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愚壮の恋

やっと原稿を書き上げた。
窓の外を見ると夕陽を受けた雑木林が葉の落ちた枝で空を支えている。

もう観客は席についた頃だろうか。妻は他のダンサーたちと同じように舞台袖で今頃魂を削っているのだろう。今日から始まる二週間の公演は彼女のダンサー人生の中で間違いなく最大のものになる。

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977字
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アバラ通信

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