
【GL小説】もう一度最初からあなたを知りたい 前編
久しぶりの創作です!
「こんなカワイイ子とえっちしたらどうなっちゃうんだろう?」
とあるドラマのセリフです。
こんなにも萌えるセリフ今まで聞いたことありますかー??!!!
なので、妄想を膨らませて創作してみました♪
ちょっとほろ苦キュートでスイートな大人GLです。
第一章
まなみとミクは会社の先輩と後輩で
家が近いこともあって
すぐに仲良くなり
よく仕事終わりには一緒に帰っていた。
日暮れが早くなった11月。
この日は
珍しくミクが仕事でミスをして
まなみがなんとか対処して残業となり
すっかり遅くなったので
落ち込んだミクと一緒に夕食をとっていた。
夜は少し風が強くて
平日のこの時間は
お店もほとんど人が居なかった。
落ち込んでがっくりと肩を落とした
ミクを見ながらまなみは言った
まなみ 「ミクちゃん、大丈夫だよー!
みんなも大丈夫って言ってたでしょ?
入社してまだ一年だもん。初心者マークなんだから!
失敗とかミスしても普通だし、仕方ないって!
ねー、あんまり落ち込まないでー!」
そして
グラスをミクに向けて
ほら飲んでっと小さな声でいった。
顔を上げたミクは
泣き明かし赤くなった目で
まなみを見ながら
涙声で言った。
ミク 「はい・・・。
でも、みんなに迷惑かけてしまって。
ほんとなら明日のプレゼンで間に合ったのに
一週間も先に予定変更させてしまって!
ミスとかのレベルじゃないです!
ほんとごめんなさい・・・。」
まなみはミクに顔を近づけて
励ますように大きな声を出して言った。
まなみ 「明日でも、一週間先でも、
結局は先方のOKないとだめだから!
大丈夫、大丈夫!」
その言葉を聞いて
ミクはまたうつむきこういった。
ミク 「ミスで予定変更したのが
悪い結果にならないといいけど。
あー、考えただけでもおなか痛くなってきたー。」
まなみはミクから視線を外し
壁のお品書きを見ながらこういった。
まなみ 「でもね、
今回のプレゼン作り直したら内容がまとまってて
すごくいい観点で説明できそうな気がしてきたよ!
ミクちゃんのおかげでうまくいくかもよ♪」
ミクははっとした顔をして
まなみをみて言った。
ミク 「えー?ほんとですかー??
まなみさんってほんと優しいですよねー!」
まなみは
氷の入ったタオルを
優しくミクの目に押しあてた。
まなみ 「こんなに泣いてたら目がはれちゃうよ。」
ミクは
まなみのくれた
タオルを目に当てなおした。
まなみの優しさが
うれしいのと
恥ずかしいのとで
顔が赤くなった。
顔が赤くなったことを
知られたくなくて
そのままうつむいてこういった。
ミク 「まなみさんはこの会社入って
大きなミスとか失敗とかしたことありますか?」
まなみ 「この会社じゃないけど
前の会社ではあったよー。
でも、それがあったおかげで仕事のこと覚えて
すごいできるようになったかな。」
あのね
と言葉を放ち
溜息をつき
まなみは
ミクのことを見た。
まなみ 「ミクちゃん、こんな大きなミス
今までしなかったのに今回はどうしたの?」
ミクは一瞬
体をこわばらせた。
心臓がバクバクして
言葉が出ない。
絞り出すように
小さな声で言った。
ミク 「どうしてって、どうしてだろう・・・・。」
まなみは急に不安になり
真面目な顔で
ミクを見ながらいった。
まなみ 「あのね、ミクちゃん。
ミクちゃんに何かあったとしても
私は見方だよ!
ほんとは具合悪いんじゃない?」
ミクはえ?っといって
まなみの顔を見た。
まなみ 「あ!やっぱり!
