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なまえのないばしょ

池袋のグレイスカフェで一日限定の写真展を不定期に開催します。

入場無料。展示作品持ち帰り自由。

好きな席でブックやプリントを見て、持って帰りたいくらいに気に入るものがあればどうぞご自由に。飲み物や食べ物が欲しくなったらカウンターでご注文ください(有料)。「ひとりワンオーダー必須」みたいなカフェギャラリー的な縛りはありませんので、写真を見るだけでもいいし、珈琲だけ飲んで写真見なくても、それはそれでオッケーです。でも、どっちも楽しんで頂けるように我々は全力で準備致しますですよ。

最悪わたしひとりでもメニューが珈琲だけでもやるつもりで場所やらなんやら色々探りつつ、珈琲を淹れる練習をしているうちに3年経ってしまいましたが、カフェ係が見つかったので軽食も出せることになりました。

新作を足しながら、不定期ながらもそこそこ定期的にやっていく予定。だから毎回来れなくても大丈夫ですし、毎回来てくれても大丈夫。

 

 

 

   

最初は、写真を売っていた。物販(グッズ)もあった。
「売約済」で最終日まで展示をして会期後発送。ギャラリーには 使用料+売上の何割かのマージン を支払う。それは、いちばん一般的な貸しギャラリーの規約と展示方法である。わたしも「最初はまともだった」のだ。

『減る展示』がしたいとはっきりギャラリーに言ったのは2007年12月のHIGURE gallery。会期中に作品を増やす作家はいたけれど、減るのはなかった。簡単に言うと即売会方式で、売れたらお持ち帰りしてもらう。とはいえ、当時もそんなに売れてはいなかったので、実際は全然減らなかった。

2009年9月 gallery conceal での個展が迫った頃、突然の網膜剥離にみまわれる。退院数日後には搬入してそのまま個展初日というスケジュールをなんとか完遂し、そのまま活動停止。色々考えた末に2012年1月に再びそこで個展が決まり、そこでわたしは『もう写真を売るのはやめたい』とギャラリー側に話をし、翌2013年3月の個展から「展示作品持ち帰り自由」の文字をフライヤーに入れている。

もし、最終的に、写真が壁に一枚だけになっても、その「空間」は成立する。そう思った。

その「展示作品持ち帰り自由」と明記した最初の個展に添えた文章は、この時にギャラリーに説明したこととほぼ同じだ。使用料以外には1円も入ってこないのだからギャラリーとしてはたまったものではないのだが、当時の店長さんは理解してくれて、それ以降も貸して貰った。

わたしはただ自分が「かっこいい」と思うものだけを撮るし なにをかっこいいと思うかは自分で決めたい そして それを見てきみがどう思うかはきみが決めたらいい
 
言葉で伝えるのはとても難しい
勇気もいるし
たとえばそれを「買う」ことや
たとえば上手に喋ることや
会場のノートに文字を綴ることや
いろんな手段で伝えようとしてくれるひとは視界に入りやすい そうやってしてもらえるのはとてもうれしい
 
ただ
それができないひとの想いを存在を
もっときちんと受け止められないだろうか
と、思った
 
たとえばその「空白」が
きみが確かにそこに居て
なにかが強く伝わった「証拠」になるなら
なれは しないだろうか
そう 思うのです
 
展示作品は持ち帰り自由です
どうぞ ご自由に
 
 
ごゆっくり
 

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