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「集中と解放」 坂口貴信の世阿弥   銀座花伝MAGAZINE vol.16

        #  集中と開放  New type な稽古 坂口貴信の中の世阿弥 

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一年を超えるコロナとの闘いの中で、私たちはこれまでの当たり前を見直し、「自分たちの生活や人間性を進化」させてきました。そんな中で、注目されるのは、偏見や既成概念を超えて新しい世界観をつくっていこうとするNew type  な生き方。銀座の老舗も、既製の銀座イメージから脱却して進化を模索し、既成概念を超えた「新しい商い」に踏み出すことが生き残りの使命になっています。

銀座は、日本人が古来から持ち続ける「美意識」が土地の記憶として息づく街。このページでは、銀座の街角に棲息する「美のかけら」を発見していきます。

今回はやがてやってくるポストコロナを感じさせるNew type  な稽古レポートです。世阿弥の「風姿花伝」人間の成長・進化、感性の磨き方指南(前編)に続く、能の真髄「謡」、人間の心情表現の所作である「型」の実演と共に、世阿弥の心を間近に感じる「新しい発見」に満ちた能講話をお楽しみください。観世流能楽師・坂口貴信師による実演の模様をレポートでお届けします。2020年8月に築地本願寺・銀座サロンで行われた「能楽師直伝 能楽・狂言講座」後編を編集した内容です。心と身体の連携を通じて「集中と開放」がもたらす能の真髄は、私たちに大きな気づきをもたらしてくれます。


目次花




◆ 銀座 New type  ◆ 音色を残すひと

 弥生3月、日の出前の朝5時。我が家から林を過ぎて、隅田川支流運河を越え銀座までの往復約1時間の散歩が日課になってから1年が経とうとしています。この時間は、長い自粛生活を乗り越えるための、私のかけがえのない「瞑想」時間になっています。人気のない薄暗い夜明けの銀座4丁目交差点で深呼吸をすると、胸奥に清々しいパワーがこみ上げてきて「あ、生きてる」、そんな実感を覚えるのです。

朝靄銀座


時を同じくして、実に格好よく街を疾走する友人Uさん。時々コースが交わって、ばったり出会うことがあります。薄黄緑色のランニングスタイルがお洒落であることはもちろんですが、気になるのは汗ばんだ耳たぶに軽やかに装着されているイヤホン。なんともスタイリッシュです。さぞかし、軽快でアップテンポな曲を聞いてるんだろうな、と想像したりします。


イヤホン


「どんな音楽?」

いつもの私の悪いクセで、ついつい好奇心で尋ねてしまう。

「ちょっと、恥ずかしいけど」と言いながら、右のイヤホンを私の耳元に近づけると・・・

「 ! 」


 ♪ やみがくれ岩間を分けて行水の   声さへ花の香にぞしみける                                                             

 

え? 和歌の朗読集!?。ギャップ大き過ぎでしょ〜!

「その昔、後醍天皇の時代に、3月3日紀貫之の家に当時の代表的な歌人が八人が集まって“曲水の宴”を催し歌競いをしたんですって。その中で一番私が好きな歌。凡河内躬恒(おおしこうちの みつね)。」

それだけ言いおいて、咲き匂う花をたたえる音色を残して、あっという間に走り去ってしまったUさん。

ー 岩間をゆく水音さえ花の香りに染まっているー 

なんと、斬新な感性だろうと驚きながら、思わず口ずさんでしまう心地よさ。鮮やかな言葉に陶酔感を覚えて、朝焼けの始まった街から踵を返す時の清々しさよ。

夜明け前に触れた、新しい感性。晴れやかな1日の始まりです。


朝日2



◆ 銀座 老舗の逸品 ◆「銀座 千疋屋」 オレンジジュース

早朝散歩のあとの定番は、なんと言っても「銀座千疋屋」のオレンジジュースです。この芳醇で香り高く、濃厚なジュースは、ちょっとお洒落にシャンパングラスに注いでグビグビのどごし良くいただくのが醍醐味。今では、パーラーメニューにもなく、フルーツショップで小型瓶入りでしか売られていない、知る人ぞ知る逸品。これを楽しみに早朝散歩に励んでいると言ってもいいくらい。

