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私と妄想と豊川悦司

豊川悦司

豊川 悦司(とよかわ えつし、1962年3月18日 - )は、日本の俳優。所属事務所はアルファエージェンシー。身長186cm、体重80kg。愛称は「トヨエツ」。大阪府八尾市出身。八尾市立志紀中学校、大阪府立清水谷高等学校卒業、関西学院大学文学部中退。(Wikipediaより

出会い

きっと以前から他のドラマか何かで見かけてはいたんだろうけど、本格的な出会いは大学時代。もともと高校時代に読んでいた漫画『娚の一生』の実写化キャストだったのだ。煙草を吸う彼のビジュアルが完璧で、「海江田先生いたんじゃ〜ん」とニヤニヤが止まらなかった。初めてのぼっち映画となったのだが観客の9割が女性、特に40代〜が多かったのをよく覚えている。劇中には主人公(榮倉奈々)の足の指を舐めるシーンがある。漫画では「ぺろっ」くらいだと思っていたのに映画では「ぴちゃ、くちゅ・・・」とかなりえろい舐め方をしていてびっくりした。なんだこれ!!えっろ!!劇場内もかなり湧き立っていた。

その3年後、職場の方に「「愛していると言ってくれ」を見なさい」とのお言葉をいただき私は若エツにも夢中になることになる。ありがとうアマプラ、職場の方。私は背が低いから彼にりんごを取ってもらえるに違いない。

さらに数年後、彼は「のみとり侍」でかなり大胆でえろい役を演じ、再び私を興奮させるのだった。

私と豊川悦司

私の妄想では自然と私の年齢が高校2年生に設定されることが多い。この妄想でもそうだ。

豊川悦司は私の叔父である。彼は大学の哲学の教授で、業界でもそこそこ有名な人物らしい。彼は読書が好きで時々読み終わった本を譲ってくれる。当時は気づかなかったが難易度を選んで譲ってくれていたようで、今では専門的な話もある程度わかる。

彼の家は私の家から歩いて30分ほど。たまに気分転換の散歩も兼ねてうちにやってくる。私の両親は仕事柄海外出張が多く、この家には基本私しか住んでいない。先祖代々受け継がれてきた日本家屋は私にとって最高の城だ。

この前は休みの日にふらりとやってきて、リビングで漫画を読んでいた私に「まーた漫画か。」と呟いた。が、隣に座って一緒にゴールデンカムイを読み始めた。あんたも読むんかーい。それから2時間彼はほぼ無言だったが途中、「ほお。」「死なんなあ。」「ウコチャヌプコロ・・・。」などと呟いていた。今度全巻セットで貸そうかな。

漫画の内容が一区切りついたのか彼はいきなり「じゃ、帰るわ。」と言って立ち上がる。そして彼はいつものようにズボンのポケットに手を伸ばす。「ほれ。」私にお小遣いをくれるのだ。ポケットに直接入った1万円札。

「ありがと。」

「うまいもん食べて、余った分で本を買いなさい。」

「わかってる。」

「じゃ。」

彼の大きな手が、30cm以上低い私の頭を撫でる。

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