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⚙️部材調達方法の基本(1,730文字)

個別記事をこちらにまとめました。

①主な手配方法

 ざっと4つの方法がある①都度手配②発注点③かんばん④MRP(資材所要量計画)。これらの手配方法を製品や部材の特性に合わせて組み合わせて部材調達する。④の発展型で生産能力含めて計算するMRP2があるが使われている事例は少なそうである。
 また、製品計画などは日次、週次、月次などの定期手配方式が広く用いられている。

②都度手配

 在庫を持たず、必要数のみを、受注してから、顧客納期に合わせて、部材のリードタイムとは無関係に一律納期で手配する方法。一般に工番方式の受注生産品で用いられ、顧客納期>部材リードタイムかつ最小購入量の制約がないものに適用される

③発注点方式

 在庫数が基準値を割ると決められた数量を手配する仕組みで事務用品や副資材などの安価でかさばらない物に用いる。ビン(箱)を2つ用意して一つが空になったら補充する2ビン方式もこの一種。ただ、需要変動に弱く在庫も増えるので主たる部材の手配としてはあまり使われない。私は20年以上使ってませんね

④かんばん方式とは

 在庫品に添付した「かんばん」と称する現品票を在庫品を使う時に外して補充手配する現物管理の方法。コンピュータがなくても確立できる。固定ロット/リードタイムで運用し生産増減にはかんばん枚数の増減で対応。生産で使わないと在庫補充しないため在庫低減に有効。
 かんばん方式には「決めた事を守る現場と生産管理」、「一個流し生産」、「平準化生産」、「納期遵守率100%」、「直行率100%」、「部品不良0%」、「受注出荷ルールや生産計画の変更・取消ルールの取り決め」などの導入条件がありこれらを整えなければ実行できずすぐに崩壊する。だからこそ品質、納期を含めた総合的なでの生産改革が必要不可欠となる。

⑤かんばん方式ー平準化とリードタイム

 製造コストを最小にするのは「平準化」。それも「分レベル」まで分解して平準化する。そのためには一個流し生産とかんばんロットの極小化を行う。ロットが大きいとその工程と構成部品は不要な量を作り生産変動も大きくなる。また、量だけではなく種類も平準化する。月の前半にA製品、後半にB製品ではなく、毎日「ABABABAB」と平準化して生産する。そうすると機種固有の部品の発注が平準化される。
 次にリードタイムが長いとかんばん方式はコントロールが難しくて成功しない。そのため前工程や仕入先に長期生産予定を開示しリードタイム短縮。その際直近予定と実績に大きな乖離がある場合の対応についても説明して合意する

⑥かんばん方式の課題

 かんばんで難しいのは出庫報告を現物と同期して行う事。ラインで部品を使うたびにバーコードスキャンは非現実的。ストアでキットする時にスキャンする事は可能だが工数がかかり過ぎる。製品完成時にバックフラッシュしたりするが…。

⑦MRPとは

 Material Requirement Planning. の略で日本語では資材所要量計画。出庫予定と入庫予定を元に手配数量、納期、タイミングを計算する基本となるシステム。これだけ聞くと自動化して在庫も減らせるバラ色の生産管理に思えるがやってみると甚だ難しい。
 MRPが効果的にに回る条件は以下の通り。

①データが現物の在庫数、入出庫数や入出庫時刻と一致している
②納期通り部材が入出庫される
③部材の調達/生産リードタイムが登録され適正に維持されている
④部材のリードタイム≦製品計画サイクル。

 このどれか一つでも崩れたらどんなに高級なMRPシステムを導入してもまともに部品調達はできない。具体的にはシステムと現場運用や部品と伝票の動きが一致している事。入庫「時」、出庫「時」にその都度入庫報告、出庫報告する現場である事。後でまとめて伝票通すなどは重罪。報告遅れや漏れがあると部品探しに追われることになる
 また、先納や納期遅れが多いとMRPはただの手配システム。納期通り入庫されるように徹底的に仕入先や工程を躾けましょう。特に自工現場の先作りは重罪。また、仕入先がお金欲しさに締め日前の先納も絶対許してはいけません。納期遅れ?許してはいけません。仕入先と協議して問題を解決しよう。


以上


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