オレンジジュース


数を求めず、質を尊ぶ

銀座5丁目にある創業127年老舗銀座千疋屋は、まるで宝石のような果物を売る店として果物好きの聖地となっている。初代の斎藤義政店主が、日本橋の千疋屋総本店から暖簾分けして創業、当時は八百屋形態の「りんご食堂」でりんごを売り出したところ、買ったりんごをその場で丸かじりするお客様がいて、立ち食いを気の毒だと思った店主が椅子とテーブルを提供したことが「フルーツパーラー」のはじまりだと言われている。その後2代目義政によって考案されたフルーツポンチが大ヒット、当時の商品カタログやポスターを竹久夢二がデザインしたことでも知られている。

竹久夢二カタログ


「一茎一果」農法

千疋屋といえば、なんと言ってもマスクメロン。湿気に弱い果物マスクメロンは、雨の多い日本では温室でしか栽培ができないため、「一茎一果」農法で育てられています。本来は一つの茎に数個の実をつける果物ですが、立派な実に育てるために色形の良いものを1つだけ選び、栄養が十分に行き渡るように丹念に育て上げて、いわゆる最高級メロンとして提供できていると聴きます。銀座では、ご挨拶、お礼としてこのマスクメロンがお届け物の定番となって重宝されているのも頷けるというものです。

高級品ならではの見事な価格、味見をされたい方は2階のフルーツパーラーで名物メロンパフェをぜひ御賞味あれ!


メロンパフェ


現在感染自粛のため、90分滞店制限や人数制限、営業時間の短縮など随時営業内容が変わりますので、お出かけの際にはHP等にてご確認ください。

マーガレット




◆ 能のこころ ◆ 特集 坂口貴信   〈実演稽古〉 後編                                 身体と心で動かす「謡」と「所作」  in築地本願寺 講座 


築地本願寺イメージ


2020年8月28日(金)築地本願寺・銀座サロン会場において、リアル講座が開催され、WEBでの同時配信が行なわれました。主な内容は世阿弥の「風姿花伝」の朗読と坂口師のエピソード語り(前編/銀座花伝MAGAZINE  Vol.14)に続き、能の真髄である「謡」、人間の心情をあらわす所作である「型」について、演じながらの解説でした。謡では、その極意「身体がスピーカーになること」を体感、所作の「感情表現」の本質についての奥義にも触れることができました。
当日の講演内容に若干の解説を加えたレポートの後編をお届けします。 (編集責任/岩田理栄子)

前編はこちら⬇️

【後編の目次】
1「謡」実演 謡の名曲「高砂」×「羽衣」
         —ツヨ吟×ヨワ吟 うたくらべー           2「型(所作)」実演解説 

                      


能の魅力についてあえて「能は謡が9割」ということがあります。それは、能のもっとも本質的な魅力は「謡」の中にあるという意味でよく耳にする言葉です。能は、謡とお囃子を中心に音楽的要素を特に大事にします。能楽師の胸郭を響かせる心震える謡に出会うと、言葉の意味が分からなくても、描かれているイメージ世界に一気に吸い込まれる様な心地良さを覚えます。

今回は特に、能楽の新たな時代を切り拓いた観世流シテ方・坂口貴信能楽師の、生の謡を聴けるという、その期待感で受講された方も多かったと聴きます。能舞台での発声がなぜあれほど能楽堂全体に響きわたるのか、その秘密と本質が分かる解説も貴重です。

謡は「コトバ」と「フシ」の2つで成り立っています。コトバは台詞にあたり、はっきりした旋律はないものの、独特の節回しを持ちます。それに対して、比較的はっきりした旋律がある謡がフシで、それはまた、発声の仕方によって「弱吟(ヨワ吟)」「強吟(ツヨ吟)」に区別されます。

