《ライブレポート》10/12 愛知 タロット×ストーリーテリング&タロット交流会
2024年10月12日、愛知にて『タロット×ストーリーテリング&タロット交流会』を開催いたしました。
お天気も最高でテューアさんにつつがなく到着。
ただ、朝晩の寒暖差が激しく、また運搬中に新大阪でちょいちょいぶつかられたせいか、すこぶるハープのご機嫌が斜め。
具体的にいうと調律は狂いまくり、あとレバーを上げ下げしても正規の動きしてなくないですか……?ということもあり。
相棒のハープ殿のご機嫌を一生懸命取っておりました😌
頼むから元気でいておくれ。
お客様がいらっしゃり、テューアさんのスペシャルスイーツが出てきます。
ハーブケーキの一口目。
「こ、これは……なにかすごく覚えのある……和菓子屋さんに行って、お持たせ用に買っていく用の焼き菓子の何かみたいな?……ハッ!栗饅頭だ!」となるお味でした。栗入ってないのに?!
おそらくケシの実に味覚が引っ張られたのでしょう(私の舌はケシの実を栗饅頭の味判定しているらしい)
しばらくしたらとってもハーブの味がしてきて、ケシの実パワーは減殺されてゆきました。
しっとりで美味しかったです。
続いてビスケットのようなソウルケーキ。
これは……珈琲に合う……珈琲にして良かった……
グラスに入った白いフルーツ・フールはホイップした生クリームにベリー。旅の疲れを癒してくれました😌
珈琲も美味しいのですが、ハーブティーも癒されるのでおすすめです。
さてさてまずは第一部!
語り&竪琴『愚者の旅』
タロットの大アルカナ22枚は『愚者の旅』(フールズ・ジャーニー)というストーリーになっている……というのはタロットに触れられている方の間では定番のもので。
どうやらイーデン・グレイさんという女性の占い師さんが考案された概念なのだそう。
イーデン・グレイさんの本はまだほんのちょっとしか拝読できていないのですが、味のあるいい感じの文章でした。
私は十数年前に、↓の本で『愚者の旅』の概念に出逢いました。
表紙の雰囲気がいかにも冒険✨という感じでいいのです。
さてさてライブに戻りまして、
今回お話しましたストーリーは……
森に住む魔女の家。
ある星月夜のこと。
旅の魔術師が扉を叩き「一晩泊めてほしい」と宿を乞います。
魔女は一夜の宿を提供する代わりに、なにかひとつ物語をするように魔術師に交換条件を出します。
魔術師は一組のタロットを取り出し、タロットの物語を始めました。
タロット0番「愚者」は訪ねてきた魔術師自身。
そしてタロット21枚に描かれたものに次々と出会ってゆく冒険の旅をした後、最後にまた0番の「愚者」に戻ってきて……
という物語です。
十数年前に吟遊詩人なりたての私が『愚者の旅』という概念を知り、創作したストーリー。
吟遊詩人なりたての私が仕立てることができたくらいのストーリーですから、これから始めてタロットの物語を創る方であっても、ちょうどお手頃なストーリーになるはず。
ただし、昔の私の創ったものなので細部が甘く、細部を詳細に追加しました。
参考にしました御本がこちら。
もちろん昔に読んでおりました冒頭の書、アルフレッド・ダグラス『タロット』は十数年前に土台として参考にさせていただいております。
他にも今まで読んだ数々の書の内容が詰めこまれています。
例えば「吊るされた男」は思いきり北欧神話の『エッダ』のオーディンからですしね🌳
タロットは様々な先人が長い年月をかけてたくさんの解釈をあたえ続け、それでも大枠はだいたい同じのままに伝えられている……という、私が普段扱っている伝説と同じように受け継がれ続けているもの。
その思いを汲みながら、自分自身のオリジナリティも加え、現代の息吹を与える。
そして、また私の後にも歴史が続いていく……
自分がそういう「人類が紡ぎ続ける夢の織物のほんの一部」になるのが、伝承されているものに関わることだと思っています。
さて、語りと竪琴の終了後は休憩を挟みまして。
レクチャーです!
