哀悼:坂本龍一
昨夜知人からのLINEで坂本龍一の訃報を知った。
朝、真っ先に思い出したのはこの『ZERO LANDMINE』だった。
紛争地域に残された地雷を誤って踏み、大怪我をする人は今でも多いと聞く。今もウクライナでは地雷が埋設され続けて、人類の学べなさを証明し続けているのだろう。
2001年、地雷撤去のチャリティのために坂本龍一が主導したプロジェクト『NO MORE LAMDMINE』には、数多くのアーティストが参加して、このCD『ZERO LANDMINE』は作られた。
作詞は坂本の盟友デヴィッド・シルビアン。村上龍による日本語訳詞もブックレットに収録されている。
この曲がリリースされて、18分もある長大な楽曲がオリコン1位を獲得した頃、坂本龍一の音楽を聴くようなタイプではない知人が酒席で、興奮した様子で『ZERO LANDMINE』についての話を始めた。
そしてその話の締めくくりに、真剣さを眼差しに湛えて、「もう(慣用句的に使われる)『地雷を踏む』という言い方は二度としない」と彼女は言った。
音楽が「届く」瞬間を僕は目の当たりにして、そのことに感動した。
翌日僕もこの『ZERO LANDMINE』を買って、その日から何気なく聴いていた坂本龍一の音楽が僕の心にも届くようになった。
音楽の感動を教えてくれてありがとう、教授。
どうか安らかにお休みください。
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