講座では、一度は初めての方でも聞き覚えのある、能の謡の名曲「高砂」と「羽衣」が取り上げられました。テキストとしてそれぞれの詞章が用意されています。

観世謡本から「高砂」

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観世謡本から「羽衣」

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1.謡の名曲「高砂」×「羽衣」 ツヨ吟×ヨワ吟 うたくらべ

                

【ツヨ吟 「高砂」】 

坂口:結婚式等めでたいところで謡われることのある「高砂」です。門出を祝うという意味がありますが、これが「ツヨ吟」の代表です。あまり音程が上下しない、力で押すというのがツヨ吟の定義です。
では、実際に謡ってみましょう。

【高砂】詞章♪

高砂や この浦船に帆を上げて
月もろともに出汐(いでしお)の
波の淡路の島影や
遠く鳴尾(なきお)の沖こえて
はや住の江につきにけり
はや住の江につきにけり


(坂口師の謡に拍手)

【場面の説明】

陽春の光きらめく播州(兵庫県)高砂・高砂の浦。一本の松の老木の下を掃き清める気品ある老夫婦がいます。折から、この浦に立ち寄った肥後の国・阿蘇宮の神主・友成は、松の謂われを尋ねます。
「この松こそ、世に名高い高砂の松。この松と住吉の松は“相生の松”と言われています。私たち夫婦も、妻はこの浦の者、私は住吉の者で、遠く隔てて住んでいても、心は通い合っております。 私たちは高砂・住吉の松の精です。住吉でおまちしております。」老人はそう言い置いて、汀(みぎわ)の小舟に乗り、沖の彼方へ姿を消していく、と云うシーン。


謡シーン イラスト

                                                


   ▪️身体を響かせる、息を出さない、謡の極意

坂口:これは、普段は正座して舞台の上で謡いますが、私たち能楽師が謡を謡う時、息は前に出ていないのです。
今日は(感染予防で)アクリル板が前にありますが、大声で謡うのだからさぞかし息が前に出ているのだろうと想像される向きもあります。プロでないとそういうことがあるかもしれません。

実際には、私たち能楽師が息を前に出してしまうと、掛けている能面に声がぶつかって、外に出なくなり、お客様の耳に届かなくなってしまいます。そこで面(オモテ)で音が止まってしまわないように、若い修業時代はおでこに半紙を貼って、紙が動かないように声を出す稽古をするわけです。もちろん息が全く出ていないと云うことはないのですが、うわーっと前に吐き出してはいないのです。

息を前に出さないで声をお客様に届けることができるのはなぜか。私たちは身体を響かせる、背中を響かせる、さわったらここ(胸)が振動している様なイメージ、スピーカーの様な働きを身体にさせているのです。今日は前にお客様がいらっしゃいますが、そういうわけで息は出ておりませんのでご安心(笑)ください。


春の空


【ヨワ吟   「羽衣」】

坂口:次の「羽衣」はヨワ吟といいます。音程が結構上下し、柔らかい息づかいで旋律的に謡います。天女が羽衣を漁師の白龍(はくりょう)から返してもらうまでの話を描いた物語です。返してもらったお礼に、【破の舞】を舞い、国土を祝福して富士山の彼方へと舞い上がるシーンで謡われる謡(キリ)です。

【羽衣】詞章♪


東遊(あずまあそび)の數々に。東遊の數々に。
その名も月乃(つきの)。色人(いろびと)ハ。
三五夜中 (さんごやじゅう)の 。空に又。
満願真如(まんがんしんにょ)乃(の)影となり。
御顔圓満國土成就(ごがんえんまんこくどじょうじゅ)。
七寳充満(しっぽうじゅうまん)乃(の)寳(たから)を降らし。
國土(こくど)にこれを。施し給ふさる程に。時移って。
天の羽衣。浦風にたなびきたなびく。
三保乃松原浮島が雲 の 。
愛鷹山(あしたかやま)や富士の高嶺。かすかになりて。
天(あま)つ 御空 (みそら)の。 霞に紛れて。失せにけり