ご自身で『愚者の旅』を創り上げていく方法ですね。
初級編の雛型を使ったやり方をメイン。
中級編の瞑想の方法はお試しでひとつしていただくことに。
中級編の瞑想については、物語を取り扱いをする人全般に必要な「物語との線の引き方」についてもお伝えしました。
物語と距離の取り方を失敗すると最悪の場合、生命に危険が及びます。物語は心を救いもするけど、心を殺すこともあるのです。そして心が殺されると、人はそのまま死に邁進してしまうときがあります。
私は物語を人の心を生かすために使いたいという側の人間です。ですから、線の引き方をお伝えしました。
あとはタロットの技法と、物語の語りの技法との類似点・応用についてお話させていただきました。皆様の物語創りの参考になりましたら幸いです。
もっともっとお伝えしたいことはたくさんあるのですが、一度ゴリゴリお伝えし始めると2時間3時間一日中と続いてしまうですょうから……それはまたの機会に。
第二部は交流会。
さてさてまずはブックレビューを。
なんといっても、会場の中世ルネサンスブックカフェテューアさんにはたくさんタロット本があります。
↓テューアさんの蔵書。中世ルネサンスのヨーロッパものの文献がもりもり。小説も漫画も資料本もたっぷりです。タロットもルネサンス期に萌芽が見られるものですね。
その中からタロット関連の書籍を5冊セレクト。
うち三冊は前述しました、
①アルフレッド・ダグラスの『タロット』
②いけだ笑みさんの『いますぐ深読みできる フレンドリー・タロット』
③レイチェル・ポラックの『タロットバイブル』
あとの二冊は、まずはこちら。
関連して藤村シシンさんの古代ギリシャの叙事詩を使った書物占いのお話もさせていただきました。
(すみません、シシンさんの本がテューアさんにあったかどうかは確認できておりません💦)
そしてタロットといえば一時期は魔術師に大いにもてはやされた最高の書物!魔術師たちが魔術の体系にゴリゴリにタロットを照応させていたりしてめちゃくちゃ面白いんだ!!
そして昔のタロットの紹介のされ方は圧倒的にそっちだった気がするぞう!!昔のあのタロットが妖しげな魅力を放ちまくってたころの雰囲気をカムバック!!
よしあった!!
こう、あれだ、「俺の右手は実は異界の邪神が封じられし右手」とか言いたい人は、問答無用で澁澤龍彦と種村季弘を読むんだ!!
……失礼しました。何かが乗り移っていたようです。
気を取り直して。
皆様からもいろんなタロット本をご紹介いただきました。
研究書らしき分厚い本をご紹介いただいたり、逆に「持ち歩けて便利よ✨」とkindleをご紹介いただいたり、タロットの現物をご紹介いただいたり。
その後は、皆様で交流。
いつもはバラバラと2,3人で集まって流動的にお話する感じでしたが、今回は皆様で一同集まってお話する形にいつのまにかなっており、和気藹々とされてて大変ありがたかったです。
お一人ずつ好きなタロットについてお話したり。
ちなみに私は推し(ガウェイン卿)の名前の意味が戦車の王子だから「戦車」が好きです。
実際「戦車」みたいな人ですしね……普段は武力・知力・精神力など、パワフルにいろんなもののを全部バランスよく乗りこなすタイプの人で。
でも何か起きると一気に暴走に転じちゃうので、まずいところもあるんですが。そこも併せて大好きです。
他の方の素敵な解釈もお聞きしましたが、そちらのお話につきましてはその場にいた方だけのものということで、とどめて置くことといたしましょう……
Xの方にお寄せいただいたご感想を少しご紹介しますね。
https://x.com/to_koshiba/status/1845110394093961729?s=46&t=7cikqu7_TX8siHUyBOVRAQ
ご来場の皆様、イベントの開催を応援してくださった皆様、テューア様、テューア様のスタッフの皆様、素敵な時間をありがとうございました!!
また、お会いしましょう!
現在ご予約受付中のライブ予定
11/2(土)大阪 ケルト神話
英雄クー・フーリン VS メイヴ女王
神話の香り、荒々しい古代の戦い。
開戦のサウィンの時期に物語を聴きながら、
ケルトの新年を祝って乾杯を!
12/13(金)東京 アーサー王伝説
『ガウェイン卿と緑の騎士』
中世の騎士の優雅な言動をとくとご覧あれ!
ファンタジーとアヴァンチュールの濃密な空気の中、ガウェイン卿の騎士としてのあり方が揺さぶられる中世文学の傑作です。