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卵巣腫瘍緊急開腹手術 退院一週間の記録

前回の↑こちらの記事の続きです。
この記事でチップを送ってくださった方が数名いらっしゃって、noteってこんな機能あったな!と思い出しました。
すごくうれしかったです。とっても励みになりました。
ありがとうございました。

今回は退院後の記録です。
後半にはいくつかトピックをまとめましたので、いつか誰かの参考になればいいなぁと思います。


術後7日目 退院2日目

まだ寝がえりは打てない。入院中のリズムが抜けず、早く起きてしまう。

ゆっくりなら歩けるため、昼すぎに会社に診断書を提出しに行く。
幸い会社は家から近く、歩けば10分、走れば5分で着く。とはいえ、ゆっくりしか歩けないし、信号が点滅していても走れない。やはり普段の2倍の時間がかかる。道の途中にあるお菓子屋さんに寄って会社に渡す用のお菓子を買う。

吹雪の中、会社に無事到着し、上司に診断書を渡し、その日出勤だった同僚に「もう少しお休みします。ご迷惑をおかけします。」と挨拶する。
みんなの顔見て元気がでた。

外出して思ったのだが、冬服が辛い!!
北海道の冬は、パンツやスカート1枚では歩けないから、タイツを履くのだが、そのタイツが傷口を締め付け、痛い
春夏ならもう少し気軽に外出できるのかもしれないが、冬は着るものが多く、着替えに時間がかかるし、転ばないように注意して歩かないといけない。嫌だなぁ。

あと次の診察日まで浴槽に入れない
それも冬はなおさら辛い!!熱めのシャワーを上半身にあてながら足湯をしているのだが、1日で蓄積される冷えが完全にとれることはない。
湯船に浸かりたいよ~。


術後8日目 退院3日目

なかなか入院中のリズムが抜けず、早く目覚めてしまう。
早く起きること自体はいいことなのだろうけど、私はやっぱり夜型で、起きていても何もできない。

この日は私、我慢できずに美容室を予約してしまっていた
年始にカットを予約していたのだが行けず、どうしても行きたかった(良い子はマネしないで下さい。結構無謀です!)。
外出のための準備にやたらと時間がかかる。1時間ぐらい着替えしていた気がする(笑)

まだノロノロペースでしか歩けず、体力も落ちているのでタクシーで美容室まで向かう。
早く着きすぎたので、美容室の近くの文房具屋さんでカレンダーとシールを見る。
ここからが私の無謀ポイント!「もっと可愛いのあるかも?」と思ってもう一軒の文房具屋さんに行ってしまった!
そして結局好みのものがなく戻ってきて最初の文房具屋さんでカレンダーとシールを購入(笑)無駄な歩き!
人込みで疲れたのか喉が渇いていたが、コンビニまでこの速度で歩いていくと予約の時間に間に合わず、飲み物を諦め美容室へ。

美容師さんに事情を話し、施術スタート。最初にシャンプートリートメントをしてもらったのだが、途中で「具合が悪くなったらどうしよう!!」という予期不安に襲われ、パニック発作の前兆の症状が出る。
深呼吸しやりすごし、シャンプー台から降りた後に「申し訳ないのですがお水を…」と言い、冷たい水を貰う。少し落ち着く。そこからは深呼吸しながら発作を悟られないようにカットへ。なんとか終わった!!

帰りに「少し会えたら会おう」と言ってくれていた人がいたので、普段は10分の距離を20分かけて歩く。その人と会って一時間ほどカフェで話す。

帰宅し、一気に疲れが出る。
右卵巣の腫瘍をとったはずなのだが左下腹部がちくちくと痛む。最後の診察で左が腫れていると言われたことが気にかかり、気持ち的にも具合が悪くなる。また、背中と左胸のあたりに強い圧迫感をおぼえる。息苦しい。今日は頑張りすぎたなと反省し眠りにつく。


術後9日目 退院4日目

あまり具合が良くない。
昨日の左下腹部の痛みと背中と左胸の痛みが続いている。この日は夕方頃妹が来てくれた。待ちきれずに少しだけ外に出て迎えに行った。妹と一緒にいくつかのコンテンツを観て、母と妹と三人でご飯を食べた。