(坂口師の謡に拍手)


【羽衣ストーリー】
春のある日、漁師・白龍(ワキ)は三保浦で一枚の美しい衣を拾う。そこへ現れた、持ち主の天女(シテ)。彼女は衣を返してくれと頼むが、天女の羽衣と知った白龍はこれを惜しみ、返すことを渋る。衣無くては天界へ帰ることの叶わぬ身を嘆き、月の都を懐かしんで涙する天女。その姿に同情した白龍は、名高き“天人の舞楽”を舞うことを条件に、ついに彼女へ衣を返す。
羽衣を身にまとい、天人の舞を舞う天女。富士山を背に、緑美しい春の三保浦で舞い戯れつつ、天の舞楽を人間界へと伝える。やがて、彼女は数々の宝を地上に降らせると、春霞に紛れそのまま天に帰っていく。

桜富士山



2.  「型(所作)」  実演解説 

能は、「歩行の芸術」ともいわれ、白足袋での摺り足(ハコビ)の美しさには目を奪われます。最も能的な表現といわれる「一、二歩後退する」、その足に感情を入れるという技法を極めた坂口貴信師の【型、所作】の基本について、直接間近で見ながら解説を受けるという貴重な内容です。


▪️同じ型でも違う意味 ストーリーの流れで

坂口:人間の感情表現の分り易いところからまずお話します。笑う時、怒っている時どう表すか。先ずはやってみます。


笑う怒る1
笑う怒る2


坂口:同じじゃないか?(会場笑い)

坂口:今、二回やってみましたが、この2つの所作、全く同じに見えますね。ですが、感情を表す能の型は、そのときの言葉やバックグラウンドに流れている状況とその後の場面に、合わせていくのです。つまり、笑っているのか、怒っているのか、そこは型だけではなくて全体の話の流れで分るのです。その点をまず心に留めておいてください。


▪️写実的な所作

坂口:能の型の中でも「写実的な型」から型の特徴を見ることが出来ます。写実的な型はとても分り易いです。例えば、次のようなものです。


▼ 型 雲扇(くものおおぎ)

坂口:一回視野を狭くして、

雲の扇1.視野を狭く

坂口:右手で開いた扇を持ち、両手で体の前に扇を一旦持って行き、その後斜め上下に両手を開きます。そこから空を見上げる所作をします。

雲の扇2.見上げる



▼ 型 抱え扇(かかえおうぎ)

坂口:羽衣などの演目でも使われます、

抱え扇1

坂口:下から月を見上げる型です。

抱え扇2月を見る


▼型 泣く(シオリ)

坂口:泣く表現です。これを「シオリ」と言います。

泣く1


泣く2


▪️意味をなさない型

坂口:ここまではとても分り易い型をご紹介しました。ここからは、「意味をあまりなさない型」というお話をします。代表として、「サシ込み開き」という型があります。


▽型 サシコミ開き(さしこみひらき)

坂口:右手を上げながら、右足が前に出ます。

差込開き1.右手を上げる

坂口:左手を上げながら、足を後ろに下げます。

差込開き2.左手あげる


坂口:両手を広げます。

差込開き3.両手あげ開く

坂口:そして元に戻ります。

差込開き4.両手を下ろす

坂口:前に出て手を上げる。後ろに下がりながら手を横に広げ、そのままでまた下がる。そしてヨコに広げた手を下ろす。手は上げて開くだけです。身体は前後に移動します。これをサシコミ開きと云います。

坂口:これで何を表しているか、といいますと、何か意図しているものではなくて、深呼吸しているという風に捉えてみて下さい。例えば、1・2・3(ラジオ体操の)深呼吸をしてみる感じです。



