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エッセイとイタリアからのおいしいもの

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日々の何気ない事柄、ふと道で思いついたことを書き綴っている、そのエッセイとともに繰り出されるイタリア料理のレシピ。色々と考えていると結局何かおいしいものにたどり着きます。Prim…
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#文脈メシ妄想選手権

AC:ヒッチコック裏窓チック(ポレンタのフリット)

 昨日も「ヒッチコックの『裏窓』でジェームス・スチュワートに覗かれているダンサーみたいな格好して、私は屋上でストレッチをしていた」みたいなこと書いたが、たぶん最近自分がよその人のうちを覗くことが多くなったから、知らず知らずのうちにそういう気分になっていたのだと思う。たぶん覗いているし、覗かれている。それを背中で感じながら行動している雰囲気。これって本来地域コミュニティにかつて当たり前のように根付いていた意識だと思う。  覗くというと語弊があるのかもしれないが、つまり今大人も

Lost in translation(花クレソンのリゾット)

 うちの子はブランコが大好き。本当に遠くからブランコ目掛けて走っていって「うーっ!」と言いながらブランコを指差し、私に座れという。私はブランコの鎖を手で握らず肘で挟み、この子を膝の上に載せると、空を見上げてその時の空の様子を歌にして口ずさむ。夕方だったら、見え始めた白い月の歌とか、青空に松の幹の茶色が映えていたら松の幹茶色いの歌とか。だから毎回違う詩とメロディ(大抵短調)なのだが、なぜか息子は落ち着くらしく、8割型そのまま揺られて寝てしまう。  そういえば曇り空の日、私がま

イタリアのレストランの吉野家化もしくは一蘭化への危惧

 昨年末イタリアでクリスマスを過ごしている時は思ってもいなかった。まさかこんな報道のされ方でこの国が世界から注目されるときが来るとは。私たちが1月6日に北京経由で帰国した時、武漢で良くわからない肺炎が流行っているというのは小耳に挟んでいた。イタリアではそんなニュースはまだ全然報道されていなかったと思う。しかし今やイタリアのコロナ感染は把握されているだけでも感染者数223,885件、死者数31,160人と日本とは比べ物にならないぐらいのパンデミックだ。総人口60.6百万人と日本

Mammaとの約束(乾燥パスタの茹でかた)

 このコロナ騒動下、80歳の義母はローマのアパートで一人きり家に篭っている。そのことを思うと毎日気の毒で仕方ない。しかしもちろん高齢なので外には出て欲しくない。けれどもあの人は無駄に散歩して、出会した犬という犬に「bello? o bella?」と話しかけて、(『可愛い』を男性名名詞と女性名詞両方で聞いて、暗にオスかメスか尋ねている。AnconaのVittoria通りなんて犬の散歩だらけで、1mごとに立ち止まるので全然目的地につかない)何かにかこつけてすぐに銀行に行って、美容

ファッション化する料理 (Amor polenta)

 今日は少し悲しいことがあって珍しく心が沈む。心が沈むと文章は書けないのだろうか。そんな気もしていたが、とにかく書き始めてみる。もしかしたら書いているうちにテンションが上がっていくかもしれない。それに今朝読了したアガサ・クリスティーの「春にして君を離れ」がどうもシンクロしてしまっていたのだ。(あとがきは後で読んでみる。自分の感覚が他人に被せられて、知らず知らずのうちに自分の元ある感情が消えてしまいそうで怖いから)この小説はミステリーだけれども実際には何も起こらない。ずっと母で

スロースロースロー 〜便利じゃないイタリア〜

 先日「洗濯マグちゃん」という、洗剤を使わずにマグネシウムで洗うという方法をブログでも紹介したが、 それを昔イタリアに住んでいたという近所の人にもおすすめしたら、 「そう言えばイタリアに住んでいた時、近所のおばさんがクルミで洗ってたなあ」 と衝撃の一言。クルミ洗濯!?そんなの私は初めて知りました・・・!上には上がいる。早速”Noci(クルミ), lavastrice(洗濯機), bucato(洗濯物)"と検索すると・・・なんと、なんとたくさん検索ヒット!  クルミの皮

カプチーノの間違い

最近の若い世代は私たちの世代よりもずっとずっと多くの文章に触れている。何百倍もの”文字”に多く触れているとも言うべきか。それはもちろんSNS普及のためである。一方で触れる文章の長さは短い。つまり携帯の小さい画面で情報処理できる程度の文字量に慣れているということだ。現に例えば、このnoteのいろんな方の文章を見ていると、年代が若めの人の方が文章が短く、年配の方々は長い傾向にあるとみえる。よって若い世代は長い文章の読解力は平均的に低いのではないか、と言う意見もある。だが私はこれも