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イタリア人夫と私の教育への考え方に関する溝(アデノイドを切るか問題)

息子が最近アデノウィルスにかかり、喉が腫れているので冷たい喉越しの良いものしか食べず、毎日苺のシャーベットを作ってあげて食べさせていた。絶賛イヤイヤ期だったのが、この病気を期にもっとイヤイヤになり、本当は絶対欲しいのにイヤイヤ、私があげるものすべてイヤイヤで水も飲まなくなっていた。(コップを置いておくと、隠れて飲んだりしていたみたいだけれど)

次第に喉の腫れもひいてきたのか、食べれるものの範囲が広くなり、それによって栄養が脳に行き渡るようになったからか、3日前よりはだいぶ話のわかる子になってきた。流動系以外のものを食べ始めたのは、このりんごのケーキだった。

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りんごは医者いらずという日本にある言葉のようなものが、イタリアにもあるらしい。りんごを3個も入れたTortaを作ってみた。それからはりんごをレモンと蜂蜜と煮詰めたものとか、とにかくりんごばかりを食べさせていた。

アデノウィルスを治すには、普通の熱が出たときのようにとにかく水分と栄養をとって安静にするといった感じの治し方で対処療法がない、ということを夫に言ったら

「抗生物質も処方されないの?」

と半ば呆れた感じでびっくりされた。イタリア人ってすぐ抗生物質っていうし、すぐアスピリン飲む。(そうじゃないイタリア人の人、すみません。あくまで私の偏見です)

しかしこちらが驚いたのは

「アデノイドを切らないの?」

と真顔で言われた。病気ばかりになるアデノイドだけれど無用の物なので、イタリアでは子供の時に結構切るというのだ。義父は医者だったのでそのへんの判断も容赦ないのかもしれないが、夫も子供の時に切られている。(昔の話で今はそうでもないかもしれないけど)

「いやそんなにGrave(深刻)じゃないから」

と私が言っても何も信用してもらえず、結局医者に聞くと

「いやいや日本では子供のアデノイドを切るということはまず無いよ」

とのこと。

なんかイタリアの人ってなんというか・・・何かことが起こる前に大騒ぎする人多いイメージなんですよねえ

これも最近子供の熱が下がってきたから、病院に保育園の登園許可証をもらいにいったときのこと(アデノウィルスにかかると解熱から2日経たないと通園できず、そのために登園許可書が必要)、受付後、看護士さんから

「熱が下がっていても、まだ喉が腫れているかもしれないから、感染症の方用の黄色いエリアで順番を待っていてください。」と言われた。

しかし30分以上待っても呼ばれず子どもが痺れを切らして、病院の床で寝っ転がって地団駄踏みだした。(汚いから本当にやめて欲しい)感染症でない青いエリアに少し子どもが遊べるプレイルームがあったので、息子はそこに行きたいという主張をしているのだった。その時間帯にはちょうど他の患者がいなかったので、(そしてその黄色いエリアでは明らかに重症そうな患者さんがいて、申し訳ないけど正直あまり長い時間その人の近くに居たく無かった)「ま、いっか」と私はプレイルームに連れて行ってしまった。夫はもう息子のイヤイヤにうんざりしていて何も判断つかず無言。

するとしばらくすると看護士さんがやってきて、案の定怒られた。私は

「すみません、もう子供が嫌がって騒いでしょうがないので、患者さんも誰も居ないですし、ここに連れてきてしまいました。」と弁解し、すると看護士さんは

「おっぱい?」

と言ったらしい。私はそれが聞こえてなくてそれよりも

「すみません、もう予約時間から50分以上経っているんですけど、あと何分ですか?」と聞いた。

「すみません、急病の患者さんがきちゃってあと10−15分ぐらい?」

そのタイミングで夫が明らかにイライラしはじめたので、あとで理由を聞いたところ

夫:「だってあのナース、『子供が騒いでるから、おっぱいでもあげて静かにさせろ』みたいなこと言ってなかった?」

私:「え?そんなこと言ってた?私こどもが煩くて聞こえてなかったわ。」

夫:「だって『おっぱい?』って言ってたよ」

その一言だけでそんなに読み取ったのか。夫は何か事象を悪く捉える癖がある。それにしてもあの看護士さんはなぜ「おっぱい?」と言ったのだろうと考えると

私:「あーあのプレイルームの隣が授乳室だったからじゃない?!青エリアに行くのはだめだけど、授乳なら仕方ないですね、と言いたかったのでは?」

といい、夫は納得いかないようだったがとりあえず会話は終わった。

その5分後、やっと呼ばれ

「はい、では登園許可証書きましたので今日はこれで終わりです」

と10秒で終わった。私は喉の診察ぐらいして欲しかったなーと少しは思ったもののとくに何も思わなかった。しかし隣で夫は怒り心頭。

「これさ、もうこの病院『来るな』って言ってるよね」

散々待たせといて診察もろくにしないという、病院の嫌がらせと捉えたらしい。夫は一見穏やかそうなのですが、いまだに沸点がいつもわかりません。

これいつも思うのですが、夫の性格の問題ではもちろんあると思うのですが、国民性だとも思うのですよね。結構まずは疑う癖が彼らにはあると思います。彼らと比べると、日本人はまず人を信じる癖があると思います。(すみません毎度弁明のようにいいますが、わたしの勝手な偏見であることは間違いありません)けど確かに、イタリアの都会のスリの多さとか、泥棒の話とか、家賃を取りっぱぐれる話とか、結構保身のために常に警戒していないといけない環境であるな、と日本と比較しては思います。

こんな話もあります。私たちの息子は今石を蹴ることがマイブーム。そのために他所様の玄関に敷かれている小石をしゃがんでじーっと見て、よーく厳選して、石を取ってきてしまうんです。

これに対して夫は息子にもう、超絶怒ります。夫の考えではこの息子の行動は侵入罪であり、窃盗罪なのです。確かに正論です。

しかし私が息子と二人だけでいるときは、実は思う存分やらせてあげてしまっています。確かにそのお宅に申し訳ない気持ちはあります。迷惑な話ですよね。せっかく玄関に綺麗に敷いている石を取ってしまうのは。

けど息子が取ってしまうのはいつも厳選された1つだけなんです。外観は何も変わりません。この2歳未満の子どもが1つだけ石を取っていって、本当に怒る人が、はたしてそんなにいるでしょうか。この例外を許してくれない人そんなにいるでしょうかって私は考えてしまうのです。すごい神経質に几帳面な人だったら、それこそ超絶怒るかもしれない。そしたら私が謝ります。けど私は息子が集中しているのを邪魔したくないと意志の方が強いんです。

もちろん賛否両論あると思います。

夫は息子に道路で「走っちゃダメ!」と言います。転んで泣くから。先に起こる悪いことばかり考えるんです。けど私は、車が走っているところに飛び込むのでなければ、しばらく様子を見ているようにしています。走りたいのは普通のことです。身体的にもいいと思います。

アデノイドを切る話も、私の中では彼らのこの性質に通じるものがあるなと思ってしまうんです。私の勝手な仮説の中では、つながりました。

それにしても、こういう子どもへの教育に関する考え方の違いとかが積もり積もって、二人の間の溝になって離婚とかにならなきゃいいんだけど・・・半分冗談で半分本気で少し心配です。



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