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第2回職工宝刀杯 メタゲーム雑感


この記事では、先日 開催されたコモン・アンコモン限定スタンダード構築(以下「職工スタン」)の大会「第2回 職工宝刀杯」のメタゲームについて、思うところを書いていきたいと思います。

拙い文章ではあるし、的はずれな部分も多々あるとは思いますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

事前の予想

今大会は、先に開催された第1回の職工宝刀杯の結果や、大会一週間前に公開された まつかさ さんの職工スタンのサンプルデッキ記事により、「どんなデッキが強いのか」が事前に ある程度 分かる状態で開催されました。

特に有力なのが、前回優勝デッキであるシミックテラー(豆の木テラー)と、横並べ系の高速アグロである赤単《汚された画廊》アグロで、この二者は他のデッキに比べて頭一つ抜けている印象を受けました。

シミックテラーのサンプルデッキリストはこちら。

《希望の種子》《蓄え放題》《その名を言え》といった「墓地にカードを落としつつクリーチャーや土地を回収できるカード」を使うことで、墓地にインスタントやソーサリーを落としつつ《トレイリアの恐怖》《渦泥の蟹》を回収し、コスト軽減能力を活かして これらのクリーチャーを叩きつけ、盤面を制圧して勝つデッキです。

このデッキは高い再現性を持ち、除去は若干苦手ではあるものの《送還》《薮打ち》といったスペルや《渦泥の蟹》の存在によりブロッカーの排除も容易、《豆の木をのぼれ》によるアドバンテージによって長期戦も難なくこなせる、まさに前回王者に相応しいデッキとなっています。

もう一方の赤単《汚された画廊》アグロのサンプルデッキリストはこちら。

大量に採用された1マナのクリーチャー(総数20枚!)を展開し、《汚された画廊》による全体強化や《巨怪の怒り》《裏の裏まで》《ミラディンの悪断ち》による単体強化でバックアップし、速やかに相手のライフを削り切るデッキです。

これらのデッキの存在を受けて、筆者は「前回大会で準優勝となったオルゾフエンチャントのようなデッキが強いのではないか」と予想しました。

(中略)

このデッキはクリーチャーデッキ全般と相性が良く、またハンデスによりコントロールとも相性がいいため、メタゲーム上の立ち位置は良いはず。

ただ、このままだとシミックテラーに不利がつくんですが、サイドボードにテラー系デッキの天敵である《ドライアドの闘士》を取れるのが大きいです。

(このカードはスタンダードのセットのブースターパックからは出ませんが、ファウンデーションズの Starter Collection に収録されているため、スタンダードで使用可能です。)

墓地対策を《ドライアドの闘士》に頼る関係上、リアニメイトや《陰湿な根》には弱そうですが、シミックテラーがある環境で それらのデッキを握る人は少なそう、というのも「強そう」だと思った理由の一つです。

デッキ選択

自分は運営に回るため大会には出られませんでしたが、友人にデッキを提供して回してもらうことに。

デッキは赤単《汚された画廊》アグロを選択しました。

白黒エンチャントを選択しなかった理由ですが、自分で回すのならともかく、人に頼んで回してもらう以上、複雑な(といってもそこまでではないですが)ギミックを使うより、プレイの指針が分かりやすいものが良いと思い、友人の希望もあり赤単アグロを選択しました。

工夫として、まつかささんのリストから手札補充手段である《かまどの精》を抜いた代わりに土地を1枚増やしてゲームレンジを序盤に寄せた点と、サイドから本体に飛ぶ火力を投入してバーンプランを採れるようにした点が挙げられます。

ただ、結果からすると、これらは改悪であった可能性が高いです。 特にサイド後のバーンプランに関しては、メインのクリーチャー横並べプランだろうとバーンプランだろうと 共通の対策が有効になってしまう点(ライフゲインは有効だし、クリーチャーを抜き切ることも不可能なので軽量除去も刺さる)から、不適切だったと思います。

いま赤単画廊アグロを大会に持ち込むとしたら、こんな感じで組むと思います。

大会感想

白単ブリンク(性質的にはコントロール)、使用率トップかつ優勝と大躍進。

《ドライアドの闘士》を無理なく採用できるデッキが勝ち上がってくるとは思っていましたが、白単色が勝ち上がるとは思っていなかったので、自分としては かなり意外な結果となりました。

とはいえ、もともと職工スタンは単色が強いフォーマットであるため、考えてみれば妥当なところだと思います。 コントロールを単色で組むのであれば、やれることの幅が広い白にするのは必然と言えますし、白は直接的なカードアドバンテージこそ取りにくいものの、戦場に出た時のついでに仕事をするなど間接的にアドバンテージを取れるカードは むしろ多いため、それらをブリンクで使い回すデッキが強いのは必然と言えるかもしれません。

一方で、本命と目されていたテラー系デッキと赤単は、どちらも決勝SEに進めないという結果になりました。

今回唯一のテラー系デッキであったティムールテラーは、《薮打ち》によって多色化が比較的容易であることを背景に、シミックテラーに赤の除去を加えることでアグロデッキ耐性を高めたものになっていますが、今回のメタゲームはアグロデッキが比較的少なかったのが響いたのではないかと思います(あと、職工のマナベースだと、三色デッキで《渦泥の蟹》や《論破》のための青ダブルを出すのは大変だったのではないかとも思います)。

赤単に関しては、先程も述べましたが、サイドボードが練りきれてなかったのが大きいかなと。 デッキを組んで提供したのは筆者ですが、流石にサイド後に相手に適した除去やアドバンテージ獲得手段を用意しないで勝ち切れるほど職工スタンは甘くないというのが正直な感想です。

とはいえ、今回のスイスラウンドの対戦成績は、白単ブリンク2名のみ2勝0敗1分け、他のデッキ4名は全て1勝2敗となっており、白単ブリンクが強かった以外は、特に飛び抜けて強い/弱いデッキは存在していなかったのではないかと思います。

その点、白単ブリンクは本当に強かったです。 ただ、ミラーマッチで1ゲーム目に50分以上かかって 0-0-1 で引き分けているので、ミラーをどうするかという課題は残りました。 ミラーに強くすると、今度は他のデッキに対するガードが薄くなってしまうでしょうし、そこは使用者の工夫が試されるのではないかと思います。 メインで50分以上かかって引き分けているので、サイドからの対策ではなくメインから対策するしかないと思うのですが、そこをどうするかですね。

終わりに

というわけで、今回の職工スタンの大会は、白単ブリンクの ほぼ一人勝ちという結果になりました。

次回の職工宝刀杯は3月16日に予定されていますが、その頃には霊気走破が発売されて環境が動いているはずですので、また新たなデッキが生まれることを楽しみにしています。

それでは皆様、その時まで、よい職工ライフを!

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