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映像作品ボツ案①戦国怪獣合戦セキガハラ

 今回からは、実際に制作しなかった、ボツ案を供養するため5回に分けてご紹介します。これらを考えていたのは、前回記事でご紹介した「彗星怪獣ハレー」制作の前後になります。考えた順に掲載しています。

第一回は、テーマ的には結構気に入っている「戦国怪獣合戦セキガハラ」をご紹介します。

メインストーリー

 戦国時代、天下分け目の関ヶ原の合戦の最中に、戦場の真ん中に怪獣が現れ、西軍・東軍が一時停戦・団結して怪獣を倒すというストーリーです。

 考えた時期としては、ハレーの原案を思いついたとき。つまり、ハレーとこちらのどちはをやるかで迷っていた訳です。

 こちらは、脚本、デザインまでを行った時点でボツとしました。理由としては「合戦シーンなど、自主制作でやるにはとても無理だから」というのが大きいです。甲冑などの衣装を用意するのが難しいので。よくある手描き動画のように、紙芝居方式で作ることも考えましたが、それでは作品の面白みに欠けると思い、断念しました。

 しかし、テーマやストーリーは他にないものになっており、今でも、いずれ何かしらの形に出来ないか、とは考えています。

 以下、デザインと絡めながら設定をお話しします。ストーリーについては、二通り考えていました。

第一案ストーリー

 最初に考えたのは、怪獣が3体現れ、それに対して3人の戦国武将が1人ずつロボットに乗って立ち向かう。最終的に怪獣が合体して一体になるので、ロボットも合体して戦う。というものです。

 なお、石田三成、徳川家康に加えてもう1人の武将は、関ヶ原以前に死んだはずの織田信長であり、サイボーグとなって復活する……という、どこをとっても破天荒な設定でした。

第一案デザイン

第一案では、陸・海・空の3体の怪獣と、陸・海・空のロボットが戦う(ゲッターロボのイメージです)設定だったので、怪獣とメカを3体分、また合体メカをデザインしました。

【怪獣デザイン】

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陸の怪獣は、しっくりくるデザインに出来なかった印象です。一方で、海・空の怪獣は今後何かしらの形で再利用したいと思えるデザインです。なお、それぞれの名前は日本神話の神々から取っています。

【メカデザイン】

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正直自分は、メカデザインには自信がないので、あまり上手くいった感じはしません。また、特撮で撮る以上、ちゃんと合体できる構造にしないといけないので、その点を考慮した結果不恰好になっている部分もあります。

【織田信長】

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こちらは織田信長のデザインです。甲冑とダースベイダーを足して二で割ったようなイメージでした。

第二案ストーリー

 第一案のストーリーは、どう考えても規模がデカすぎて実現が難しいと思ったので、別の案を考える事にしました。第二案のストーリーはよりシンプルで、登場する怪獣は一体。その一体を倒すために石田三成と徳川家康が協力して戦う。というものでした。オチとしては、2人で天下統一を成し遂げ日本を共同統治するというものでした。

第二案デザイン

 第二案では怪獣は一体なので、一体で印象に残るものにする必要がありました。また、戦国時代という時代背景も考え、怪獣というよりは「モノノケ」に近い姿にしようと思いました。脚本の中でも「怪しげな獣、すなわち怪獣」というネーミングを入れています。

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 デザインのコンセプトは「鵺(ぬえ)」です。尻尾に本体と別の意志を持った蛇を入れることで、戦闘シーンにも変化をつけられるかな、と思いました。

 怪獣の名前は蛇狗羅(ジャクラ)で、昔の人は「この見た目からこういう名前をつけそうだな」という思考でネーミングしました。(実はこの名前は、後々形を変えて継承される事になりますが、それはまた別の話で。)

 こちらはストップモーション用の設計図と、粘土による立体起こしも行いました。

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 シルエット的に、かなり面白い感じになったかなとは思っています。正直、ここまで作って映像化しなかったのは勿体ない気もしますが、恐らく無理に映像にしてもイメージ通りの仕上がりにはならなかったと思うので、後悔はありません。

まとめ:ボツにはしたものの

 現実的な実現性を考えて、結局ボツにした本案ですが、時代劇×怪獣映画を「ちゃんと」やっている作品は自主・商業問わず意外と少ないと思っています。

 そのため、本案は実現すればかなり面白く出来る余地はあると今でも思っています。何かしらの形に出来ないかな~とはうっすら思っていますが、他に優先して作るものが何個もあるので、作るとしても大分後のことになると思います。

 今回は、ハレーと同時期に考えていたボツ案のお話でした。次回は、ハレー完成後、次の作品は何を作るか?という時に考えた案のご紹介です。

 実はここからしばらく案を考えてはボツにして…という期間があったので、4案ほどのボツ案が誕生しました。それぞれ、分けてご紹介していきます。では、また。

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