   ▪️能の真髄 意識の「集中と開放」

坂口:【サシ込み開き】で手を上げていく時、手に持った扇の先の1点に意識のすべてを集中して「気」を前に持って行きます。(動作を入れながら)ぎゅーっと前の中心に持って行きます。そこに意識を集中をさせます。何か一点を指す感じです。

集中イラスト2

次に後ろに足を運びながら、扇を広げながら手を横に大きくそこから大きく広げて、開放します。小さな視野の一点から扇を大きく広げて、そして自分のところに戻ってくる。


開くイラスト2

このように、「サシ込み開き」という所作は、振幅、つまり「心の中の集中と開放」というものを表現しています。

中には謡の中で「あの松こそは・・」といって松を指したりすることもあり所作は細かなところでは様々ですが、いずれにしても、この「サシ込み開き」本来の意識と開放、これができなければ、他の全ての型もうまくいきません。

例えば、先ほどの所作「月を見上げる」等においても、最初にサシ込みをして(前に手を挙げ足を運ぶ)雲扇に意識を集中させ、視野を狭めてからぐーっと開いて行く訳です。
つまり、この型は「ただ型をなぞればいい」というものではなく、型がそれぞれ止まっているものでもなく、所作の中に「無限に力が広がる」ということを体現するための基礎的な訓練なのです。


雲広がり


   ▪️扇の指す先にある「月」を観て欲しい

坂口:大切なことは、お客様がご覧になる私たち能楽師の動きだけではなく、この「扇の指す先」あるいは、私たちが見ている先、何かそこでお客様と視点が合致する、そういうところ。私を見せたい、というよりも「私が見ている物を観て欲しい」それこそが能だと思います。

ですから、月を見上げる時に、確かに月を見上げている私を見て頂くことに違いはないのですが、お客様にも「どんな月なんだろう、ああ、こういう月なんだな」と思って頂ける様にしたい。つまり思い描いた月をお客様と共有できることが、お客様の「心を動かすこと」になるのだと思っています。

月を見るイラスト

何か大きく(バタバタ動作)動き回ることではなく、ちょっとこう見る(手をそちらに向ける所作)、この「ちょっと」というところに想像ができる、想像力を働かせることができる力があること、そういう能こそが先ほど(前編)「風姿花伝」の最後に申し上げた「老いてもなお残る花」の極意に繋がるということです。

それはどういうことかと申しますと、要するに役者も心の中にそういうイメージがなければいけない。「何をみるか」「何を動かすか」心が動いていないといけない。しかしながらお客様にもそれを見て、心が動いて想像してもらって、その心と心が合わさった時にはじめて「心が動いて感動が生まれる」。これこそが、能の難しさであり楽しさなのです。その共有こそが楽しみ方としていいのではないか、と思うところであり、私自身が目指すところでもある訳です。

正面月見
月1


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【講座を終えて】
帰り際に、暫く着座したままの女性から声をかけられました。

「私、喜多流で能のお稽古をしています。観世流の能楽師さんは初めてでしたが、こんなに美しい謡をうたわれる方がいらっしゃるのですね。本当に驚きました。少しは能を知っていると思っていた私にとって、新しい発見ばかりのお話でした」

人生で「本物」に出会う機会はそう多くはありません。
美しい謡だけでなく、美しい足の運び、心を動かす指先。そして新たな視点。目前で五感体感できる貴重なチャンス、第2回目は4月に開講予定です。是非、リアルまたはリモートでの機会をお見逃しなく!

