銀座の「建築遺産」に住んでみる
日本には345の「銀座」があるそうな。あたしの事務所は北区にあるが、すぐ近所に「小台銀座」がある。戸越、十条などなど、たちどころにいくつか浮かんでくるので、もっと多いのかと思いきや、それほどゴロゴロしているわけでもないんですね。
そんな銀座に1ヶ月限定で住んでみることになった。「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」に申し込んでみたところ、あっさり当選してしまったのである。
ちなみに、タダじゃありませんよ。1ヶ月の家賃12万円(光熱費込み)。「カプセルタワー」という名前のとおり、部屋もカプセルのように狭く、12万円が安いか高いかについては、諸氏意見もあろう。
しかしながら、黒川紀章が設計し、竣工から47年を迎える「建築遺産」のようなビルである。住み心地は兎も角として、悪くないじゃないか。8丁目の端っことはいえ、ここは「ギンザ」だ。ギンザで呑み暮らす1ヶ月。うん、まったく悪くない。
窓からは首都高速が見える。夜になると部屋の明かりを消して、酒を呑む。実になんと申しましょうか、心がほろほろほぐれるような、いい時間なのですよ。
あたしの自宅は杉並区にある。そんでもって、サラリーマンをやめてからちょうど10年。事務所(一応これでも「代表取締役」である。社員1人の幽霊会社だが)は文京区江戸川橋、港区元赤坂と引っ越し、先述したように今は北区田端にある。
何が言いたいのかというと、東京23区の地理に関しては、かなり詳しいってことだ。生活拠点がばらけているうえに、ジョギング・銭湯という習慣がある。同じコースを走るのが嫌いなので、その日の気分で新しい道を走る。
たとえば、港区元赤坂から片道10km走ると、東京スカイツリーの少し先まで行き着くのだ。その間の道々だけでも未知の景色を楽しむことができる。
そして、銭湯だ。これまで訪れた銭湯は400を超えている。あっちこっち丁稚である。こんなことを10年もやっていれば、自然と地理にも詳しくなろうというものだ。
ところが、「銀座八丁」について詳しいかと問われれば(問われていないけど)、意外や知らないなぁということに気付かされる。
お目当ての店などは予め決まっていて、「銀ブラ」っていうほどうろついているわけではない。「八丁」には、定めし新しい発見が転がっているんだろうなと感じる次第。
そんな毎日について、備忘録代わりに書き留めておこう。と思い立った。これからの1ヶ月間、まことに楽しみである。
ところで、
マガジンタイトルの「ビ・ギンザ・ビギン」だが、ひょっとするとひょっとして元ネタがわからないのでは。という気がしなくもなくもなくもないので、念のため付記しておこう。
「ビ・ギンザ・ビギン」と「ビギン・ザ・ビギン」。間違い探しか?(笑)
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