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1.2 診療科のこと
医師免許を取得した者は法的には、診療科に依らず従事することができます。すごいですね!
しかし、実際には標榜する診療科を専門とする医師が診察にあたることが多いです。
過去、大学病院とかでは第一内科とか第二外科のような、どこ診てんだかよくわからない表現が多用されていましたが、今は日本医師会が提案するルールに沿って、わかりやすい診療科名を標榜する医療機関が多くなりました。 日本医師会もたまにはいいことしますね笑
基本的にひとつの医療機関が標榜する診療科の数に法的な制限はありませんが、医療機関の開設許可を得る際、自治体に標榜する診療科を申請する必要があるため、話盛ったり嘘つくことはできません。
実際、診療所は単科だったり、共通点のあるようなないような診療科を2,3標榜していたりする一方で、病院はたくさんの診療科を標榜していていることが多いです。
病院ではたくさんの診療科を標榜しており、それぞれの診療科にひとりまたはふたり以上の専門の医師、もしくは専門を志す医師が所属して診察にあたっています。
💡SMOのCRCには支援する医療機関とSMOをつなぐ役割があります。
治験を実施しようとするとき、その医療機関が標榜する診療科だけでなく、責任医師の専門/得意とする疾患、患者層などを適切に把握し見極める必要があります。
具体的には…
〇〇大学呼吸器内科勤務し呼吸器専門医を取得した医師が開業した「内科」を標榜するクリニックでは、たとえ高齢者が多かったとしても、糖尿病や高血圧の試験を紹介するときは注意が必要です。
「皮膚科」ならアトピー性皮膚炎はわりとどこでも診察していますが、病院とクリニックとでは重症度が異なる可能性が高いです。また、皮膚科専門医といえども得意な領域は異なります。脱毛は診ていますか?水疱性類天疱瘡のような自己免疫性皮膚疾患はどうでしょう?
💡CRCはその診療科の医師が適切に評価できる疾患を把握しているとよいとおもいます。
医師の専門性は、普段診察している疾患のみならず、参加している学会や過去に発表した論文などから推し量って知ることができます。最初は慣れないかもしれませんが、検索してみましょう。相手を知る、これがコミュニケーションの第一歩です!
病院の「整形外科」では関節や脊椎脊髄、腫瘍など専門がわかれていることありますが、脊椎脊髄の整形外科医に慢性腰痛の試験概要をみせたりしたら…虫より雑に扱われるから気をつけてください笑