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危ないからやめなさいって言われてもやめないのよね。呪いか、これは。

左目には多焦点眼内レンズを入れたので視力は1.2くらいになり、右目の視力は0.1未満。コンタクトをまた右目にだけ入れるという手もあるのだが、右目がいつどうなるかは神のみぞ知るとなれば、もうコンタクトも恐い。近所の眼鏡屋で急ごしらえした眼鏡でどうにか仕事はしたけれど、どう見たらいいのか『脳が慣れない』感じだった。

左目の視力が安定するのを待って心に決めていたお店へ眼鏡を作りに行く。そこで担当してくれたのがYさんで、それからずっと専門知識を総動員した色々な眼鏡を作ってもらうことになる。

ライブハウスのドア越しに必死で音を聴いていたわたしは、いろんなことが嫌になって結局またホールに入るようになった。照明による目のダメージがどの程度でいつまたどうなるのか医者にもわからない。サングラスは気休めでしかないので今もライブ中は目を開けていない。そうやってわたしはまたいろんなバンドを好きになり、またなにがなんでも写真を撮ろうとし始めた。

「左目でファインダーを覗けるようになりますかね?」「難しいでしょうねえ…利き目じゃないですからね」手術前にそう言われた通り、簡単にはいかなかった。Yさんに相談して、特注で限界まで濃く染めたレンズのサングラスを作ってもらい、右目を眼帯で塞いだ上にサングラスをして左目で無理矢理ファインダーを覗いた。なんでそうまでしてまたライブを撮ろうとしたのか、それに答えるうまい言葉はまだ見つからない。

そうやって目の寿命を削るようにして撮り続けているうちにいつの間にかなんとなく左目でファインダーを覗けるようになり、黄斑変性症という病名もそこそこメジャーになったようだけれども決定的な治療法はまだないらしい。

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