借用書も何もありません@金貸した-6
同棲している女性から、今月はバイトの収入が少ないとか、どうしてもほしいアクセサリーがあるとか、美容院やエステに行きたいけどお金がないから貸してくれと言われて、その都度お金を貸していました。
少ないときでは、1万円で、多いときでは20万円の時もあり、2年間の同棲生活で、合計200万円近くになりました。
貸すたびに「絶対返してね」と念を押して、女性も「お金入ったら返すから」と言われていましたが、返してくれたのは、2、3万円くらいでした。
私としては、将来結婚するつもりだったので、まあ、仕方ないかなという感覚で、借用書を作成することもなかったのですが、最近、女性が他の男性が好きになったと言って、家を出ていってしまいました。
借用書がないと貸金返還請求できないのか?答えはNOです。
実際、男女の関係が良好な時に、わざわざ借用書をとっておくことは逆にまれではないでしょうか。
弁護士はよく、お金を返してもらいたいのですが、借用書を作れなくても、ラインで時々早く返してね、今合計いくらだよ、などとの軽いやりとりだけでも残しておいてくださいとアドヴァイスさせていただいています。
実際の裁判の現場では、そんな何気ないやり取りが残っているだけで、たとえば100万円などの単位でのお金の請求が認められたり、否定されたり、ある意味、極端な世界が広がっているのです。
類似のケースで、借主から、私たち結婚するんだからいいんじゃない?などと適当な返事が残っているだけのケースがありました。
このケースでは、自分が貸した記録はひとつひとつメモに残っていたのですが、すんなり、貸金返還請求は認められていきました。
今月はバイトの収入が少ないから、「ちょっとみてくれないかな。」どうしてもほしいアクセサリーがあるから、「考えてくれないかな。」美容院やエステに行きたいけど「ボーナスまできついんだよね。」
これらLINEをかき集めて主張立証していきました。もちろん、被告は贈与、もらったものなんだと否定していましたが、あげたというより返してもらえると期待することは合理的なのだと認定されていました。
しかし、ここには一つの悪魔が潜んでいます。
最近、女性が他の男性が好きになったと言って、家を出ていってしまいました。
貸したお金を返してもらうのは、当然です。
しかし本当に返還請求をしてしまったら‥?結果的にその男性と結束を深めてしまい、本当に彼女は返ってこないことになってしまうかもしれないような気もしなくもありません。