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仮差押え?@金貸した-12

差し押さえという言葉を聞いたことはない人はいないと思います。今日お話をするのは、「仮」差し押さえ命令とは、どのようなものかです。

昔、多少男女の仲になっていた人にお金を600万円借りていたんですが、急に、仮差押え命令書が届いて焦っています。。
不倫しているのはわかっているんですが、奥さんから仮差押え命令書が届きました。このまま預金はすべて取られてしまうんでしょうか?会社に差し押さえされたみたいでとても焦っています。。

仮差押えに焦ることがないように、まずは仮差押え命令はどのような制度なのかご説明します。仮差押えは、資産を隠す危険がある場合にかける、と教科書に書いてあるのは書いてあるのですが、実際は、判決で勝訴となっても、絵に描いた餅にならないようにする目的で、債務者に暫定的にその資産の処分を禁止させる手段であることが多いのです。暫定的な手段だからこそ、「仮」差し押さえですし、一定の要件を満たしていないと仮に差し押さえしてくれません。暫定的な手段をとるっ必要、「保全の必要性」と、「被保全権利の存在」が要求されています。

保全の必要性?

 金銭債権の執行が不応または著しく困難な場合、には保全の必要性がありと判断されえます。たとえば、債務者が、貸金は借りていない、と否定をしたり、慰謝料なんか払う必要がないといっているから、ではだめです。そうではなくて、財産状態が悪化している、といえる必要があるのです。

被保全権利の存在?

 なにがなんでも仮差し押さえができるのではなく、しっかり差し押さえを求める債権者が、債務者に対して権利をもっている、貸金債権なら貸金債権、不法行為債権なら不法行為債権を有しているといえる必要があるとされています。

仮差し押さえへのハードル

 実は、この仮差押え、権利関係を確定させる手続ではなく、あくまでも「仮」の手段です。仮、である以上、割と柔軟に運用している要素があるのです。債権者側の言い分だけ聞いて発令されてしまうのです。

だからこそ、ご相談者さまたちのような相談が生じてしまうのです。ちなみに、申立をしてだいたい2日以内には、裁判官と面接をしてその場で決定されてしまうこともあるのです。ただ、債務者に損害が生じる場合に備え債権者には担保を供すること、すなわち裁判所にお金をおさめなさいと言われるのですが、不法行為債権や、賃金仮払いなどの場合には無担保もよく見かけています。

 給料債権や賃料債権などの継続的な収入によるものです。これが本当に怖くて、毎月毎月差し押さえをしなくても当然に効力は維持されてしまいます。債務者は権利を取り立てることができなくなってしまうので、すぐに全額払うから取り下げてほしい、などの交渉ができることが多いのです。

裏を返すと、不貞行為の賠償額を争うこと、貸金を借りていないことなどは、後日争っていくことはできますから、債権者にとっては過度な期待は厳禁です。


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