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5.1 記録の保管
担当施設に治験管理室があるかないかで変わってくることではありますが、SMOのCRCは責任医師の指示のもと笑 責任医師や治験実施医療機関が保管する記録の保管・管理を代行することがよくあります。
試験開始から試験終了まで、無限に様々な記録が発生します。そして、試験が終わるとそれらの片付け=記録の保管が待っています。
CRCは試験が始まるときから試験中ずっと記録の保管を念頭に業務にあたると、整理整頓しやすいとおもいます。
わたしは試験開始から終了までにSMOのCRCが業務で取り扱う文書をざっくりと以下の3つに分けて考えて、「その試験を担当していないCRCでも迷いなく片付けができる」ような記録の保管・管理を目指していましたいました。
症例に関する記録&治験薬に関する記録
責任医師が保管する文書
IRBに関する文書
保管・管理、片付けのコツ
電子化とか電磁化とかDxとか叫ばれて少し時間が経ちました。
施設でもIRB関連の文書管理を中心に電子的な文書保管が広がりつつあります。しかし、CRCの手元にある症例に関する紙媒体の記録が大きく減った印象は…あまりありません。
CRCは施設やSMOが定める保管のルールに従って記録の保管・管理にあたるわけですが、CRC個々人が最終的に保管する記録は何かを理解していなければ、適切な記録の保管は達成できません。
CRCはどうしても被験者対応などに注意と業務のウエイトを置きがちですが、記録の保存についてはICH-GCP・J-GCPのいずれも保管するべき文書と保管期間を定めており、立派なCRC業務であることを忘れてはいけません。
また、試験中は常に記録の保管・管理を意識して業務にあたることで、試験終了時に秒速脳死で片付けを終えることができるようになります。
試験終了時に秒速脳死で片付けしなければならないのかって?それはシンプルに、片付けに係るコストが見積もりに含まれていないからです💰
💡大量に発生する紙たちを適切に保管・管理するための最大のコツは『「最終的に保管する文書」と「最終的に保管しなくていいもの」を試験開始時から完全に分けて保管する』です!!