左下腹部の痛みと背中と左胸の痛みが気になるので、明日病院に電話しようと決め、眠りにつく。


術後10日目 退院5日目

朝、会社から電話がくる。勤怠のことを相談。改めて来月お給料ゼロなの厳しいな…と鬱になる。

昼過ぎに病院へ電話。左下腹部の痛みと背中と左胸の痛みについて聞いてみたが、「もう少し様子を見てください」と言われる。
今日はその症状は出ていないので、仕方ないかと納得し、電話を切る。

そして、この日は大学で講義をしなければならない日だった。
さすがにパソコンを背負って地下鉄は怖いなと思いタクシーで大学まで向かう。2000円もかかる。もったいない。
同僚の先生方と雑談するが手術のことは話さないでおいた。なにも指摘されないということは見た目は普通なのだろう。
授業は学生に事情を説明し、座って行う。喋り始めるといつもの調子が出てくる。少し早めに授業を切り上げた。数名の学生が授業後に心配してくれてほっこり。

はい、ここでまたお調子者の私、「元気出てきた!地下鉄で帰れるんじゃね!?」となる。
しかし電車内で立ちっぱなしはさすがに怖いなぁと、数日前家族で話題に出た「ヘルプマーク」を地下鉄事務室に貰いに行く。

「ヘルプマークください」と言うと「はーい」と事情を話さずとも貰えた。その場でリュックに装着し、地下鉄に乗った。
これならパニック発作が出ても少し安心だし、予期不安防止にもなる。優先席にちょこんと座った。

夜は仕事関係で次年度のために書かねばならない書類を書いて、少しだけ塗り絵をした。


術後11日目 退院6日目

だんだん入院生活のリズムが抜け、遅めに起きるようになる。まとまって6時間以上眠れているし、通常の私のリズムに戻ってきた。
気づけば、点滴のせいで内出血だらけだった腕も、普通に戻っている。

この日も大学で講義をしなければならなかった。手術の日に休講にした授業の補講だ。大教室での授業なので、昨日よりは少し負荷がかかるが、いけそうな気がしていた。

書類をポストに出しに行き、今日は歩ける気がすると思い、地下鉄で大学へ向かう。突然の休講補講を詫び、事情を話し、座って授業をした。
結構緊張したし予期不安も出たが、きちんと終わった。帰りも地下鉄で帰った。一瞬デパートに寄り、友人に渡す手土産を買って帰宅。

あとこの日はオンラインのヨガクラスを受けてみた。できないポーズはパスし、座りポーズをメインでやったが、思いのほか動けた。


術後12日目 退院7日目

この日は昼過ぎに友人と会う予定を入れていた。
私が参加しているプロジェクトに協力してもらっている大切な友人で、原稿チェックをしてもらわなくてはならず、誰よりも優先度が高かった。
楽しみな気持ちと緊張が半々くらい。歩いて待ち合わせのカフェまで向かう
お茶をしながら原稿を見てもらった。3時間くらい一緒に過ごしたが、すごく楽しかったし、元気を貰った。ありがとう…。
歩いて帰宅し、夕食をとる。

退院してから毎日、愛犬とマンションの廊下を少し歩いていたのだが、この日は私も小走りできるようになっていた
もう寝返りも打てるし、腹筋を使って起き上がることもできる
姿勢も普通だ
お腹をがっつり6センチ以上切ってるのにすごいよね、人間の回復力って。

夜は、チェックしてもらった原稿の直し完成させ、提出した。
オンラインのヨガクラスも昨日同様に受けてみた。縦に身体を伸ばすポーズは傷口がピンっと張って痛むが、屈むポーズや横に伸ばすポーズは余裕でできた。

少し元気になってくると、仕事や予定をバンバン入れてしまう私。また、やらねばならぬことをリストアップし焦り始めている。
いやぁ、「休む」って何!?無理じゃない!?難しいよ!



諸々記録

退院後の生活で特筆すべきことを以下にまとめました。いつかどなたかの参考になればうれしいです。


・日常生活は?

退院初日は前回の記事に書いた通り、母と少し外を歩いた程度。
荷解きは難なくクリア。次の日からは推奨できませんが、私はもう一人で外出していました。もう一度言いますが、おすすめはしません!

