カプチーノの間違い
最近の若い世代は私たちの世代よりもずっとずっと多くの文章に触れている。何百倍もの”文字”に多く触れているとも言うべきか。それはもちろんSNS普及のためである。一方で触れる文章の長さは短い。つまり携帯の小さい画面で情報処理できる程度の文字量に慣れているということだ。現に例えば、このnoteのいろんな方の文章を見ていると、年代が若めの人の方が文章が短く、年配の方々は長い傾向にあるとみえる。よって若い世代は長い文章の読解力は平均的に低いのではないか、と言う意見もある。だが私はこれも一長一短だと思っていて、例えば若い方の短い文章の方が端的に的確にまとめられているから読みやすく、後者の方々はだらだら長く書いてしまってまとまりがない場合もあると言える。私は明らかに後者なのだが、短く描こうとしても纏まらなくて、長く書いてしまった方が書き味がスッキリする感覚を覚えるのだ。だからやはりどちらが良い悪いではなく、これは詰まるところ、スタイルなんだと思う。なのでこのまま心赴くままに書き続けてみようと思う。皆様根気よく読んでくださると嬉しいです。(いつか疲れて短くなるかもしれない)それにしても最近の若い人、文章上手い気がする。私の学生の頃、思い出せないけど。こんなだったかしら。
さて、私はあまり人をカテゴライズするのは好きではないのだが、自分が人を頼る時の心理状況を知りたくてふと考えてみた。なのでこれは一般論ではなく、あくまで私の主観的な考え、もしくは仮説でもなんでもないただの想像だ。
まず切り口として、①「何を考えているかわからない人」と②「何を考えているか大体想像がつく人」と友人、家族を仕分けしてみる。私にとって信頼している、信用できる人は傾向的にみて①に近い人だ。何故だろう、これは早速不思議だ。(つまり直感で人に頼っていて、論理的に思考して頼っているわけではない)あとで考えてみる。②の人の中で信用できる人は、特に知識が豊富で分析力が高い人は信頼しているようだ。理由を考えてみると、おそらく私が理解できる範囲で、私を説得ができる人達だからだ。しかし一方で①の人たちは本来ならば信用できない分類になりそうなのに、なぜか私は信用してしまう。なぜだろう。その理由は、もうこれしかないと思うのだが、私の価値観が絶対だと思っていない、私自身に疑心暗鬼であるからであろうと思う。もしくは私の価値観だけではダメだと思っている。はたまた単純に私はきっと新しもの好きなんじゃないかとも思う。
①分類の代表格は私の夫である。いつもボーッとしているのか、何か考えているのか区別がつかないけど、とにかく静か。気が利かなくて、言わないと何もやってくれない。私が根掘り葉掘り聞かないと大事なことを言い出さない。ボーッとしていて周りが見えてなくて「お前の目は節穴か」って言いたくなるぐらい、目の前にある物が見つけられない。(おそらくこの日本語が理解できなさそうだから面倒なので私も言わない)仕事が趣味みたいな人だからずっと仕事のことを考えているのかもしれない。大変そうにしているけれど、結局は楽しそうだ。しかし嬉々としてる時はなく、この人は何に満たされた気持ちになって毎日送っているのか、よく分からない。
一見頼りなさそうなのだが、やはりいつも私は最終的な決断はかなりの確率で彼に託すのである。やはりさすがに大事なことは結構ちゃんと考えていて、かつ私と全く違う観点から意見を呈するので、とても新鮮で、中和できる。二人で物事を考慮するにはやはり持ってこいの相手なのだ。
今良い例を思い出せないのだが、夫の選択で良かったと思えるのはやはり今の家だ。家を建てるときに私はお金のことばかり考えてしまってどんどん妥協をし始めていたが、夫は角地で正方形の土地でないとと絶対に譲らなかった。結果これは本当に正解だったと思っている。曇りの日でも、少しの光が長い時間さして、室内は比較的明るい。