                     

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築地本願寺・銀座サロン講座 4月〜開講予定
 
次回(第2回) 「能楽師直伝 能楽・狂言講座」日程 

 4月23日(金)14:00-15:30     観世流 シテ方 坂口貴信先生
「能楽師が読む『風姿花伝』〜第2弾〜」

5月7日(金)14:00-15:30      和泉流 狂言師 野村太一郎先生            「狂言の世界〜役柄について〜」                                                      

6月1日(火)14:00-15:30      喜多流 シテ方 大島輝久先生       「夢幻能とは何か」           


【お申し込み】
築地本願寺・銀座サロン KOKOROアカデミー

*下記サイトよりご登録の上、講座一覧から受講申込みができます。        (受講料1,000円/1講座)



椅子


coming soon

◆光源氏のモデル 「源融(みなもとのとおる)」 能舞台    ー「三人の会」3/13 坂口貴信出演ー    


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《見どころ》 秘技 十三段舞い重ね
能 「融 
思立之出 十三段之舞」 世阿弥作   シテ方 坂口貴信

光源氏のモデルともいわれる源融。失われた優雅な日々の情景が、その象徴とも言える月下の河原院に浮かび上がる。廃墟の涸れた池に水が甦り、冴え渡る月光にあそぶ融大臣の霊が舞う優美……。世阿弥作の謡曲『融』(とおる)は、仲秋の名月の夜を舞台にした、詩情溢れる名作です。「十三段之舞」は、重い習の小書(特殊演出)で、通常は五段の早舞を十三段舞い重ねるという、融大臣の華やかな御遊の様子を強調した演出。坂口貴信師の華麗なる舞によって、滅び去った美しく高貴なものへの憧れが、ひときわ切なく観る者の心に響く珠玉の能舞台をお楽しみください。


【観世能楽堂 チケット情報】                                                                                    坂口貴信出演「三人の会」公演間近 好評発売中!                                         チケット申し込み → 観世ネット www.kanze.net

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三人の会



◆銀座情報 日本博「皇居外苑特別公演」 祈りのかたち

【翁】 観世宗家他出演 3/12(金)12時開演

            翁    観世 清和           
           三番叟   野村 萬斎
           千歳    観世 三郎太
           面箱    野村 裕基

           後見    片山 九郎右衛門
                 坂口 貴信
           三番叟後見     野村 太一郎
                                   高野 和憲

日本博とは、《日本と自然》を総合テーマとした、日本の美を体現する文化芸術を振興し、その多様かつ普遍的な魅力を発信することを目的とした舞台芸術公演・文化芸術祭です。今回は3/12〜13に開催、特に能・狂言については明治維新以降、実に100年ぶりの皇居周辺での上演。皇居の豊かな自然を借景とした珠玉の芸能の数々を観賞できるまたとない機会です。

初日の3月12日公演予定は、観世流からは【翁】観世清和師、金春流からは一調「杜若」金春憲和師、喜多流からは舞囃子【羽衣】友枝 昭世師等の舞台が披露されます。

⭐️WEB観賞 オンラインチケット(1,200円)発売中!

⭐️BS日テレ  『日本博「皇居外苑特別公演」』特別番組            放送日程:3月27日(土)午後12時30分〜午後2時



歩道


◆編集後記(editor profile)

パンデミックが世界を覆ってから早くも1年を超えました。感染状況に応じて刻々と変わる世情は、私たちにいつも決断を迫ってきます。コロナの後にどんな社会がやってくるのか、今何を優先的に行動するのか。誰も答えを持っていません。

ただ一つ確かなことは、もはや元には戻らないこと。

実践哲学者・森信三氏が告げる言葉。

「直線は、いかに延長するも、ついに直線を出でず。それが円となるには、直線は自らの進路を遮断せられて、無限にその方向を転ずるの極ついに成る。」

道が塞がれる、壁にぶつかる、方向を変えるーパンデミックがもたらした大きなチャンスと考えると自ずと道が見えてくるような気がします。

願わくば上向きに螺旋を描いて生きていきたい。いつか円球に成るために。New type な生き方の時代到来です。

本日も最後までお読みくださりありがとうございます。

          責任編集:【銀座花伝】プロジェクト 岩田理栄子


〈editorprofile〉                           岩田理栄子:【銀座花伝】プロジェクト・プロデューサー         銀座お散歩マイスター / マーケターコーチ
        東京銀座TRA3株式会社 代表取締役
        著書:「銀座が先生」芸術新聞社刊


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