PCOSってなんだろう

はじめまして。銀座にある誠心堂漢方館です。

少し前までは敷居が高いと思われがちだった漢方薬も少しずつ認知され、幅広い世代の方が手軽に試して頂くことが多くなりました。

それでもまだ来店するのに勇気がいるという方、多いです。そういった方へまずはブログという形で漢方を知って頂きたい。なかなか人には話せない体の悩みを私共でサポート出来ればと思います。

さて、PCOSという言葉をご存じでしょうか?

日本語では多嚢胞性卵巣症候群といいます。簡単に説明すると卵巣の中に未熟な卵胞がたくさんあり、排卵しづらい状態です。

比較的若い世代の方から多くみられ、無月経や月経不順で婦人科を訪れた際に判明することが多いです。また、不妊症の原因の一つと言われています。

私は10年近くこの業界にいますが、以前と比べてPCOSと診断される方が増えたと感じています。もしかしたら、婦人科で検査をする若い世代が増えたのか、漢方が手軽になり治療の一つとして選択する方が増えたのかもしれません。

現在、PCOSは女性の20~30人に1人の割合だと言われています。比較的多い割合ですね。

主な自覚症状

・過長月経(35日以上)、月経周期不規則、肥満、多毛、にきび

日本人では肥満や多毛などが無い人の方が多いようです。

婦人科での診断所見

・エコー診断でのネックレスサイン(卵胞がネックレス状に見える)・ホルモンの値 AMH高値 FSH>LH、・インスリン抵抗性(高インスリン血症)

治療法

排卵誘発剤、ピル、糖尿病治療薬など、その人の状態によって内服薬を使用します。

PCOSは不妊症の原因のひとつです。20代であっても将来お子さんを希望している場合は、早めに治療することをおすすめします。

漢方(中医学)で診るPCOS

私たちの治療では中医学の考えに基づいて漢方薬を選択し、治療していきます。

PCOSの方の体質は主に

・痰湿、気滞、瘀血

痰湿=余分な水分を溜め込みやすい

気滞=気(エネルギー)が滞りやすい

瘀血=血行不良

大体このような体質の方が多いですが、その人の体質によってより偏っている部分があるので複雑な場合もあります。PCOSの原因は元々持っている体質から、遺伝的体質、日々の生活習慣などにより起こるとされています。

痰湿タイプ=利水、水分代謝を良くする漢方 ・温胆湯・五苓散など

気滞タイプ=気の巡りの改善をする漢方 ・加味逍遙散・芎帰調血飲第一加減など

瘀血タイプ=血流の滞りを改善する漢方 ・桂枝茯苓丸・温経湯など

実際、来店されている方で婦人科でPCOSと診断され、その後治療していき、再度検査した際にホルモン数値などが改善されたという例もあるので漢方治療はひとつの選択肢として考えてもいいでしょう。

PCOSの厄介なところは、排卵しづらいこと、卵胞の育ちが遅いため、排卵のタイミングがつかみづらいことです。お子さんを希望している場合は基礎体温を測り、ご自身のパターンを把握しておくといいですね。

漢方相談のご予約受け付けております。その他の気になる症状などありましたらお電話、またはメール問い合わせにてご連絡下さい。



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