さっきもおなか痛いとか言ってたし
ぜんぜん飲まないし
ミスするくらい具合悪いのに
無理して仕事してたんだって思ってたの。」
まなみはミクの手をとって
握りしめた。
まなみ 「会社で何かあっても
私は見方だし
私にはほんとのこと言ってもいいんだよ!」
真剣な顔で見つめるまなみのことを
ミクは改めてこの人のことが大好きだと思った。
こんなにもまっすぐできれいな人が
近くにいるなんて・・・。
第二章
特に人の出入りが多くて
まなみとミクの部署は
常に求人を出していた。
まなみもここに入る前は
何社か転々としている。
ミクは業種違いで
転職を希望してこの会社に来た。
あれは
1年前
残暑が厳しい9月。
まなみと
会社で初めて会ったとき
5つも違うなんて思えないほど
かわいらしくて
笑顔が素敵な人だなと思っていた。
全部、仕事を丁寧に一から教えてくれて
しっかりしてて優しくて
誰からも信頼され仕事もできる先輩。
ミクは人見知りなのだが
まなみとはすぐに仲良くなれた。
仲良くなれると
近くにいることが心地よくて
仕事でも
ずっとまなみのことを目で追ってしまう。
時が流れ
仕事に慣れ始めた日々。
少しだけ
秋らしいからりとした空気が心地よい
10月の終わり。
この日は珍しく
出張で帰りが遅くなったまなみが
ミクを呼び出し
会社帰りに待ち合わせして
ご飯を食べに行ったことがあった。
小さなダイニングバーで
金曜ということもあって
端のカウンターしか空いておらず
珍しく二人で隣の席に座った。
いつになく
饒舌になったまなみは
仕事で疲れてか
ほろ酔いになり
ミクにもたれかかった時。
まなみはミクこういった。
「ねえ・・・よかったらうちに来ない?」
この言葉を聞いて
ミクは心臓がドキドキした。
初めての感覚。
女の子に対して
こんな気持ちになるなんて・・・。
ミクはぎこちなく
まなみに言った。
「え、はい。もちろん」
ミクはさらに顔が赤くなって
自分はおかしくなったと感じていた。
まなみは
ミクの顔を見た。
「ミクちゃんってかわいいね」
さらにミクは耳まで赤くなって
それを見たまなみは
くすくす笑っていった。
「やっぱりミクちゃんってかわいいよね」
肩を震わせながら
まなみは爆笑していた。
ミクはからかわれたことを知って
恥ずかしくなってうつむいて言った。
「そろそろ帰らないと明日、朝起きれないですよ!」
まなみは
姿勢を正し
溜息をつき
そうだねと言った。
「じゃー、帰ろうかなー。」
少し後悔の酔いを残して
「じゃあねー、バイバイ」といいながら
2人はそれぞれ違う逆の方向へ歩き出した。
第三章
少しの後悔どころじゃなかった。
本当は
家に来てほしかった。
もっと
近くに
ずっとそばで
一緒に過ごしたかった。
でも
やっぱり
好きな気持ちを悟られたくなくて
もう少しの勇気も
大胆な告白もできないままで・・・。
ミクの真面目なところや
正直なところも好きだ。
爽やかな目もとや
凛とした声も
全部好きだ。
近くにいるほどに
好きな気持ちがあふれていた。
初めて会ったとき
かわいくて
魅力的な子だなと思った。
仕事に対する姿勢や
考え方が似ていて
一緒にいて楽だった。
気づいたら
もっと一緒にいたいと思い始めていた。
そして
ずっとミクのことを
一日中考えていた。
もっと
近づきたい・・・。
気持ちに蓋をしたままでは
いられなくなっていた。
どうしたら・・・・。
出張の帰り
思わずミクを呼び出して
気づいたら肩にもたれかかっていて・・・
少しの後悔どころじゃなかった。
もう少しの勇気も
大胆な告白もできないまま
この気持ちには
終着点がないんだ。
そう心に決めて
まなみはまた心の蓋をそっと閉めた。
第四章
ミクはとっさに手を引いて
まなみに言った。
ミク 「・・・具合悪いとかじゃないです。」
まなみは
ミクのそぶりをみて
少し困った表情をして
こう言った。
まなみ 「え、じゃあ、どうしたの・・・?」
ミクはまなみのことを直視できなかった。
まなみの長いまつげや
潤んだ瞳や
艶のある唇が近くにあるだけで
心がここに居ない。
こんな風に
女の子のことを思う自分が
おかしんじゃないかと思うと
いてもたってもいられない。
ずっと
どこにいても
心は
まなみのことを感じてしまう。
ミクはまなみへ向かい
解き放つように
震える声でこう言った。
ミク 「まなみさんは平気なんですよね・・・・?」
まなみは大きな目をさらに見開いて
ミクをじっと見つめた。
長い沈黙を置き
少し困ったように
まなみは長いため息をつき
そして
絞り出すように
ミクに言った。
まなみ 「最初からずっと平気じゃないよ」
ミクはまなみの言葉を聞き
顔を上げ
目を輝かせまなみのことを見た。
まなみは目を潤ませ
ミクのことを見つめた。
グラスの氷がカチンとなった。