サイ、2
銀河第2母艦 アトモスフィアは、対宇宙用部隊陰極に存在する。(銀河第1艦隊の癒し専門部隊である。)ピザ型母船団で内角72度 質量5分の1が本体で独楽のように速く回転し、いつでも着艦できる。宇宙観光名所として娯楽も担っている。
洋志は『マーガ』と呼ばれる母船本体格納庫で発出カプセルを磨きながら、ここしばらく作業をしていた。どこか遠い目でしわしわのA4紙を見続けている。地球のボールを見てさらに眼を細めてぼそぼそ言った。
「A4 5mm 美しいエネルギーだね。ボードはいつの時空でも不変であり定型がある。こんなに美しい形状はさすが銀河クリスタルから抽出圧縮、カルマボールテラに、何億人、動植物、森林、水、大気 ふっ どれをとっても1級品 ふっ 銀河評議会で定めた惑星側が破壊好きとは 空気がないとねえ 」
火星生まれの清水さんは、鼻からコーヒーを飲みながら話した。
「惑星がみな共栄するための手段を探すだけだからな、、、おっそういえば決まったぞぉ。今シーズン最終巡航、クリスがリーダーだ。」
「「冥王星から帰ってくるタイミングでテラ行きか。」」
当然、卓矢と洋志は知っていた。自分の配達エリアの情報も即座にカルマボードで共有される。だよ、洋志とクリスは動物占いで相性が会うとかで連絡を取り合っていたらしく「時を司る神」として惑星テラに行くのが内定していた。
「ふっ、これだけ磨けば運航標準ルクスも保持できるでしょ ふっ」
アルミニウムとクリスタルの混合物は何度観ても美しくうっとりした。
ザ・メカニック!細長い背骨の洋志の背中を眺めながら、終わった事だけれど、ジラフコーポレーションの由来はここか、と頷いた。
「さぁて、二人ともSAI銀空温泉でひとっ風呂浴びるかい」
清水さんは責任者だったから嬉しそうで良かったな、と卓矢は再認識し、無いけど鳥肌が立った。テラでの長旅を終えた安堵が一気に来て久しぶりのSAIに向け心を構えた。