第1回職工宝刀杯参加者の使用デッキ
2024年11月24日、千駄木にて 職工宝刀杯 の第1回大会が、フォーマット:職工スタンダード(コモン・アンコモン限定スタンダード構築)で開催された。
当記事では、そんな記念すべき大会に集まった6名の参加者の使用デッキを紹介していきたい。
この記事が、これから職工スタンダードを始めようとする方々の、デッキ構築の助けになれば幸いである。
トップ6
スイスラウンド6位 緑単エルフ
まず紹介するのは緑単エルフである。
1ターン目《ラノワールのエルフ》からの2ターン目《傲慢な完全者》という動きは、数ある職工スタンダードのデッキの中でもトップクラスの出力を誇る。
また、《ブランチウッドの鎧》によるサイズに任せたゴリ押しや、横に並べてからの《踏み荒らし》などといった、搦め手にも事欠かない。
今回は惜しくもスイスラウンド全敗という結果に終わってしまったが、ポテンシャルは非常に高いデッキであると言えよう。
スイスラウンド5位 緑白カウンター
続いて紹介するのは5位のセレズニアカウンターである。
キーカードは《植物の喧嘩屋》であり、このデッキでは+1/+1カウンターを乗せるカードが多いため、驚異的なサイズに成長する。
特に《植物の喧嘩屋》が複数枚並んだ際の爆発力は凄まじいものがあり、あるクリーチャーに+1/+1カウンターが乗ると、それに反応してそれぞれの喧嘩屋にカウンターが乗り、喧嘩屋にカウンターが乗ったことで他の喧嘩屋にもカウンターが乗り…と、サイズが跳ね上がっていく。
また、絆魂持ちのカードが多く、アグロとのライフレースに強く調整されていると感じた。
今回はアグロデッキがあまり多くなかったためか、あまり順位は振るわなかったが、環境にアグロが多いと読んだ場合には手に取ってみては如何だろうか。
トップ4
スイスラウンド4位 赤白バーン
続いてトップ4に残ったデッキを見ていく。
まずは、今大会 唯一の赤系アグロとなった、スイスラウンド4位のボロスバーンである。
採用されているカードを見て分かる通り、バーン系の呪文はスタンダードのボロスバーンと全く遜色のないラインナップを採用できるのが最大の魅力であり、特に《ボロスの魔除け》《稲妻のらせん》が使えるのがボロスにする最大の魅力である。
一方で、職工であるためクリーチャーの質はあまり高くなく、また土地基盤もあまり強くないため、勝ち切るには相応の実力が求められるデッキであると感じた。
今大会ではアグロ対策も多かったためか、この順位となったが、バーン呪文の強さはお墨付きであり、また通常のスタンダードのデッキを少し変えるだけで組めるため、通常のスタンダードを普段からプレイしているプレイヤーが職工スタンダードをプレイしたい場合にオススメしたいデッキである。
スイスラウンド同率2位 青赤カウンターバーン
同じくトップ4に残ったデッキ、青赤カウンターバーンである。
今大会で唯一の青系コントロールデッキであり、豊富なカウンターと火力除去で時間を稼ぎ、ドローソースによってアドを稼ぎ、最終的には火力呪文や《トレイリアの恐怖》、《錠前破りのいたずら屋》や《幻影の干渉》のトークンによる飛行クロックによって勝つデッキだ。
このターンに別の呪文を唱えていればキャントリップ付きの2マナ2点火力となる《優雅な連続技》など、カードの選定にこだわりを感じる、洗練されたデッキであると感じた。
今回は準決勝にて相性の悪いデッキと当たったため この順位となったが、優勝してもおかしくないデッキであることは疑いようがないだろう。
準優勝
スイスラウンド同率2位 白黒エンチャント
惜しくも準優勝となったこのデッキは、白黒で組まれたエンチャントシナジーデッキである。
戦場にあるエンチャントの数だけクリーチャーに修正を与える《天上の鎧》、エンチャントが出たときに+1/+1カウンターでクリーチャーを強化できる《呑気な物漁り》といったエンチャントシナジーカードに、出たときに仕事をする《逃げ場なし》《山賊の才能》といったエンチャントを組み合わせ、またそれらのエンチャントを《養育するピクシー》で使いまわし…といった具合に、デッキ全体が強いシナジーを構成している。
特筆するべき点として、絆魂を持つ《大洞窟のコウモリ》や、戦場の脅威を除去しつつエンチャントしたクリーチャーに絆魂を与える《幽霊による庇護》といったカードにより、アグロに対し強い耐性を持つ一方、《大洞窟のコウモリ》《山賊の才能》《思考忍びの邪術師》といった豊富なハンデスにより、青系のコントロールデッキに対しても強く出られるデッキである点が挙げられる。
今回は惜しくも準優勝となったが、そのポテンシャルは非常に高いものを感じた。 興味があれば是非回してみると良いと思う。
優勝
スイスラウンド1位 青緑テラー
第1回 職工宝刀杯の映えある優勝デッキはこちら、緑青テラーである。
デッキの動きとしては至極単純、切削しつつカードを濾過する呪文により墓地に大量のインスタントやソーサリーを送り込み、軽いコストで《トレイリアの恐怖》や《渦泥の蟹》を戦場に送り込み、殴り勝つという、シンプルにして強烈なデッキだ。
その性質上、ミッドレンジ系デッキにはクリーチャーの質で勝る分だけ強く出られる他、《豆の木をのぼれ》のもたらすアドバンテージによってコントロール系のデッキに対しても有利がつく。
一方、高速アグロデッキに対しては、対抗手段が《送還》や《希望の種子》によるライフゲインと 少々心もとないが、ボロスバーンに対し、スイスラウンドとシングルエリミネーションの両方でマッチアップし、二回とも勝っているため、戦えない訳ではなさそうだ(ボロスバーンがクリーチャーを横並べさせるタイプのデッキでなかったことが幸いした可能性はある)。
特筆するべきカードとして、《渦泥の蟹》が挙げられる。 出たとき能力でクリーチャー2体をタップさせられる このカードは、攻守どちらにも優れており、この大会で常に存在感を出していた。
また、4枚採用されている《送還》は、相手のクリーチャーを戻して時間稼ぎをする他に、自分のクリーチャーに撃たれた除去をかわす役割もあり、このデッキにマッチしたカードであるように思えた。
なお、このデッキは今大会で全てのマッチに勝利しており、また、ゲーム単位で見ても、落としたゲームは準決勝の対ボロスバーンの1回のみである。 今大会のベストデッキは、文句なしに この緑青テラーであると言えるだろう。
興味を持った方は是非組んでみて欲しい。
おわりに
少々 駆け足になったが、これにて第1回職工宝刀杯の参加者の使用デッキ紹介を終えようと思う。
今回は6名と、やや少人数での開催となったが、今回のデッキ紹介を受けて職工スタンダードに興味を持ってくれる方が増えれば幸いである。
最後になるが、第2回の職工宝刀杯の開催が決定したため、告知をさせて頂きたい。
第2回の職工宝刀杯は、 2025年1月12日(日) に行われる予定となっている。
フォーマットは今回と同じく職工スタンダード。
興味ある方は是非とも参加していただければ幸いである。