Record.155 《 魔神 編 11 》●鏡のお守り
● 鏡のお守り
ナカムー『これからまだ強いの来るやろ?俺、鏡のお守りあと2、3個いるんちゃう?それぐらいせなヤバない?』
私『そうじゃねぇ』
確かに、今の闇側の呪術の精度を考えたら、ナカムーにあと2つ3つ鏡のスペアを作っといた方が安心かもな………と考えた。
でも、それをするとヤバい気が、する。
鏡のお守りを作ってから、ずっと変な感覚が続いていた。
定期的な鏡の補強にも限界が来ていたのを感じていた…。
エネルギーが出ていない。
ヒーリングしても、ガス欠みたいにプスプス~~って感じだった。
私がヤバい気がする…。
鏡を作ってから、私は『この世界にいない』感覚が強い。
夢の中でもリアルに空を飛ぶ夢ばかり見る。
この感覚は、過去何度か経験ある感覚だった。
それは魂が抜けている状態。
死にかけているって事だ。
ヒーリングしてても、イメージがしずらいし、効いてる気がしなくなっていた。
地球が闇で覆われてるような、苦しさも感じていた。
頭も痛い。
鏡に術をかけた事により、私の中で何かが起きている……。
『一回、神のアニマさんに聞いてみてくれん?ナカムーが鏡を持って良いか……私が鏡を追加で作るべきか……』
ナカムーにお願いして鏡の事を聞いてもらった。
神のアニマさんによると、
鏡には私の意志、魂が宿っているらしい。
ナカムーが鏡を持っていると、
『二人共死ぬ』
と言われた。
ナカムーが鏡をしていると闇側がナカムーを私だと勘違いして猛攻撃をしてくるとの事だった。
今までもそうだが、私には普段ナカムーの何倍もの攻撃が来ているので、ナカムーがそれを受ける事になる。
鏡をしている時は良いが外した時が危険で、ナカムーは攻撃に堪えれない。
私の魂とエネルギーを纏ったナカムーは、私の替え玉状態となってしまっていたのだ。
そして私も魂が抜けてるから霊力も弱くなっているから攻撃されたら死ぬし、ナカムーを助ける事もできない。
この時は向こうはナカムーを私だと思っていたから、まだ大丈夫だった。
『わたしはなんてものを生み出してしまったんだ!( TДT)』
という事で、恐る恐るも慌ててナカムーから鏡を戻した。
それから私が鏡を持っていたが、私に攻撃がめちゃくちゃ来ていて、偏頭痛と体の痛みでグロッキー状態。
このままでは共倒れになる……。
鏡返してもらったのに、なんでだろ。
ヒーリングしても全く良くならない。
ヒーリングが効かないとやばい。
私の状態はかなり危険だった。
ナカムーに頼んでもう一度神のアニマさんに聞いてもらうと、
『魂が鏡に囚われてる。込めすぎた。戻さないといけない』
と言われた。
鏡を持つだけでは魂は戻らなかった。
私の魂は抜けた状態だけど、自分の魂鏡は持ってるから向こうからは『私』という認識がある。
しかも私が弱ってるから、
『今がチャンスだー!ぶち殺せー!!』
って感じで猛攻撃を受けていた状態だった。
アニマさんのアドバイスに従って、鏡を手のひらに持ち、左手から魂を吸うと体に戻った。
偏頭痛もなくなった。
ヒーリング力も戻った。
少しダメージは残ったけど、少しずつ回復した。
戻す方法があって良かった……。
もし、あのまま魂が戻らず、万が一鏡が割れたらどうなるんだろう……とか考えたら肝が冷えた。
普通に『死ぬ』くらいじゃ済まされないだろう。
あのままだったら、本当に二人共死んでたな…。
ナカムーも、
『俺を守るために……すまん…』
と言ってくれていたが、
でも、結果大変勉強になったし、必要な経験だったのだろうと思う。
鏡は不思議だなあ。
ヒミコさんもこんな風にヤタノカガミや他の神器に自分の霊力を移したのかもしれない。
『神器は霊力のレプリカ』と言っていたのはそういう事なのかなあと思った。
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