また退院2日目から、私は家の中を動き回り部屋の掃除、洗濯、お皿洗いをしていました。
朝ごはんの準備は自分でしていました。お昼と夜は母に甘えました。
家の中でも母に「動きすぎ!」と怒られていまし、調子に乗るとぐったりするので、動きすぎはNGだと思います。私は基本的に動きすぎです。

近くのコンビニなどでの買い物もできますが、時間配分には気を付けたほうがよいです。普段の所要時間×2倍で想定して動いてちょうどいいと思います。


・仕事は?

私は立ち仕事(書店員)と大学非常勤講師をしていますが、立ち仕事の方は次回の診察日(手術から約一か月後)まで休むことになりました。
書店は、レジ内で数時間立ちっぱなしですし重いものを持つので、早期復帰は諦めました。

大学非常勤講師は、もう何が何でも私がやらないと学生に単位をあげられないので、先述の通り、退院した週から出勤しました。
私は気合で乗り切るパワー系なので何とかなってしまいましたが、これもあまり推奨はできません。この仕事の人は稀だと思うので参考にならないと思いますが…。

座り仕事、立ち仕事、なんにせよ退院した週は休んだ良いと思います。


・運動

なるべく歩いたほうが良いというのを様々な体験談で目にしていたので、「歩こう」と意識はしていました。
しかし、これも塩梅が難しい。退院3日目、美容室に行った日はスマホの記録によると6000歩歩いたことになっていましたが、多分この日は歩きすぎでした。
家の中でスマホを持って歩いているわけではないので、家の中をちょろちょろ動いている歩数はカウントされていないし、もっと歩いていたのかも。

スマホのカウントで3000~5000歩目安でよいのではと思います。
私のように雪国の冬の場合は気軽にお散歩もできませんし、室内を家事しながら歩くとか十分だと思います。
私は愛犬とマンションの廊下を数周歩いていました。

あとお腹を庇うので、背中や肩が凝る感じがあります。
元々ヨガをしていたので、上半身のストレッチや脚のマッサージは気が向いたらやるようにしています。


・食べ物

入院中に低血圧と言われ続け、血液検査ではやや貧血だったので、鉄分のサプリメントを飲みました。
ビタミンCと一緒に摂るとよいらしいので合わせて気が向いたときに。

ご飯は基本的に好きなものを食べています
朝はパンとコーヒーが私の定番なので変えていません。紅茶や緑茶などのカフェインも普通に摂っています。

退院後やや便秘ぎみか?と感じているのですが、水分不足かもしれません。入院中は常に目の前にペットボトルの水を置いていたから頻繁に飲んでいましたが、家にいると意外と飲まないのかも。
少し意識してみようと思います。

あと、お腹が膨れるとやはり傷が痛いです(笑)
食べ過ぎは今のところないですが、膨れ具合はなんとなく気にかけつつ食べたり出したり(笑)しています。

お酒は退院後はまだ飲んでいません。禁止されてはいないので飲めるとは思うのですが、どうなるんだろう~?


・メンタル

病は気から」とはよく言ったものです。
「気」、大事です。もうね、ひとりで悶々としていると痛みが気になるわけです。
自分はちゃんと復帰できるのか、こんなんでいいのかと焦ってくる。非常に良くないですね。

私は人と会って話したり、仕事をするのが気晴らしになるタイプなので、元気が出てきたら仕事にとりかかったり、人と少しだけ会う予定を入れたりしています。
これは人それぞれですね。

あと病気だということを知ると、妙なアドバイスをしてくる人や説教っぽく話してくる人などもいるかもしれませんが、それはもう無視でいいです。
人が死ぬ可能性ゼロじゃない手術したあとに、不安になることを言ってくる人、苦しみに寄り添えない人に対応するストレス、めちゃくちゃ良くないと思います。

これは私の場合ですが、「○○しなきゃ」と思うことが発作につながるタイプなんですね。
強迫性が強いので、「○○しなきゃ」にがんじがらめになってしまうんです。例えば、「朝は早く起きてしっかり身支度しなきゃ」とか、休んでいるからこそ「○○しなきゃ」が強くなる。私はこれを今できるだけなくしたいなと思っています。

遅く起きても、身支度が遅くても、仕事に取り掛かるのが遅くても、いい。なにか安心感が生まれてきたら身体は自然と動いてくる
思考で動くのではなくて、少し身体を待つ練習をしています。


とりあえずこんなところです。
今日は夜、お外でご飯を食べてみようと思います。
もう少し進めたい仕事はあるけれど、頑張りすぎずやろう。


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moeka
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