⑦身重・無理した結婚式
安定期に入った10月頃に結婚式が決まった。
場所は彼のお父さんのお墓がある神奈川のお寺で仏式の式を挙げましょうという話になった。
彼のお父さんは彼が高校3年生の時に病気で亡くなっていた。
彼は4人兄弟の長男で、義母は女手ひとつで4人を大学まで行かせたのだった。
式の段取りなどは私が身重なのを気遣って義母がかなりがんばってくれた。
とはいえど、
都内のマンションから何度も神奈川の式場に足を運び、
ドレス選びも式場のドレスではデザインが気に入らず
明治神宮の明治記念館までレンタルしに行ったりなどしていたので体にはかなり負担を強いていた。
結婚式当日。
青空が澄みきった素晴らしいお天気の日だった。
当時体育の日は10月10日だった。
この日は毎年いいお天気となるようだ。
お寺の境内でオルガン演奏が響き渡る中、数珠交換を交わした。
関西からも親戚がたくさん来てくれ小さいながらも手作り感のある素晴らしい結婚式となった。
最初は心の整理のつかなかった両親もあたたかく祝福してくれた。
様々な結婚式の準備、当日の式と披露宴のために早朝からバタバタすることになり、安定期とはいえ夕方はこれまでになくお腹が張りまくってあまりそういうことを言える雰囲気じゃなかったけど、実はとても苦しかった。
でも初めての妊娠なので妊娠ってこんなものかなと思っていた。
一般的にも妊娠中は「お腹の張り」を大なり小なり経験するらしいが思い起こせば私の場合半端ではなかった。
ちょっとでも疲れるとお腹がすぐに石のように固くなってしまい、落ち着くまでその場にうずくまってしまっていた。
妊婦が一見、元気そうに見えても、そういった小さなサインというのは要注意サインだと今になって思う。
ことに「初めての妊娠」はわからないことだらけなので小さなサインも見逃すべきでない。
その後義母の友人が彼の実家の斜め前の家を貸してくださることが決まり、
これまで住んでいた都内のワンルームマンションから引っ越すこととなった。
引っ越し
これもまた身重には結構きついイベントであった。
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