⑬ねえ。この子聴こえてる?
はじめに
この日記は聴覚障害と発達障害を併せ持つ息子の超・・・濃かった子育て振り返り日記です。
すべてがかけがえのない経験に変わり、本当に多くを学びました。
あたふた育児
とかく最初の子はどう育ててよいかわからない。
毎晩息子の体重を計測して「増えた」とか
「おかしい。あれだけおっぱい飲んでるのに減ってる」とかグラム単位で一喜一憂していた。
我が子ながらにまるで宇宙人のようだ。
私がなにかそれこそ細かく細かく配慮しないと目の前の我が子がどうにかなってしまうんじゃないかとさえ思った。
新生児の育児は最低限の生理的要求さえ満たしてあげればいいんだ。と思えるようになったのは二人目からである。
息子は本当によく寝る子だった。
こっちも産後で疲れているのでそれをいいことにそのままずっと寝かせておいた。
「3時間おき位におっぱいをあげましょう。」と言われているところを8時間以上寝てくれて、起きた時おっぱいを与えたりしていた。
産科の小児科の先生に「起こしておっぱいあげなあかんがなーー。」と笑われた。
神経質に育てているようで肝心なところが抜けていたような子育て。
そんな子育てでもすでに成人した今があるのだからなんとでもなるものだ。
(赤ちゃんの)耳が聴こえているか否か
息子の片方の耳は先天的に閉鎖していた。でももう片方の耳は開いていた。
開いている方の耳は聴こえてると思い込んでいたので普通に話しかけていた。
呼びかけなどに反応するのは聞こえる子でもまだ先の事なのかなあ
とのんきに思っていた。
一人目なのでその辺よくわかっていない。
この時期の赤ちゃんが通常どういう反応をするか?
というのは本で調べてはみたものの、最初の子供なのでいまいちよくわからなかった。
里帰り出産で実家にいた頃、何か大きな音をたてた時の息子の反応がまるでないということに母が気付いた。
生後1~2週間の赤ちゃんのそばで大きな音を立てた時、モロー反射と言って、両手を同時にびくっとさせる動作をするという話だった。
母が息子の寝てるそばでわざと豪快にふすまを開け閉めをした。
「ねえ。。。この子やっぱりおかしいんちゃう?」
何の反応もなくスースー寝ていた。
「全然反応ないやん。ほら。」
息子の身体に直接触れた時には、モロー反射があった。
その後は心配に浸る間もなく赤ちゃんとしての日々の世話に追われて行くのだが、
「果たしてこの子の耳は聴こえてるのだろうか?」という不安は常につきまとう。
「たまたまだよなあ。。きっと気のせいだよなあ。。」
「開いている方の耳から聞こえる音はちょっと小さいんじゃないかな。でも聴こえてるよなあきっと。」
そう思っていた。というかそう思うことにしていた。
今時はABR(聴覚スクリーニングテストというそうで、音の刺激を与えて脳波を測定する)の検査を新生児の段階で勧められるようだが
当時は今ほど早い段階での検査を勧められるような感じではなかった。
もっとも新生児の段階で検査に難聴の疑いがあります。といわれても成長していくうち、疑いが晴れることもあると聞く。
でも今になって思うのは、聴こえる子か聴こえない子か。
がわかるのは早ければ早いほどいいということだ。
前回の話は里帰り出産から戻ってきて、結婚生活が始まった時の話です。↓