料理も全くしない人だが、イタリアで培った舌と鼻はきく人で、味見をさせたら大抵あながち間違っていない真っ当な指摘をする。自分、意外に頼りにしているなって改めて思う。
昼食後に夫に「Cappuccino作って」というと
「だからCappuccinoはpranzo(昼食)の後に飲まないよ。」
といつも言われてしまう。そうだった、また言われてしまった。カプチーノはcolazione(朝ごはん)だった。うっかり、いつもイタリアでこのタイミングでなぜか飲みたくなり注文すると、少し変な顔されるんだった。腹一杯でカプチーノを飲むのはさすがのイタリア人にもどうも重すぎるらしい。私はそこはいつもなぜか平気。それにしてもこれはいつも忘れる。これぐらいかもしれない、私が夫を押し切るのは。
イタリアの朝ごはんによく出てくるケーキでCrostataというのがある。(まずイタリアの朝ごはんは大抵Dolceです)Barにおいてあったり、ホテルとかB&Bの朝食にも出たりするので見たことある人も多いと思う。いろんなMarmellata(ジャム)を入れたり、リコッタチーズ、チョコレートクリームを入れたりして焼いたものが多い。私はこれが一番よく作るDolceです。
ジャムを一番美味しく食べる方法は、私にとってはCrostata。先日友人から甘夏のジャムと、近所の人からブラッドオレンジのジャムをいただいたのでそれを組み合わせて焼いてみた。もし水っぽいジャムになってしまっても、オーブンで焼くと水気が飛んでちょうど良くなる。この網目にする形は、日本人はみんなアップルパイを想像しがちだけど、これはタルト生地でパイではない。ジャムとタルト生地の相性が本当にいい。パンもおいしいけど、なんかこっちの生地との方が私は好き。今回柑橘系同士のジャムの組み合わせだったけれど、予想以上にお互いの個性を出しつつ、相性があった。二つとも違った苦味で美味しい。(ブラッドオレンジの方が若干甘味があるので、子供でも食べれた)Crostataはバターで作る方がメジャーだと思うけれど、オリーブオイルで作る方法もある。ただ私はバターで焼いた方が食感がほろっとして好きなのでいつもバターで焼く(時間がないとオリーブオイルを使ってサッと焼く。こっちの方が少ししっとりするのと、網目上にするときに生地が脆くないので扱いやすい)イタリアにはいろんなDolciがあるが、私はなんだかんだ他所様のおうちのCrostataでおもてなしされた瞬間が一番はしゃいでいるかもしれない。
※レシピ(Ricetta)
Crostata(甘夏とブラッドオレンジのクロスタータ)
<材料>
薄力粉(製菓用)もしくはFarina00 250g
→カプート社のFarina00製菓用はこのブルータイプ
卵 1個
バター 100g (もしくはオリーブオイル100g)
砂糖 75g
甘夏とブラッドオレンジのジャム 1瓶
[作り方]
1. 薄力粉に常温で細かくしたバターを混ぜこねる(もしくはオリーブオイル)
2. 卵と砂糖を一緒に混ぜる
3. まとまったら常温で30分寝かせる
4. のしで平らに広げて、半分ぐらい切って形に入れる。
のし棒はこの取手があるタイプの方が手が痛くならずに済むので、私はこれがお気に入り。無垢材を使っていて触りごごちもいいです。
5. 生地の表面にフォークで穴をたくさん開けて、180度のオーブンで5分空焼きをする。
6. 余った生地をリボンみたいにたくさん切る。いろんな長さのものを作る。
→切るときは包丁でも良いが、なみなみがついてきれいになるのでこのカッターがおすすめ
7. 空焼きした生地にジャムを載せて、切ったリボンの生地を網目状に置く
8. (表面に卵黄を刷毛で塗っても良い)170度オーブンで45分焼く
9. 冷めたら食べごろ。日が経つとより味が落ち着いて美味しくなっている。余った生地はきれいに広げてラップをして、冷凍保存可。
※表面に卵黄を塗るとカバー写真みたくなります。
Buon appetito !!