ポストコロナの公演制作#4【ホール運用ルール以外での問題点・その2】
前回は宣伝、集客などの問題点を書きましたが、会場運営や確保などで考えられる問題点もあり、それについて書きたいと思います。
裏方のスタッフさんたち
当たり前ですが、コンサートは出演者だけではできません。舞台、音響、照明さんはじめ、多くの人の支えがあり成立しています。
そしてこの状況下、仕事が全くない裏方スタッフなど普通で、まさに「惨状」といって差し支えないかと思います。
この調査を見ると、改めて音楽にかかわる仕事というのが、幅広く多彩で、国にとっても支えるべき大事な産業だと実感しました。
さらに問題なのは、第2波、第3波が来たとき、また同じような状況が考えられます。今後、こういった仕事が安定した職業として成り立つのか?若い人が専門学校へ行って目指す職業となりえるか?
そう考えると、別の仕事を選ぶことも十分に考えられます。すると、いろいろなイベントが再開したとき、そういったスタッフがいないから、開催できないというリスクもあるわけです。
「ライブエンタメ従事者基金」というのが設立されたのも、そういった現場の危機感の表れだと思っています。
会場の奪い合い
あまり表には出ませんが、公演を企画している多くの会社、団体、個人による会場の奪い合いがすでに始まっています。
これまでも、いい立地、いい条件の会場は、プロアマ問わず、奪い合いになってきました。当然土日祝日などはもうそれは・・・。
ホールというのは大雑把にいって、小規模であれば6ヶ月前、大ホール、アリーナなどだと2年前から予約受付を開始します。
ということは、あるアーティストのコンサートが延期になったとして、同じ出演者をそろえることも大変ですが、振替公演をしたくても、2年先まで会場をおさえることができないということが起きてしまいます。全国ツアーを組みなおすなど、至難の業。
2月から夏までに中止となった公演は、何らかの形で再演を目指していると思いますが、コロナ禍前から秋から冬に公演を予定していて、これから会場を押さえるつもりだった企画はいくらでもあります。
そしてさらにこの問題に拍車をかけるのが「オリンピック問題」。個人的には、とっととやめてほしいのですが・・・。
通常、私たちのような小さな団体は、ビックイベントの日程を考慮し、なるべく避けます。理由は簡単で負けるからです。そしてオリンピックほどのイベントにとなると、何が起きるかわからない。
ですので、今年の夏はあえて外し、秋に充実させる計画だった団体が多くいました。本当に来年開催するか微妙ですが、それがあるかどうかで、計画も変わってきます。(だた、この非常時、計画もくそもなくなってしまいましたが・・・)
このようにすでにある企画に加え、膨大な振替公演の企画がさらに加わり、ビックイベントの影響など、多くの会場は、今までより激しい奪い合いが始まっていて、それは当分続くと考えられます。
ただし、このままコロナがおさまればですが・・・。
さらに業界、社会全体にどのような悪影響がでているか、次回考えてみたいとおもいます。
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