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私と妄想とへし切長谷部

へし切長谷部

へし切長谷部(へしきりはせべ、圧切長谷部、ヘシ切り長谷部とも)は、南北朝時代に製作された刀。「刀 金象嵌銘長谷部国重本阿花押 黒田筑前守(名物へし切)」の名称で、日本の国宝に指定されている。安土桃山時代から昭和時代中期まで福岡藩主黒田家に家宝として伝来したが、現在は福岡市の所有となっている(福岡市博物館にて保管)。

出会い

出会いは大学時代。艦これの女性向け版的ポジションとしてリリースされた刀剣乱舞で出会った。お兄ちゃんキャラが大好きな私にとって彼はドンピシャだった。主に尽くすタイプの長谷部の忠誠心や面倒見の良さ、出陣時に見せるワイルドな姿はたまらない。

実は私は最近約3年ぶりに本丸に帰ったダメ審神者だ。近侍にしていたのは長谷部。しかも彼だけずっと軽症のまま。なのに彼は忠誠心と暖かい感情を持って私を迎えてくれたのだ。

おかえりなさいませ!この長谷部、主の帰還をお待ちしておりました!不在の間について、ご質問はございますか?なんなりと。

私とへし切長谷部

私は26歳の審神者、じゃなくてダメ審神者。現実世界で体調を崩したり、就職したことでキャパオーバーになりすっかり本丸を放置してしまった。今日は約三年ぶりに帰る日だ。果たして男士達は迎え入れてくれるだろうか。唇をきゅっと結んで本丸への門をくぐる。

主が帰還しなくなり、悲しみにくれる本丸もあると聞くが我々の本丸はそうではなかった。始めこそ何日か主の部屋で待機していたものの、主が現代の世界で本当の居場所を見つけたのではないかと考えて他の刀達と楽しく過ごしていた。主が最後に設定した季節は春。穏やかな気候の中、毎日花見や夜桜、新緑を楽しんでいた。出陣することもなく気が緩んでいるためか、本丸が散らかってきた気もする。今までは主に仕え、戦果をあげることを生きがいとしてきたが、こんな生活も悪くない。

それでも、時々主といた生活が愛おしい。

そんなことを考えていた矢先、あの音が聞こえる。本丸が一瞬、しんとする。三年ぶりだ。主の部屋から帰還を知らせる音がする。

「今の、帰還の音?」

「そうじゃないかな。」

本丸中に散らばった彼らの声が聞こえてくる。

「やばい!部屋かたして!」

「今日に限ってスッピンなんだけど!」

「なんで二日酔いの日に来るかなー!」

「うれしくてかっこよくしていられないな。」

慌てる彼らを横目に一直線に主の部屋へと向かう。不在の間、どうお過ごしだっただろうか。前に転んでつけたあの傷は治っているだろうか。

私のことを覚えているだろうか。

そう考えているうちに、現代と繋がる門から人影が現れる。

「おかえりなさいませ!この長谷部、主の帰還をお待ちしておりました!不在の間について、ご質問はございますか?なんなりと。」


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