レコード棚を総浚い #51:『Bryan Adams / Reckless』
1984年のブライアン・アダムス大ヒットアルバム『レックレス』
名曲揃いの本作の中でも代表曲の一つ『ラン・トゥ・ユー』は、80年代ロックの音を纏っている。もともとブルー・オイスター・カルトの『死神』にインスパイアされて、彼らに歌ってもらうために書かれた楽曲だそうで、ブライアン・アダムスの作家的一面が興味深い。
ティナ・ターナーとのデュエット曲『イッツ・オンリー・ラブ』もこの時代を象徴する一曲と言えるだろう。
そしてその「時代の音」を作り出したボブ・クリアマウンテンに触れないわけには行かないだろう。
特にドラムスのミックスには個性が出るものだが、本盤でのストレートでパワフルだが立体的な音はやはり見事。
甲斐バンドがニューヨークに拠点を移して録音をしていた時期があるが、ボブ・クリアマウンテンに録ってもらうことが目的であったという。
最初の録音『観覧車』のプレイバックを聴いた時、ドラムスの松藤英男は、俺のドラムがロキシー・ミュージックになった!と驚きの声を上げたそうだ。
『レックレス』に話を戻すが、ボブ・クリアマウンテンは、ドラムスの音も変えたが、ドラマーも紹介している。ホール&オーツの『プライベート・アイズ』の録音及び、ツアーに帯同していたミッキー・カーリーをブライアン・アダムスに紹介したのがボブ・クリアマウンテンなんだそうだ。