2%
• 2022年EPS予想$2.61、ガイダンス$2.53~2.65を堅持、売上高予想66.2億ドル、ガイダンス64~68億ドルを堅持
👴「政府がクライアント。これからはセキュリティカメラなど、ITソリューション…顔の認識とか増えていくと思う。」
ユーロナブ( $EURN )
• ライバルのフロントライン(FRO)と合併に合意→EURN1株に対しFRO1.45株の株式交換=ユーロナブ株主が55%、フロント
ライン株主が45%
• トンマイル上昇中
• 中古タンカー市況強含み
• 石油輸出国機構(OPEC)が大増産に踏み切らないため米国からの原油輸出は継続→拡大へ
👴「アメリカで上場されているタンカー株の中で時価総額最大級。ロシアとウクライナ戦争でヨーロッパは原油をロシアからボイコットで買えなくなった。『原油の買い付け先が大転換→タンカーで運ぶ距離が上昇→タンカー需要引き締まる』」
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