エロ漫画屋の独り言

エロ漫画うって20年たちました

生まれた子供がハタチになるぐらい、平成の3分の2、人として大人とされる月日が経つ時間を今の会社で過ごさせていただきました。

正直、ここまでいるとは思っていなかったいうのが感想です。
悪口ではないですが、濁った水のほうがよく合う性格だったからかな(笑)
※世間的な商材としての純然たる比較です(笑)

最初に真面目な話、
会社に入って守っていることがあります。

・嘘はつかないこと
・問題は自分から伝え、解決に努めること
・自分一人でできないことは、他人と一緒にすること

これだけを守って生きてきました。会社に入るまで私は噓の多い、他責思考、完璧主義(独り善がり)といった終わってる性質の持ち主で
正直治ってるかと言われたらどうだろうか?
ハテナマークが常にあまたをよぎっていますが、信頼のある同僚たちには
厳しいけど優しいと言ってくれているものいます。
言葉を信じれば、うれしい限りです。ほんとに、嬉しいな(笑)

エロ本を売ってるからといっても、どの会社でも何も変わらない。
一緒に仕事をする他社の方も同じだということが分かります。

今だからということだけではないですが、嘘は簡単に見破られる時代です。SNSやネットに「正しい情報」を精査すればわかりやすく露見します。

まじめであること誠実であること、仕事する上で重要なことかなと思います。20年を過ぎ一番得たものは信頼かなと思います。

さて、まじめ腐ったことはここまでにしてこの20年で「エロ漫画」を売ってみて面白かった出来事や悩んだことを徒然と書いていこうかなと思います
笑い話がほとんどだと思いますので、小話程度に見ていただければ幸いです。

最初の小話(アルバイト編)

2006年私は京都にいました。
小さな書店でアルバイトとして入ったのですが、まぁ狭い。狭いお店の中に
土日はひしめきあうほどお客様がご来店いただけるそんな時期でした。

そこに成年コミックスが展開されていたのですが、棚数は5棚平台もありません。しかし飛ぶようにエロ漫画売れていた。
当時まだ司書房や桃園書房・英知出版・ビブロス・オークスなど
今の出版社の倍はあったと思います、あ。忘れてはいけない東京三世社

個人的にエロ漫画を嗜んでいた口なので宝の山だったことを今も思い出します。そんなエロ好きだったため2か月もすればエロ本担当でした。

ただ狭い店、アルバイトスタッフも少ないので全部のラインも対応しており
5月ごろ入っていたのが8月にはコミケもあり
当時ゲーム「ひぐらしのなく頃に」が終局を迎え、「祭囃し」の発売とフランスパンが同人開発した「ひぐらしデイブレイク」の同時発売だったため、店内での販売を実施すると、確実に事故が起きると思いビルの共有スペースを無断使用し露店販売を強行しました。あとでめちゃくちゃ怒られましたが(笑)本当にめちゃくちゃな時期だったなぁと今でも懐かしく思います。

で話は脱線したので主題に、エロ漫画に戻るのですがまず私が初めて出会ったエロ漫画を買う「外人」の話をしたいと思います。

彼の名前は「ジェームス」(仮)関西発祥の大手商社勤めのスウェーデン人でした。
彼との出会いは彼が購入していたアルター「リリカルなのはA's、なのは」のフィギュアについていた警報措置が誤作動で店内で発動してしまい、確認のため私がお声かけしたところから始まります

私「Excuse me, sir. The alarm system has been activated. Could you please check it?」
「大丈夫ですよ」

日本語しゃべるんかい!しかもアルターのなのはだったのですげぇ!って話をしたらジェームスもうれしかったのか世間話が始まりました。

「今年の冬にはフェイトもでるからいいよね」
「ちゃんとチェックしているよサイコーだよなのはは!
まーも好きなのかい?」
「大好きだね、戦う女の子とビームは正義さ」
「HAHAHA、ストーリーもシリアスで素晴らしいからね」

意気投合しました。当時なのはの同人誌も結構でていたのでジェームスは同人誌を物色しにいくとのことで、楽しんでくれと伝えるとサムズアップ。

レジ内で発注作業などしていると、ジェームスに声をかけられました。

「まー、ちょっとききたんだけど?」
「なんだいジェームス」
「おすすめのHENTAI漫画ってあるかい?」

おっとハードルたけーなおい。
「好きな漫画家はいる?」
「胃之上奇嘉郎が好きだね」
「キングゲイナー好きなん?」
「わかってるねー」

ジェームス、君どっからどう考えてもオタクよりオタクだね。

「ハードコアがすき?」
「(笑顔)」
「ちょっと変わってるけど、笑いありでおもしろいものあるよ、ジョン・K・ぺー太ってしってる?」
「しらないな」
「これ」

『ムチムチ!!悶絶フィーバー』を渡した。
「まーを信用するよ」
といって買って帰ってくれたジェームス。3日後やってきて

「まー、君はとんでもないもの教えてくれたね!こんなクレイジーなHENTAI初めてみたよ!とんでもない作品だった!」
興奮気味にやってきた彼の笑顔をみていると選んだ自分の目は間違いがなかったのだな。働いて3か月ぐらいでしたが最初の自信がつきました。

それからもジェームスは足しげく通ってくれたのでした。

わたしは半年後、大阪日本橋に転属となりジェームスとは何度かメールでやり取りをしていましたが、日本での赴任も終わり海外へ戻った後は連絡もなくなりました。

お客様を笑顔にすることができる仕事というのが初めて分かった瞬間でもあります。売る側の人間として今も忘れない記憶として残っています

今もふと思うことがあります。
「あいつ、自分の国にエロ漫画もって帰れたのかな・・・」

そんな20年近く前の一ページでした。

こんなことをつらつらと書いていこうと思います。お目汚しでなかければエロ漫画っていいものだと伝えていければ幸いです。

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