11話*ボンさん、体調を崩す
2015年、1月の始め。
嫌な夢を見た。
ホウホウが居なくなって、ボンさんが淋しそうにしている夢だった。
起きた時、悲し過ぎて悲し過ぎて、
どうか現実になりませんようにと、心底願った。
その夢を見たあと、ボンさんが風邪をひいて体調を崩した。
体が弱って、ご飯を食べないボンさんを初めて見たので動揺した。
私達はボンさんを膝に乗せて、マフラーやらジャンパーやらぐるぐる巻きにしてボンさんを必死で温めた。
あの夢が脳裏をよぎって不安になった。
挙げ句、パートナーTの膝に乗る弱ったボンさんを見て、ボンさんが死ぬんじゃないかと私は泣いてしもうた、、、。
しばらくあらぬ妄想をして泣いておると、
急に、私の背中を小さな手がポン!と押してきた。
突然の怪奇にびっくりして振り向くと、
ホウホウが私のすぐ後ろにいて、私を見ていた。
そして、また小さな前足で私の背中をポン!と押したのだ。
『え、え、え~~~????』
一瞬なにが起きたのか、
今まで一切触らせなかったホウホウが、自分からそんな事をして来るのが信じがたすぎて、涙はびっくりして止まった。
『ど、どうしたん、ホウホウ~??』
すると、T君の膝に乗ってうずくまっていたボンさんも顔をあげ、私を見て少し笑ってるみたいにじっ~と見た。
そして、ボンさんはT君の膝から降りて来て、私の膝に乗って来たのだ。
ただただ、びっくり。
君たちほんまに猫なん?魔法使いなん?
優しい、優しい、何かに襲われ、何だか一人メソメソ泣いていた自分が恥ずかしくなった。
そして、気を強く保ち、
明日病院つれていくか、とりあえず保護するか、でもホウホウを一人にするのも可哀想だし、でもボンさんが死ぬのは嫌だ、と色々話し合った。
ジャンパーの中に入れて暖めていたボンさんを、とりあえず一度このまま連れて帰ろうかと試みた。
ボンさんの体重はかなりあって、『やばいやばい』ってがに股になるワタシ。
ボンさんも途中で嫌がって飛び降りた。
もう一度試したけど、無理だった。
そりゃそうだ。
ボンさんもホウホウを置いていけないと思ってたのか、ホウホウのとこに戻って行った。
そりゃそうだ。
とりあえず、急すぎて無謀すぎたので様子をみようとその日は帰った。
次の日昼に様子を見に行くと、ボンさんは元気になっていてご飯を食べてくれた。
なんだあ~たまたま体調悪かっただけなんかな?とりあえず良かった!
私達は心底、ホッと胸を撫で下ろした。